息子からはずっと高級老人ホームAへの入居を勧められていたので、私もすっかりそのつもりでいました。しかしAは近隣の他のホームに比べて費用が高いのです。ハルカの大学進学費用や家のローンなどを考えると、私のために無理な支払いはさせられません。その後、息子夫婦と一緒に老人ホームBとCを見学して検討しました。
私はホームに入居する前に、娘のユウコとどうしても話をつけておかなければと思っていました。ユウコは遠方に住んでいるのをいいことに「介護に協力するのは難しい」「お金は出せない」と言い続けていたのです。
娘のユウコが「家を建てる」「車を買う」「子どもが東京の大学に入る」など援助を求めるたび、亡き夫は「嫁ぎ先で恥をかかせるわけにはいかない」と見栄を張ってお金を送っていました。本当は私だって貯金も資産もないことが後ろめたく、同居する嫁がお金のやりくりに苦労しているのも申し訳ないと思っていたのです。
私も夫に対して「無理なものは無理」とはっきり言うべきだったのでしょう。夫が亡くなった今となっては何を言っても遅いですが……。その後、私は身の回りのものを少しずつ整理し、老人ホームから入居の連絡が来るのを静かに待つ日々です。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・千永美 作画・うーにゃ 編集・井伊テレ子