◆ 「神戸に帰ろう」日本シリーズで激闘
昨季25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックスが、神戸市から「神戸市スポーツ特別賞」を受賞。
11日に神戸市役所で贈呈式が行われ、チームを代表して出席した中嶋聡監督は「神戸のみなさんが喜んでくれ、チームとして表彰されたことは嬉しい。大口を叩くかもしれないが、何とか連覇できるように頑張りたい」と、リーグ連覇に向けてあらためて強い意欲を示した。
「オリックス・バファローズ」となってからは準本拠地となっているほっともっとフィールド神戸だが、昨年の日本シリーズでは、スケジュールの都合から第6戦と第7戦が神戸で開催されることに。
第2戦から第4戦まで3連敗を喫する劣勢の中、「神戸に帰ろう」を合言葉に第5戦を取り返したことで、日本シリーズの戦いが25年ぶりに神戸に戻ってきた。
中嶋監督は「自分が思ったより神戸の皆さんが喜んでくれたと聞き、驚いた。もともと本拠とした地で、僕も数多くプレーしていた。何試合も(神戸に)帰ってくるわけではないが、日本シリーズができたことを評価してくれたのかなと思う」と感激した面持ちで喜びを語った。
久元市長から“シーズン中の苦労”について聞かれた中嶋監督は、「ケガ人が出始め、主力選手が抜けた時は思った通りの試合運びが出来なくなり、きつかった」と、主砲の吉田正尚を死球による骨折で欠いたことが、チームとして苦しい時期だったと吐露。
また、ほっともっと神戸で戦った日本シリーズでの“寒さ”を市長から尋ねられると、「途中から出場する選手は寒かったと思う。寒いということは頭にあったが、選手交代を告げるためベンチを出た時は本当に寒かった」と打ち明けている。
日本一を逃してから約1カ月半。「悔しさはもちろんあるが、終わったこと。それをどう生かすかはこれから。悔しいとかを抜きにして、新たなシーズンがはじまるものだと思っている」と前を見据えた。
そのうえで、今季の神戸での試合では「楽しく、元気なプレーで強い試合を見せたい」と約束。
連覇に向け、気になるのは再び広がり始めたコロナ禍による影響。「選手はいろんな場所で自主トレを行っており、リスクは必ずある。何とか元気でキャンプに来てほしい」と、最後は感染防止について選手にさらなる自覚を求めていた。
取材・文=北野正樹(きたの・まさき)
【動画】神戸帰るぞ!日本シリーズ第5戦のベンチ裏