高卒の義妹の子どものマイカちゃんが優秀で、大卒の私は「負けたくない!」と息子を有名私立中学に入学させました。
でも息子は中学で成績が振るわず、不登校に……。さらに「本当は中学受験なんてしたくなかった」と息子に言われてしまいました。
その日の夜。いつも忙しい夫が珍しく早く帰宅しました。ショックを引きずったままの私は、今日息子と話したことを夫にまくし立てます。
「どうしてこの恵まれた状況を否定するの? わがまますぎじゃない?」
「今まで途方もないお金とエネルギーをあの子の教育に注ぎ込んできたのに、今さらそんなこと言うなんて!」
はっと息をのみます。息子にも言われた言葉です。
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たしかに私は、義妹に負けたくない一心で、息子を競争の道具に使ってしまったかもしれません。そのことで息子の心を傷つけて、この結果を生んでしまったのだとしたら……。私は今さらですが深く反省しました。
そして、決意しました。もう、誰とも比べない。うちはうち、よそはよそ。
それから私は夫と一緒に息子の部屋へ行き、ドア越しに息子に語りかけます。
「あのね……マイカちゃんちのお母さんに負けたくなかったの……だから、必死になってマイカちゃんに負けるな、がんばれって……。でも、それって違うよね、ごめんね。これからはもう誰とも比べない。あなたがどう生きれば一番幸せか、それを一生懸命探していくつもりだから……」
これからは、息子だけの唯一無二の幸せを探していこう。息子とじっくり向きあおう。
ゆっくり時間をかけて、彼の心の傷を癒し、将来の希望を探していけたらと思っています。
―終―
原案・ママスタコミュニティ 脚本・大島さくら 作画・Ponko 編集・秋澄乃
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