被災者のオリックス・田口コーチが語る「風化させないためにも、あの1試合は大きかった」

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2022年01月17日 18:30  ベースボールキング

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写真黙とうする湊球団社長ら(左から5人目が田口壮コーチ)[写真=北野正樹]
黙とうする湊球団社長ら(左から5人目が田口壮コーチ)[写真=北野正樹]
◆ 震災から27年…いまだ残る心の傷

 阪神淡路大震災から27年目を迎えた17日、オリックスは大阪市内の球団施設で犠牲者を追悼する黙とうを行った。神戸市内の自宅で被災した田口壮・外野守備走塁コーチは「我々は風化させる訳にはいかない。そのためにも、あの1試合は大きかった」と「神戸に帰ろう」を合言葉にほっともっと神戸で戦った昨年の日本シリーズ第6戦を振り返った。

 施設内のオセアンバファローズスタジアム舞洲のグラウンドに、湊通夫球団社長や横田昭作球団本部長、福良淳一GM、田口コーチのほか宮城大弥、合同自主トレを行っている新入団選手ら約90人が集合。正午に本塁から三塁線にかけて整列し、被災地・神戸の方角に向かい1分間黙とうした。

 「当時のことは鮮明に覚えている。27年経ってもそれは変わらない」と、田口コーチ。当時、住んでいたマンションで、その時を迎えた。「ドーン」という音に続いて縦揺れ。さらに横揺れへと続く大きな揺れに、「マンションが折れて、このまま死ぬのかと思った。死を感じるのはこういう時かと」と当時を振り返る。今も、ドアがバーンと閉まる大きな音には、ビックっとしてしまう。自身も、ドアはそっとでしか閉められない。

 「僕にとっては、その音がトラウマ。もっとひどい被害を受けている方々に比べれば軽いと思うが、それでも残っている。(壊れた)物は直るが、心は治らない。みんなでケアしていかなければいけない。だからこそ、風化させてはいけない」と語る。

 25年ぶりのリーグ優勝を果たした昨季。日本シリーズは劣勢の中、「神戸に帰ろう」を合言葉に敵地での第5戦に勝利し、第6戦を神戸のファンに見せることが出来た。「(震災翌年の)96年、最後のボールを捕って日本一になった自分が、一塁コーチャーとして立っているとは。当時を思い出した。球団(の本拠地)は神戸を離れたが、僕の中では、常に(神戸の方々と)一緒に戦っている思いがある。それは一生変わらない。風化させないためにも、あの1試合は大きかった」と、チーム全員で神戸でシリーズを戦えたことを喜んだ。

 地震が発生した1995年以降に生まれた選手も多い。「オリックスは、そういうことを経験してきた球団。歴史は大切にしてほしい。機会があれば、選手にも(経験したことを)話したい。我々は、風化させる訳にはいかない。いろんな問題が残っており、しっかりと伝えていきたい」と田口コーチ。

 自主トレを行うため、キャンプ地の沖縄県宮古島に移動する日の朝に被災した福良淳一GMは「あの日を忘れることは出来ない。何年経ってもそれは同じ」と言い、震災以降に生まれた選手が多いだけに「(黙とうで)若い選手も感じてくれれば」と期待を込めた。

 黙とうに参加したドラフト5位の池田陵真は「いろんな方が被害にあわれた。いま自分が野球を出来ていることに感謝の気持ちを改めて持った。両親や支えてくれた人たちに、プレーで恩返ししたい」と語った。

 震災の年は日本シリーズで敗れたが、翌年には日本一に輝いたオリックス。震災を風化させないためにも、連覇と日本一を果たさなければならない。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)


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  • 今日震災から27年。「安全の日宣言」は、地震、豪雨、それに感染症による複合災害の危険性に警鐘を鳴らす。死者6434人への黙祷を県民の一人として捧げる。
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