大手家具メーカー・イケアが12月上旬にツイートしたCM動画に「女性を召使い扱いしている」などと批判の声があがっている。
話題のCMは、持ち運びトレーが付いたサイドテーブルの宣伝。【動画は記事下の関連記事から見られます】
批判された描写は、ソファでテレビ観戦する父・娘のために、母と見られる女性がトレーに乗せたジュース・菓子などを運んできて、跪いたような格好で給仕する様子だ。
続けて女性は飲食物の乗ったトレーをテーブルに置くと、テレビ画面が気になったそぶりを見せ、座るのではなくソファーの後ろに回り込んで家族と一緒に視聴する。
12月25日頃から、この動画に不快感を示すツイッターユーザーが現れ、中には「女性を奴隷のように扱っている」「ジェンダーバイアスがやばい」と言う人も出てきた。(文:篠原みつき)
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海外との比較をする人も
筆者も毎日家事をする女性の立場として、他の家族みんながくつろいでいるのに、自分だけが家事をしなければならない時のやりきれなさを思い出して、当たり前のようにそれが描かれるCMには「いらっと」してしまった。
一方、同商品CMのオーストラリア版では、テレビ画面から目を離せない男性が危なっかしくトレーを持ち運ぶ設定になっていた。ネットでは、その描写と比較して、日本のジェンダー状況を嘆く人もいた。
ただ、日本のCMは、女性が登場して最後まで、わずか7秒程度。それだけのシーンでしかない。オーストラリア版は男性が何度も同じことを繰り返しているような描写がなされているが、日本のCMは1回たまたま女性が運んだということしかわからない。
結局のところ問題は、当たり前のように女性が給仕を押し付けられている情景が、この日本にありふれているということではないだろうか。CMをみて不快に感じた人たちは、そういう思いをしている女性たちへの配慮を、イケアにしてほしかったのかもしれない。