第166回芥川賞は砂川文次『ブラックボックス』、直木賞は今村翔吾『塞王の楯』、米澤穂信『黒牢城』に決定!

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2022年01月19日 18:41  ダ・ヴィンチWeb

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写真『ブラックボックス』(砂川文次/講談社)
『ブラックボックス』(砂川文次/講談社)

 第166回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が発表された。選考会は1月19日(水)、都内で開催され、「芥川龍之介賞」は砂川文次氏『ブラックボックス』に、「直木三十五賞」は今村翔吾氏『塞王の楯』、米澤穂信氏『黒牢城』に決定した。

【第166回芥川賞受賞作品】

『ブラックボックス』(砂川文次/講談社)

【あらすじ】
ずっと遠くに行きたかった。
今も行きたいと思っている。

自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。
自衛隊を辞め、いまは自転車便メッセンジャーの仕事に就いているサクマは、都内を今日もひた走る。

昼間走る街並みやそこかしこにあるであろう倉庫やオフィス、夜の生活の営み、どれもこれもが明け透けに見えているようで見えない。張りぼての向こう側に広がっているかもしれない実相に触れることはできない。

気鋭の実力派作家、新境地の傑作。

【プロフィール】
砂川文次(すなかわ・ぶんじ)●1990年、大阪府生まれ。神奈川大学卒業。元自衛官。現在、地方公務員。2016年、「市街戦」で第121回文學界新人賞を受賞。著書に『戦場のレビヤタン』『臆病な都市』『小隊』がある。

【第166回直木賞受賞作品】

『塞王の楯』(今村翔吾/集英社)

『塞王の楯』(今村翔吾/集英社)

【あらすじ】
どんな攻めをも、はね返す石垣。
どんな守りをも、打ち破る鉄砲。
「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、究極の戦国小説!

越前・一乗谷城は織田信長に落とされた。
幼き匡介(きょうすけ)はその際に父母と妹を喪い、逃げる途中に石垣職人の源斎(げんさい)に助けられる。
匡介は源斎を頭目とする穴太衆(あのうしゅう)(=石垣作りの職人集団)の飛田屋で育てられ、やがて後継者と目されるようになる。匡介は絶対に破られない「最強の楯」である石垣を作れば、戦を無くせると考えていた。両親や妹のような人をこれ以上出したくないと願い、石積みの技を磨き続ける。

秀吉が病死し、戦乱の気配が近づく中、匡介は京極高次(きょうごくたかつぐ)より琵琶湖畔にある大津城の石垣の改修を任される。
一方、そこを攻めようとしている毛利元康は、国友衆(くにともしゅう)に鉄砲作りを依頼した。「至高の矛」たる鉄砲を作って皆に恐怖を植え付けることこそ、戦の抑止力になると信じる国友衆の次期頭目・彦九郎(げんくろう)は、「飛田屋を叩き潰す」と宣言する。

大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、宿命の対決が幕を開ける――。

【プロフィール】
今村翔吾(いまむら・しょうご)●1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビューし、同作で第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞を受賞。2018年「童神」(刊行時『童の神』に改題)で第10回角川春樹小説賞を受賞、同作は第160回直木賞候補となった。『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。2020年『じんかん』で第11回山田風太郎賞を受賞、第163回直木賞候補となった。2021年、「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第6回吉川英治文庫賞を受賞。他の文庫書き下ろしシリーズに「くらまし屋稼業」がある。

『黒牢城』(米澤穂信/KADOKAWA)

『黒牢城』(米澤穂信/KADOKAWA)

【あらすじ】
史上初、4大ミステリランキング完全制覇!
本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の智将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の集大成。『満願』『王とサーカス』の著者が辿り着いた、ミステリの精髄と歴史小説の王道。

【プロフィール】
米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)●1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』で日本推理作家協会賞、14年『満願』で山本周五郎賞を受賞。『満願』は同年の年間ミステリランキングで三冠をとるなど、話題を呼んだ。近著に『王とサーカス』『真実の10メートル手前』『いまさら翼といわれても』『Iの悲劇』『本と鍵の季節』『巴里マカロンの謎』などがある。

■第166回芥川龍之介賞の他の候補作はこの4作品

『我が友、スミス』(石田夏穂/集英社)

『我が友、スミス』(石田夏穂/集英社)

【あらすじ】
前代未聞の筋トレ小説、誕生!
「別の生き物になりたい」。
筋トレに励む会社員・U野は、Gジムで自己流のトレーニングをしていたところ、O島からボディ・ビル大会への出場を勧められ、本格的な筋トレと食事管理を始める。しかし、大会で結果を残すためには筋肉のみならず「女らしさ」も鍛えなければならなかった――。
鍛錬の甲斐あって身体は仕上がっていくが、職場では彼氏ができてダイエットをしていると思われ、母からは「ムキムキにならないでよ」と心無い言葉をかけられる。モヤモヤした思いを解消できないまま迎えた大会当日。彼女が決勝の舞台で取った行動とは?世の常識に疑問を投げかける圧巻のデビュー作。

【プロフィール】
石田夏穂(いしだ・かほ)●1991年埼玉県出身。東京工業大学工学部卒。2021年「我が友、スミス」で第45回すばる文学賞佳作。

『Schoolgirl』(九段理江/文藝春秋)

