インスリン抵抗性をもつ多嚢胞性卵巣症候群にはメトホルミン治療が効果的である

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2021年12月23日 15:00  妊活・卵活ニュース

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インスリン抵抗性をもつ多嚢胞性卵巣症候群に対する改善効果
12月15日、浙江中医薬大学(中国)の研究チームは、「Human Reproduction」にて、インスリン抵抗性をもつ多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に対するメトホルミン治療は、鍼治療より改善効果を得られると発表した。

これまで鍼治療は、インスリン抵抗性をもつ多嚢胞性卵巣症候群の治療において、メトホルミン治療より少ない副作用でインスリン血中濃度を改善できると言われてきた。

今回、鍼治療によるインスリン抵抗性の改善効果は、メトホルミン治療と比べて効果は小さいと報告された。

インスリン抵抗性におけるメトホルミン治療あるいは鍼治療の効果
研究チームは、インスリン抵抗性をもつ多嚢胞性卵巣症候群の女性342人(18〜40歳)を対象に、メトホルミン治療あるいは鍼治療の効果を検証した。被験者は、2015年11月から2018年2月の期間、入院して治療を受けていた。

インスリン抵抗性とは、インスリンに対する感受性が低下してインスリンの作用が正常に機能していない状態である。多嚢胞性卵巣症候群の女性は、血糖を下げる働きのあるインスリン血中濃度が上昇しやすい。

被験者は3グループに分けられ、鍼治療とプラセボ、メトホルミンと偽鍼治療、偽鍼治療とプラセボを4ヶ月間継続し、その後3ヶ月観察を続けた。

鍼治療および偽鍼は1週間あたり3回施術し、メトホルミンおよび偽薬(プラセボ)では1日3回、1回あたり0.5gを服用した。なお、偽鍼治療とはシャム鍼を使用した疑似治療であり、鍼治療の治療効果を検証する。

4か月間の観察後、インスリン抵抗性が最も改善したのはメトホルミンと偽鍼治療を施したグループであったという。一方、鍼治療は、メトホルミン治療と比べて改善効果は低かった。メトホルミン治療は糖代謝を改善するだけでなく、副作用も小さいことが認められた。

(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction

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