大坂なおみ、全豪3回戦敗退で世界ランキング急落。今後の成長へ学びになるナダルの言葉

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2022年01月22日 11:41  webスポルティーバ

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 敗戦直後の記者会見でも、大坂なおみは泣かなかった。「今日の出来事からたくさん学ぶことがあったと思う」と時折笑顔さえ見せながら振り返った――。




 今季グランドスラム初戦である全豪オープンの3回戦、ディフェンディングチャンピオンで第13シードの大坂(WTAランキング14位/1月17日づけ、以下同)は、アマンダ・アニシモバ(60位、アメリカ)に、6−4、3−6、6−7で敗れて、大会連覇は実現できなかった。

 アニシモバは、2019年4月、WTAボゴタ大会(コロンビア)で、17歳222日という若さでツアー初タイトルを獲得。さらに同年6月には、ローランギャロス(全仏)でベスト4に進出した逸材だ。今季は、前哨戦のWTAメルボルン大会で優勝して、自身2回目のツアー優勝を経て全豪オープンに臨んでいた。

 大坂とアニシモバは初対戦だが、試合の序盤で硬さが見られたのはアニシモバだった。だが、大坂のパワーとスピードに慣れ始めると、ポテンシャルの高さが伺える場面が増えていく。

 第1セットでは大坂が第1ゲームをブレークし、第2セットではアニシモバが第4ゲームをブレークして、いずれもワンブレークでセットを取り合った。

 大坂は、得意のフォアから相手のフォアサイドにボールを集めてミスを引き出そうとしたが、アニシモバは、得意のバックだけでなくフォアでも打ち勝てるようになっていった。

「ラリーでは、間違いなく彼女(アニシモバ)が主導権を握っていたと思います。私にとって新しい感覚でした。もちろん対戦するのは初めてなので、彼女のボールのペースは知りませんでした。ほとんどのラリーで後手を踏んでしまい居心地は悪かったです。彼女が速いボールを打ったり、突然短いボールを打ったりして、何だか卓球のようなテニスでした。私は、(ベースラインの)後方へ下がらされ、十分な形で(コートの)中へ入っていくことができませんでした」

 こう語った大坂だが、ファイナルセット第10ゲームでマッチポイントを2回握る。しかし、いずれも大坂がバックハンドクロスをネットして取りきることができない。結局、ファイナルセットでは、お互いすべてのサービスゲームをキープして、10ポイントマッチタイブレークに入る。1ポイント目で大坂がミニブレークを許してから、常にアニシモバがポイントを先行する形になってしまい、1回目のマッチポイントで時速178kmのセンターへのサービスエースをアニシモバが決めて、大坂の全豪連覇への道は閉ざされた。

 アニシモバは、サービスエース11本を含むウィナー46本を決めて、大坂のサービスエース5本を含むウィナー21本を上回った。競った場面では大坂のメンタルが試されたわけだが、ここぞという場面でプレーの精度がもう一つ上がらなかったのは、今後の課題になっていくだろう。

 またもや若手選手に敗れた大坂だが、昨年のUSオープン3回戦敗退時と違い、20歳のアニシモバとの試合では、今できるベストプレーをして、すべてのポイントでファイトできたことを自分自身の誇りにしたいと胸を張った。

 敗戦から学ぼうとする大坂の姿勢はすばらしいが、厳しい現実と真摯に向き合っていくことも大切だ。苦い敗戦にこそ、今後、大坂がプロテニスプレーヤーとして成長していくためのヒントが隠されているかもしれない。

 昨シーズンに左足の故障によって早々にシーズンを終えた35歳のラファエル・ナダル(5位、スペイン)は、今季戦列復帰を果たしてから、現状を受け入れることの大切さを語っている。

「自分自身の過ちを許す必要があります。プロセスを受け入れて十分に対処することも必要。物事がうまくいかないこともあることを受け入れる必要もある。そして、もちろん負ける可能性もあるという、より大きな問題があることを受け入れるべきです。それを受け入れた時が、前に進む瞬間です」

 ナダルが自らへの教訓として語ったことは、24歳になった大坂の心の琴線に触れるようなことばかりに思える。グランドスラム20勝を誇るナダルのような偉大なチャンピオンから学べることがたくさんある。

 大坂は、昨年全豪オープンで獲得した2000ポイントのうち、1870点を守ることができず、今大会終了後にWTAランキングがトップ50圏外となり、おそらく90位ぐらいまで急落することになる。もともと出場する大会数を絞る傾向があったうえに、昨シーズンはメンタルヘルスの問題で満足に試合をこなせなかったことも影響している。

「自分のランキングは気にしないわ」と言う大坂は、まさに出直しという形になった。

厳しい時こそ笑える自分であるべきで、そういう状況が自分をよりタフに、そしてより強くしてくれると大坂は信じているが、その信念を今こそ貫く時であり、彼女の真価が問われていくことにもなる。

「次にプレーするどんな大会でも、本当にポジティブに臨めると思う」

 大坂のこの言葉を信じながら、彼女がテニスを楽しみつつ再びトップへ這い上がっていくのを心待ちにしたい。

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