『Schoolgirl』(九段理江/文藝春秋)

【あらすじ】
令和版「女生徒」
どうして娘っていうのは、こんなにいつでも、お母さんのことを考えてばかりいるんだろう。
社会派YouTuberとしての活動に夢中な14歳の娘は、私のことを「小説に思考を侵されたかわいそうな女」だと思っている。そんな娘の最新投稿は、なぜか太宰治の「女生徒」について――?
第126回文學界新人賞受賞作「悪い音楽」を同時収録。

【プロフィール】
九段理江(くだん・りえ)●1990年生まれ。2021年、「悪い音楽」で第126回文學界新人賞を受賞。

『オン・ザ・プラネット』(島口大樹/講談社)

『オン・ザ・プラネット』(島口大樹/講談社)

【あらすじ】
「終わったのかな」「なにが?」「世界?」
同じ車に乗り込んだぼくら四人は、映画を撮るために鳥取砂丘を目指す。
注目の新星が重層する世界の「今」を描く、ロード&ムービー・ノベル。

「これからぼくらが話すことは、人類最後の会話になるかもしれない。
そうやって考えるとき、皆は何を話したい?」
記憶すること、思い出すこと、未来に向かって過去をみつけ直すこと。
現実と虚構の別を越えて、新しい世界と出会う旅。

群像新人文学賞受賞のデビュー作『鳥がぼくらは祈り、』に続く、23歳の飛躍作!

【プロフィール】
島口大樹(しまぐち・だいき)●1998年埼玉県生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。2021年、「鳥がぼくらは祈り、」で第64回群像新人文学賞を受賞しデビュー。同作が第43回野間文芸新人賞候補となる。

『皆のあらばしり』(乗代雄介/新潮社)

『皆のあらばしり(乗代雄介/新潮社)

【あらすじ】
ぼくと中年男は、謎の本を探し求める。三島賞作家の受賞第一作。幻の書の新発見か、それとも偽書か――。高校の歴史研究部活動で城址を訪れたぼくは中年男に出会う。人を喰った大阪弁とは裏腹な深い学識で、男は旧家の好事家が蔵書目録に残した「謎の本」の存在を追い始めた。うさん臭さに警戒しつつも、ぼくは男の博識に惹かれていく。ラストの逆転劇が光る、良質のミステリのような注目作。

【プロフィール】
乗代雄介(のりしろ・ゆうすけ)●1986年生まれ。法政大学社会学部メディア社会学科卒。2015年、「十七八より」で第58回群像新人文学賞を受賞しデビュー。18年、『本物の読書家』で第40回野間文芸新人賞、21年『旅する練習』で第34回三島由紀夫賞を受賞。

■第166回直木三十五賞の他の候補作はこの3作品

『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬/早川書房)

『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬/早川書房)

【あらすじ】
独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?

【プロフィール】
逢坂冬馬(あいさか・とうま)●1985年生まれ。明治学院大学国際学部国際学科卒。本書で、第11回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー。埼玉県在住。

『新しい星』(彩瀬まる/文藝春秋)

『新しい星』(彩瀬まる/文藝春秋)

【あらすじ】
直木賞候補作、高校生直木賞受賞作『くちなし』から4年――
私たちは一人じゃない。これからもずっと、ずっと
愛するものの喪失と再生を描く、感動の物語

幸せな恋愛、結婚だった。これからも幸せな出産、子育てが続く……はずだった。順風満帆に「普通」の幸福を謳歌していた森崎青子に訪れた思いがけない転機――娘の死から、彼女の人生は暗転した。離婚、職場での理不尽、「普通」からはみ出した者への周囲の無理解。「再生」を期し、もがけばもがくほど、亡くした者への愛は溢れ、「普通」は遠ざかり……。(表題作「新しい星」)

美しく、静謐に佇む物語
気鋭が放つ、新たな代表作

【プロフィール】
彩瀬まる(あやせ・まる)●1986年生まれ。上智大学文学部卒業。2010年「花に眩む」で第9回女による女のためのR-18文学賞読者賞を受賞。13年『あのひとは蜘蛛を潰せない』で小説家デビュー。ほか、12年には東日本大震災時の被災体験を記録した『暗い夜、星を数えて 3・11被災鉄道からの脱出』を刊行している。

『ミカエルの鼓動』(柚月裕子/文藝春秋)

『ミカエルの鼓動』(柚月裕子/文藝春秋)

【あらすじ】
この者は、神か、悪魔か――。
気鋭の著者が、医療の在り方、命の意味を問う感動巨編。

大学病院で、手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木が現れ、西條の目の前で「ミカエル」を用いない手術を、とてつもない速さで完遂する。
あるとき、難病の少年の治療方針をめぐって、二人は対立。
「ミカエル」を用いた最先端医療か、従来の術式による開胸手術か。
そんな中、西條を慕っていた若手医師が、自らの命を絶った。
大学病院の闇を暴こうとする記者は、「ミカエルは人を救う天使じゃない。偽物だ」と西條に迫る。
天才心臓外科医の正義と葛藤を描く。

【プロフィール】
柚月裕子(ゆづき・ゆうこ)●1968年岩手県生まれ。2008 年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞。09年同作品でデビュー。


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  • 今年は変なタレントみたいなの出てこなくてよかったね・・・
    • イイネ!2
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