◆ 球団のレジェンドを追いかけて…
オリックスの福田周平選手(29)が10日、大阪市内の球団施設で契約更改交渉に臨み、2000万円増の年俸6000万円(金額は推定)でサイン。
来季から背番号を「4」から「1」に変更し、今年届かなかった“日本一”を獲りに行く。
切り込み隊長らしく、先手必勝で希望のナンバーを勝ち取った。
この日までにあった球団との電話での会話の中で、「来季から1番を付けたい」と申し入れ。
「新入団選手や新外国人らの番号が決まるまでに、早めに言わなければと思い、僕から言いました」と、背番号変更の経緯を説明した。
“背番号1”には、思い入れがある。
「小学校からはじめた野球で、『1番はうまい人』という印象があるが、これまで1番を付けたことはなかった。メジャーリーガーでも小さい選手が付けて頑張っていて、小さい自分も励まされた」
チームでは今季までスティーブン・モヤが付けていたが、かつては福良淳一GMも背負った番号だ。
1988年には打率.320で首位打者を争い、1993年から1994年にかけては836連続守備機会無失策の日本記録を作った守備の名手。
走攻守3拍子揃ったレジェンドについて、「成績を見ると、僕が目指すべき選手。福良さんに近づきたいと思った」と語った。
◆ 「いろいろ、アンテナを張っていますからね」
外野への転向も、自身の売り込みがキッカケだった。
セカンドとショートで若手を起用するチーム方針を事前にキャッチすると、志願してセカンドからセンターへ。
「いろいろ、アンテナを張っていますからね」と話したが、状況を判断して先を見る目は、1番打者にふさわしい“才能”である。
「1番・中堅」に定着した1年目を振り返り、「センターはまだ状況判断が難しい」と守備面の課題を挙げつつ、「オフに不安を全部なくすことは難しい。試合の中でしかできないこともあるので、試合で培っていきたい」と、実戦で場数を踏むことの重要性を強調。
また、打撃面については、「(野手の間を)抜けていかない打球があった。もっと力があれば抜けていて、数字(=打率)は変わったと思う」とし、体力面の強化をポイントに挙げる。
来季は不動のレギュラーとして、リーグ連覇と今季届かなかった日本一を…。心機一転、「1」を背負って打線の先陣を切る福田周平のプロ5年目に注目だ。
取材・文=北野正樹(きたの・まさき)
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