オミクロン株・まん延防止・3回目のワクチン…etc.「コロナの不都合な真実」の核心に迫る

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2022年01月25日 05:00  週刊女性PRIME

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写真マスクが日常になった2年間、外せる日はいつに(JR品川駅)
マスクが日常になった2年間、外せる日はいつに(JR品川駅)

 1月20日の東京都の新型コロナモニタリング会議では警戒レベルを「最も深刻なレベル」へ引き上げる事態となった。

 だが、コロナにまつわる情報は信憑性の高いものから眉唾なものまで、錯綜している。豊洲はるそらファミリークリニックの土屋裕先生にその真偽について直撃した。

●オミクロンはただの風邪で症状も対処法も同じ?

 現在、感染爆発を引き起こしているオミクロン株。これまでのどの株よりも感染力は高いが、重症化リスクは比較的少ないというデータもある。なかには「ただの風邪と同じようなものでは?」と警戒を緩める人もいるが……。

「たしかにオミクロン株の症状は発熱やのどの痛みなど風邪の症状と似ていて、無症状の方も多いようです。しかし、当院でも糖尿病のある高齢の方が重症化した例がありますし、第5波のときも感染者数が増えてから約2週間遅れで重症者数が増えました。感染者数が増えれば当然、高齢者、合併症がある患者の感染者数も増えるので、必然的に重症者数の増加が予測される。もしただの風邪なら高齢者が重症化して集中治療室や人工呼吸器をここまで使ったり、病床を圧迫するということはないでしょう。その点でもオミクロン株と風邪を同等に考えることはできません」

●日本人は特殊な免疫を持ち、感染しづらい?

 日本の新型コロナ感染者数が欧米と比べて少ないのは、日本人特有の要因があるのではという都市伝説もささやかれているが、その真相は?

日本人の6割ほどが持っているHLA-A24という型の細胞性免疫が、季節性と新型の両方のコロナウイルスに有効に働くということが国内の研究グループによって昨年末に確認されました。ただし、この感染状況を見てもわかるように、まったくコロナにかからないといった類の“特殊免疫”ではないですし、HLAについてはまだまだ研究段階。細胞性免疫活用への期待は大きいですが、すぐに治療や予防に活用できるかというと、まだまだ時間がかかると思います」

●オミクロン株の感染予防はうがいが有効?

 オミクロン株は鼻からのどまでの上気道で増殖するので、予防にはうがいが極めて有効という噂も。事実ならば、またうがい薬が品切れを起こす事態にもなりそうだが……。

「新型コロナではウイルスが口内の細胞に感染し、増殖している様子が確認されています。ただし、口内にウイルスが吸着してから細胞内へ侵入するのにかかる時間は、数分〜20分ほど。ウイルスがのどに入り込んだ瞬間に即座にうがいをすれば洗い流すことも可能かもしれませんが、実際はうがいの効果は低いと考えられます。また、ポビドンヨードのような市販のうがい薬でこまめにうがいをしすぎると感染を防御する細菌層を壊してしまい、逆に感染を起こしやすくなるという研究もあります。しないよりはしたほうがいいと思いますが、うがいに過度な期待はしないほうが賢明ですね」

●アクリルのパーテーションは感染予防になる?

 感染予防として職場や飲食店などに多く設置されるようになった透明なパーテーション。実際にはどれほどの効果があるものなのだろうか。

「パーテーションには飛沫を防ぐ効果があることを理化学研究所のチームが2年前に解析しています。一方、アメリカの最近の研究では、学校の机に設置した仕切りは換気の改善やマスクの着用に比べると、ほとんど感染予防効果がないと報告されました。飲食店で見かけるような目の下くらいの高さの仕切りでは感染予防になりにくく、効果の実証されたワクチン接種や換気、高性能な空気清浄機の導入などのほうが期待できます。あくまで、補助的な対策と捉えたほうがいいです」

●飲食を制限すれば感染者数が抑えられる?

