池田エライザの“諦めない”思い「大きなお世話なのですが一番楽しくて、幸せ」

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2022年01月17日 20:00  ドワンゴジェイピーnews

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女優として続々と話題作に出演するだけでなく、監督、歌手などあらゆる表現の場で存在感を発揮している池田エライザ。作家Fの初の小説を映画化した『真夜中乙女戦争』では、永瀬廉演じる主人公“私”が想いを寄せる“先輩”をしなやかに演じている。「私は歌うことも、お芝居をすることも、映画を撮ることも、その向こうに誰かがいることを想像して、誰かの助けになることができればいいなと思っています。大きなお世話なのですが、大きなお世話をしているときが私は一番楽しくて、幸せ」と笑顔を見せる池田が、永瀬との共演秘話やものづくりの原動力を明かした。

ダークな役柄にトライした永瀬廉は「“私”そのものだった」

10代、20代を中心に圧倒的支持を集め、Amazonの総合カテゴリでベストセラー1位 を獲得した小説を映画化した本作。平凡で退屈な日々を送る青年が、自分自身と東京を破壊するまでの夜と恋と戦争を描く。無気力な大学生で、鬱屈とした想いと破壊衝動を内に秘めている“私”を演じるのは、King & Princeの永瀬廉。池田は、世の中の矛盾を感じながらもまっすぐに生きようとする、正義感あふれる“先輩”を見事に体現。また柄本佑が、“私”に影響を与えていく謎の男“黒服”に扮した。

“私”は“先輩”に想いを寄せ、彼女と過ごす時間や対話を通して少しずつ成長していく。池田は「“先輩”としての芝居は、すべて“私”に由来するもの。“私”を見て影響されることで、“先輩”が生まれている。永瀬さんが演じた“私”には、“先輩”を突き動かす力がありました。なんだか哲学的な言葉になってしまうのですが、私が現場で見た“私”は、“私”そのものでした」とキラキラとしたアイドルのオーラを封印し、“私”そのものになった永瀬に最敬礼。


“私”と“先輩”の関係については、「違和感をきっかけにして惹かれ合う2人」だと分析する。「“先輩”はある程度、世渡りも上手だし、流行も追えるし、自分の夢だって持っている。模範にも思える生き方ができている人だけれど、“私”の前にいくと、自分を強く保てずに、なぜか自分の情けない部分が出てきてしまう。“先輩”としては“これは何なんだろう?”という違和感を覚えつつ、そういう気持ちになれる人に出会えた喜びもあって」と“先輩”の心の動きを紐解き、彼らが上下逆さに顔を見合わせながら横になるシーンで「2人の関係性がとても腑に落ちた。あのシーンって、お母さんのお腹の中にいる双子のよう。どこか似た者同士の2人なんだと感じた」という。

撮影については、「集中力のある現場だった」と述懐。池田は「和気あいあいとしていましたね。私も永瀬さんも柄本さんも、“おとぼけ三人衆”みたいなところがあって(笑)。3人で話しているときは運動部の部室のようなノリだったかも」と笑いながら、「でも本番となった瞬間、“解散!”といった感じで、それぞれがバッとお芝居の世界に入る。そういう切り替えのできる、気持ちの良い現場でした」と充実感をにじませる。


マルチな活躍の裏に「まだ戦いの渦中」と真摯な想い


どうせ死んでしまうのに、なぜ生きているのか。不公平な世の中でやりたいことを見つけることは難しいし、同じことを繰り返す毎日が退屈で孤独ーー。“私”が世の中に対して抱く絶望感や静かな怒りは、少なからず誰もが共感できるものかもしれない。池田も「共感できる」と告白する。

「ニュースを見ていても、まともな気持ちでいたらつらい気持ちになってしまう事件や事故も多い。生きることや外に出ることが怖くなってしまうようなニュースもあります」と打ち明けつつ、「だからといってスイッチを切って、人と関わることをやめてしまったら人生の醍醐味を感じることができない。人との出会いがあるからこそお互いに切磋琢磨できたり、幸せを感じることができたりするはず。本作の“私”も“諦めたほうが楽だ”と絶望しそうになっているけれど、人との出会いを通して変貌していく。その姿にもとても共感ができました」と語る。


もがきながら、自分の大切なものを探していく“私”。女優、歌手、監督業などマルチに活躍している池田だが、やりたいことを見つけるまでにはどのような戦いがあったのだろうか。


すると池田は「まだその戦いの渦中だと思います」とにっこり。「ずっといろいろなものを産み落とし続けていますが、“これが自分のやりたいことだ!”という感覚はなくて。ただ一つ確かに言えるのは、“誰かのために生きていたい”ということ。歌うことも、お芝居をすることも、映画を撮ることも、その向こうに誰かがいることを想像して、誰かの助けになることができればいいなと思っています。勝手にみんなのことを心配していて、それって大きなお世話なのですが(笑)、大きなお世話をしているときが私は一番楽しくて、幸せ」と笑顔を弾けさせる。


いい明日を迎えるためのヒント「つらい経験も、いい形で浮かび上がってくることがある」


この世界で生きていくことを諦めない“先輩”の姿は、かっこよく美しい。思えば、池田が原案・初監督を務めた映画『夏、至るころ』(2020)も、自分の人生に向き合い、諦めずに夢を見つけていこうとする若者を描いた実にまっすぐな青春映画だった。池田は「その瞬間の幸せや娯楽は簡単に手に入る世の中だけれど、自分にとってのサステナブルな幸せって何だろう?と思うと、ものすごく難しいものですよね。でも諦めずにそれを探し続けて、努力していくことで、清々しく生きられる」とやはり“諦めないこと”は、人生における大切なテーマになっている様子。

池田は「“こんな世の中、壊してしまえ”と破壊衝動を抱えている“私”や“黒服”を見ていると、“諦めないで”と声をかけたくなったりして。“もういやだ!”と思ったときには、明日にほのかな期待を抱きながら眠るのが一番だと思っています。“今日はダメな日だったけれど、きっと明日は大丈夫”って」と口火を切り、「一度眠って、明日を迎えればいいこともあるかもしれない。今の自分や今の知識量では戦えないと思ったら逃げることも大賛成。でも生きることを諦めるのはもったいない」としみじみ。

さらに「私は子供の頃から、寝る前に“この人にごめんねって言っていなかったな”、“さっきお母さんがコーヒーを淹れてくれたな”など振り返る時間を持つようにしていて。一日を思い出してみると、そこに優しさがあったことや、感謝したいことが見つかったりする。そう思って眠ると、次の日にいいことがあったりする」と微笑み、「私自身、幼少期や下積み時代にもつらいなと思うこともありましたが、そういう経験を積み重ねることで、より人に寄り添えるようになった気がしています。嫌だと思っていた経験が、いい形で浮かび上がってくることだってある。だからこそ大人になった人たちの使命って、“いいことだってある”、“がんばれ、がんばれ”と伝え続けていくことなのかなと思っています」と心を込める。深い愛情に満ちた池田エライザの笑顔は、まぶしいほどに輝いていた。



『真夜中乙女戦争』は1月21日より公開。


取材・文:成田おり枝

撮影:山田健史

©️2022『真夜中乙女戦争』製作委員会



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