勝てるところはひとつもない……と思いきや、唯一ありました。それは……学歴。私は四大卒なのです。
夫とその弟、そして義父は誰もが知る難関大学卒です。義母は有名女子大を出ています。つまり夫一家は全員よい学歴の持ち主なのです。(その中で私だけ頭のよくない大学……)ずっとコンプレックスを感じてきたけれど……でもまさか自分の経歴を誇れる日がやってくるとは。
「子どもの学力では負けない」と決意した私は、息子が小さいうちからいろいろな習いごとをさせました。
学習塾、英語教室、そろばん……週6日、とにかくギッチリと。
息子に「ここ、わからないんだけど……」と聞かれてもいまいち自信を持って教えてあげられません。
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がんばり屋の息子ですが、たまに目標を達成できないときがあります。そんなときは「どうしてできないの! 努力が足りないのよ!」と発破をかけます。
息子は私にそう言われ、肩を落とし、言葉を失くしてしまいます。
「ちょっと厳しすぎやしないか。もっとあいつのペースでやらせてやればいいのに」
夫が横から口を挟みますが、私は聞く耳を持ちません。
私と息子は「上」を目指すため、日々戦っているのです。その道がどれだけ困難でも、打ち勝たなくてはと思うのです。
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きっとメンタル面などのアドバイスはできると思うし、何より息子が一生懸命がんばれば必ず受かるはずです。
わが家の未来は明るいです。
息子は絶対にいい中学に入って、優秀な成績のまま高校を卒業し、いい大学へ行きます。
高卒の義妹の子によい大学なんて絶対にムリです。最後に笑うのはわが家です……!
【第2話】へ続く。
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