【堀越】2年連続でたどり着いた全国の舞台 今年の堀越はアディショナルタイムに何かを起こす<第100回高校選手権>

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2021年12月28日 20:46  サッカーキング

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1年を通じて“アディショナルタイムのドラマ”を経験してきた堀越  [写真]=土屋雅史
今年の堀越は、アディショナルタイムに何かが起きる。

 5月9日、インターハイ予選1次トーナメント1回戦。都立狛江と対峙した堀越は、終始攻勢にゲームを進めながらも、なかなかゴールが奪えない。すると、試合終了間際の80分に先制点を献上してしまう。追い詰められた前年度の選手権予選王者だったが、アディショナルタイムの80+3分にキャプテンのMF宇田川瑛琉(3年)がPKを沈め、土壇場で何とか追いついてみせる。

 もつれ込んだ延長でも、後半2分にミス絡みの失点で勝ち越されたものの、7分に相手のオウンゴールで同点に。そして10+1分のラストプレーで、CKからMF古澤希竜(3年)が執念の決勝ゴール。「2回ぐらいは終わったと思いました。延長の失点は普通アレで終わるんですけどね」と佐藤実監督も素直な感想を口にしたように、奇跡的なアディショナルタイムの2ゴールで勝利を手繰り寄せた。



 6月19日、インターハイ予選準決勝。2点を先行した堀越は、後半に入ると帝京に押し込まれる時間が続く。猛攻にさらされながら、1失点を喫した守備陣も水際で必死に食い下がり、1点差のままで試合は後半のアディショナルタイムへ。だが、40+4分にCKから一瞬の隙を突かれ、同点弾を許す。

 メンタルを立て直し切れないまま突入した延長で、決勝点を手にしたのは帝京。「ラスト一歩のところで踏ん張れないというのが課題だったので、あの試合からそこのところを詰めてきました」とのちに語ったのは宇田川だ。アディショナルタイムの失点で全国切符を逃したこの敗戦は、今シーズンのチームにとって大きなターニングポイントとなった。

 11月13日。選手権予選決勝。前半だけで3点をリードした堀越は、後半に入って國學院久我山が見せた意地の反撃を受ける。2点を返され、あっという間にスコアは3ー2に。いつ追いつかれてもおかしくないような展開の中で、迎えた後半アディショナルタイムの80+4分。GKも上がってきた相手のCKを跳ね返すと、発動されたカウンターから半年前と同様に、古澤が豪快なダメ押し弾をゴールネットへ突き刺す。

 得点直後にタイムアップのホイッスルが吹き鳴らされ、ゴールと勝利の喜びを同時に味わった選手たち。「今年1年間で様々な経験をしてきて、最後の4点目のようなものが生まれてくる可能性があるぞという気持ちは、たぶん選手もそうですし、僕の中でも常に持っていました」(佐藤監督)。天国も、地獄も見てきたアディショナルタイムの経験を経て、彼らは間違いなく一回りも、二回りも、大きな成長を遂げてきた。

 もう一度だけ言っておこう。今年の堀越は、アディショナルタイムに何かを起こす。

取材・文=土屋雅史

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