W杯アジア最終予選で福田正博が注目する選手、吉田麻也の代役は?「世代交代は不測の事態から生じるもの」

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2022年01月18日 18:42  webスポルティーバ

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福田正博 フットボール原論

■1月17日からサッカー日本代表「国内組」の合宿が始まった。合宿最後のウズベキスタン戦は中止になったものの、コンディション調整、そして1月末から始まるカタールW杯予選2連戦に向け、大切な期間になる。福田正博氏に、今回の合宿、そしてW杯予選中国、サウジアラビア戦に向け、注目すべき選手を聞いた。




【W杯予選へのコンディション作り】

 1月27日に中国、2月1日にサウジアラビアとのW杯アジア最終予選を控える日本代表にとって、また試練が訪れた。

 新型コロナウイルスの第6波の影響で、1月21日に予定されていた親善試合ウズベキスタン戦の中止が決まった。これは1月17日からはじまった国内組の選手たちで行なわれる日本代表合宿の総仕上げ的なものだった。代替となるトレーニングマッチが予定されているが、モチベーションやプレー強度などを考えれば、意義はだいぶ損なわれてしまうだろう。

 そもそも今回の合宿は、森保一監督の要望を受けて実現した。昨年9月から始まったW杯アジア最終予選の前半戦で苦戦した要因は、選手たちのコンディションを揃える難しさだった。それを踏まえ、12月からシーズンオフに入っている国内組のコンディションを整えることを目的に組まれたものだ。2月にシーズン開幕を控えるJリーグクラブの協力を取りつけ、選手たちもケガをすればJリーグを棒に振るリスクを承知のうえで実現しただけに、ウズベキスタン戦が中止になったのは残念でならない。

 それでも代表合宿に招集されているGK権田修一(清水エスパルス)、DF長友佑都(FC東京)、酒井宏樹(浦和レッズ)、FW大迫勇也(ヴィッセル神戸)といった選手たちは、森保ジャパンの屋台骨を支える選手で実績も十分なだけに、しっかりとコンディションを整えるはずだ。

 権田をのぞく3選手は、昨年はシーズン途中でJリーグに復帰したこともあって、体調面で苦労した。それだけに今回もコンディションを整えられなければ、若手に取って代わられる危機感があるだろう。万全の状態に仕上げて臨む彼らが、W杯アジア最終予選で圧倒的なパフォーマンスを見せてくれると期待している。

 それ以外のメンバーを見渡すと、Jリーグをしっかり視察する森保監督らしく、面白いメンバーをピックアップしたと思う。スコットランドのセルティックへの移籍が決まった旗手怜央、前田大然は不参加となったが、追加招集されたMF松岡大起、MF鈴木唯人(ともに清水)を含めて、11月のW杯本大会までに急成長を遂げる可能性のある選手が多い印象だ。

【国内組で期待の選手】

 今回の初招集組は、昨季Jリーグで36試合10得点をあげてベストヤングプレイヤー賞を受賞した19歳の荒木遼太郎(鹿島アントラーズ)をはじめ、パリ五輪世代からDF西尾隆矢(セレッソ大阪)と松岡と鈴木が選ばれた。

 ウズベキスタン戦が中止になり、W杯アジア最終予選のメンバー入りは難しいかもしれないが、日本代表に定着できるポテンシャルを秘める彼らが、日本代表合宿を経験することは大きな意義があるはずだ。今後の大きな飛躍につなげてもらいたいと思う。技術力は間違いないだけに、世界で戦うためのフィジカル面の差を埋める努力を積んでいければ、W杯カタール大会のメンバーに名を連ねていても不思議はない。

 加えて楽しみなのが、2019年2月以来、約3年ぶりに代表復帰した武藤嘉紀(神戸)だ。昨季は8月に神戸に加入すると14試合で5ゴール7アシストを記録。これまで海外組がJリーグに復帰すると、コンディション面やJリーグ特有のスピーディーなスタイルに適応できずに戸惑うケースが多かったなか、武藤はしっかりと適応していたのが印象的だった。

 最前線のサイドでも中央でもプレーでき、DFラインの裏を狙いながら、ゴール前にもしっかり顔を出してシュートを狙う。武藤のプレースタイルを考えると、ウズベキスタン戦の中止に関わらずW杯アジア最終予選のメンバーに入る可能性は十分にあると見ている。調子のよさに加えて経験もある選手なので、起用されれば存在感を発揮してくれるはずだ。

 攻撃陣でもうひとり期待しているのが上田綺世(鹿島)だ。ポテンシャルの高さは"ポスト大迫"としてサッカー関係者の誰もが認めるもの。それだけに、ここらで大化けしてもらいたい。逆にそろそろ結果を出さなければ、今年11月の本大会出場が決まってもメンバー入りが難しくなるかもしれない。それぐらいの心境で臨んでほしい選手だ。

【吉田麻也の代役は誰に?】

 1月27日からのW杯アジア最終予選には、年明け最初のセリエAの試合で右太ももを痛めた日本代表キャプテンの吉田麻也(サンプドリア)を欠くことが濃厚になった。

 最大の焦点は大黒柱の代役を誰が務めるのか。最右翼はドイツのブンデスリーガ2部でプレーする板倉滉だろう。今季加入したシャルケでは、センターバック(CB)として安定したプレーを見せている。

 そのCBでは国内組の代表合宿に谷口彰悟(川崎フロンターレ)、中谷進之介(名古屋グランパス)、西尾の3選手が参加している。どの選手にもW杯最終予選のメンバー入りはもちろん、スタメン起用もあるかもしれない。

 もし出場機会を得たなら、長きにわたって日本代表を支えてきた33歳の吉田の経験値に劣るのは当然のことと割りきって、このチャンスを臆せずにつかみとってもらいたい。得てして世代交代はこういう不測の事態から生じたりするだけに、誰がメンバー入りして頭角を現すのかに注目している。

 W杯アジア最終予選の2試合は埼玉スタジアム2002で開催される。今後のオミクロン株の感染拡大次第な面は残るものの、現時点では入場制限つきで観客を入れての開催が予定されている。声を出しての声援はできないが、絶対的なホームアドバンテージである大きな力に後押しされる日本代表が、W杯出場権獲得に向けて大きな一歩を踏み出してくれると信じている。

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