私立S女学院には特待生制度があると聞いていました。特待認定にはランクAからランクDまであり、入学試験で高い点を取るほど免除される費用は多くなっていました。最上位のランクA特待生は入学金や授業料などが全額免除、ランクD特待生だと毎月の施設整備費のみが免除になるのだそうです。
さらにお母さんは、「お金のこととは別に、気になることがあるの」と話を続けました。
母「S女学院のソフトボール部、部員が多かったよね。いろんな中学から選手が集まってくるんでしょ?」
ハルカ「うん、そうだよ。ソフトボールのために県外から受験して寮に入る子もいるって」
母「ハルカだってS女学院で活躍できるかもしれない。ただ大変なのは間違いないから、覚悟は聞いておきたいの。ソフトボール部が強い学校は他にもあるんじゃないの? 今から志望校を絞らずに、まだ他の学校も調べてみたら?」
ハルカ「うん……」
私は学校説明会の日のことを思い出しました。ソフトボール部を見学している中学生のなかには、よその学校のエース級の子たちが何人もいました。お母さんの話を聞いて、志望校は部活だけじゃなくもっといろいろな面から考えることが必要だなと思ったのでした。
【第5話】へ続く。
|
|