 1月21日より1都12県で適用が再開された「まん延防止等重点措置」。北海道など、要請に慎重な姿勢の自治体も多いが、第6波を抑えることはできるのか。

「まん延防止等重点措置は飲食の制限が中心なので、それだけで簡単に感染者数が減るとは考えにくく、むしろ今は家庭内の感染が増えてきています。今回の適用によって人々がよりコロナ予防への意識を高く持ち、自身の行動を抑制することができれば、感染予防につながるかもしれません。また、自宅や飲食店を問わず、飲酒をする人はしない人に比べて感染リスクが2倍になるというデータもあります。いずれにせよ、飲食店の制限だけで感染が落ち着くフェーズは過ぎているとはいえるでしょうね」

●デルタとオミクロンが合体した変異株は最強?

 キプロスでデルタ株とオミクロン株の特徴を併せ持つ「デルタクロン株」が発見されたというニュースが世界中を駆け巡ったが……。

「キプロスのサンプルは複数の国でゲノム解析をされていますが、デルタクロン株の報告は技術的なエラーだと主張する研究者もおり、まだその正体や実際に存在するのかは不明です。もし本当に重症化率が高く感染率も高いものであれば、すでにこのデルタクロン株は世界中で感染爆発を起こしているはずですが、そうなっていません。ただ、今後いつそのような変異株が出てきても不思議ではありません」

●ブースター摂取を受けると免疫機能が低下?

 欧州医薬品庁は1月11日に「ブースター接種を受け続けると免疫機能が低下する」という警告を発した。日本でもブースター接種は始まったばかりだが……。

「これまでにどのmRNAワクチンも短期間のうちに3回、4回と繰り返されたものはないため、実際に免疫体系にどれほどの負担がかかるのかといったデータはなく、あくまでも推測の域ではあります。3回目の接種は10週後には有効性が45〜50%まで下がると報告がなされており、かといって際限なくブースター接種を繰り返すわけにもいきません。医療体制的にも接種する人の負担の点でも、ブースター接種をずっと続けることは現実的ではないですね」

●インフルエンザとの同時感染で重傷者が増える?

 コロナとインフルエンザの同時感染、通称「フルロナ」の例は世界中で確認されている。同時流行も警戒されるなか、そのような事態は実際に起こりうるのだろうか。

新型コロナウイルス流行の直後、中国・武漢の重症患者の半数がインフルエンザにも感染していたという研究結果が出ており、重複感染は実際に起こりえます。当院でもフルロナの患者を1例経験しましたが、その方は若い男性で軽症でした。重複感染による全般的な致死率への影響はないという指摘が出ている一方、長崎大学の基礎研究では重複感染すると肺炎が重症化・長期化する可能性が示されています。両ウイルスは症状や感染抑制に向けた対策などで類似点があるため、これまでと同様の適切な予防を心がけることが大切ですね」

●コロナが普通の風邪になる日は来る?

 新型コロナが季節性インフルエンザと同じ5類感染症に引き下げられるのはいつ?

「たしかに軽症の割合が増えてきており、これで2類感染症のままというのは厳しすぎるとは思います。ただ、新薬や3回目接種、オミクロン株がどこまで重症化しないかなどを踏まえて検討していく必要があり、オミクロン株が爆発的に増えている中、“コロナはただの風邪”と呼べる日が来るのは、本当に残念ですがまだまだ先になりそうです」

 新型コロナの不都合な真実。落胆せずにいましばらく向き合っていく覚悟を強いられている。

お話を伺ったのは


土屋 裕先生 日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医。昭和大学の関連病院や海外で20年ほど活躍し、2020年に『豊洲 はるそらファミリークリニック』(東京都江東区)を開業。発熱外来、コロナワクチン接種も実施。

取材・文/吉信 武

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  • �֥ɥ�飲酒をする人はしない人に比べて 感染リスクが2倍になるというデータもあります。�����ʥס��ɥ��
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