デジタル感ある不思議な石 「ピクセルミラー」を通したドットの世界

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2021年12月09日 09:01  おたくま経済新聞

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デジタル感ある不思議な石 「ピクセルミラー」を通したドットの世界

 昔はレトロゲームのグラフィックとしてイメージが付いていたドット。ここ数年はピクセルアートとして、レトロゲームから独立した表現がなされ、アーティストやファンも増えてきています。魅力的なドットの世界、通した景色をドットに見せてくれる不思議な石「ピクセルミラー」がTwitterで話題を呼んでいます。


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 このようすをTwitterで披露したのは、ものり/monoli(@Hakusi_Katei)さん。「身に着ける小さな研究室」をテーマに、日常を科学にする理系アイテムを多数手がけています。


 今回、Twitterに投稿した映像は、「ピクセルミラー」を通して映し出された世界。


 「ピクセルミラー」はものり/monoliさんと、宝石研磨を行っている依田貴石 / Yoda Kisekiさん(@yoda_kiseki)との共同製作。古く宝石に使われる「ピクセルカット」というカット法に、凸レンズ状の型を応用、伝統の研磨技術と形状の研究により、ピクセルミラーの実現につながり完成したそうです。


 ものりさんがピクセルミラーを作ろうと考えたきっかけは、「2015年より続いている『Pixel Art Park』というドット絵のオンリーイベント」にあったそうです。「何かツールを使って来場者の方たちを全員『ドット絵』にできないかと思ったのが始まりです」と、ちょっとした思いつきだったと教えてくれました。


 また、この作品には「アナログとデジタルのあいだ」というコンセプトが込められているといい、「最近は解像度の高い『便利なツール』ばかりが世の中にあふれているので、 逆に世の中の解像度を下げる『不便なツール』があってもいいんじゃないかという思いも強くあり製作しました 」とのこと。


 製作過程で苦労した点についてもうかがうと「ドットに見えるようにする」こと。


 石のみで作るという恐ろしい制限の今作。可能な限り風景を「ドット絵」にするには、石の気持ちを傷つけない形状の研究や、依田貴石さんの機械を使わない「伝統の手擦り技術」は必要な存在でした。


 こうして少しの思いつきと、作りあげる情熱から生み出された「ピクセルミラー」。


 ものりさんはインタビューの最後で「普段のお気に入りの景色も、『ピクセルミラー』を使えば抽象的なドット絵になります。まるで現実をゲームみたいに変えて、日常の新しい顔を見つけられるかもしれません。また、世の中がなんでも『見えすぎてる』と感じてる人には、現実世界に少しだけモザイクをかける事で、世の中とほどよい解像度で接することができます」と、これからピクセルミラーに出会う人に向けメッセージを送っています。


 なお、ものりさんの作品は「ピクセルミラー」を含めHPを通じて販売も行われています。



<記事化協力>
ものり/monoliさん(@Hakusi_Katei)


(戦魂)


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