新車のWRCデビューウイン、4年ぶりの勝利に沸いたMスポーツ。ミルナー代表「すべての人たちに感謝」

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2022年01月25日 17:50  AUTOSPORT web

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2022年WRC開幕戦モンテカルロをで優勝した、Mスポーツ・フォードWRTのセバスチャン・ローブ/イザベル・ガルミッシュ組(中央:フォード・プーマ・ラリー1)
1月23日、モナコとフランスにまたがって開催されたWRC世界ラリー選手権第1戦モンテカルロがフィニッシュを迎え、Mスポーツ・フォードWRTからスポット参戦したセバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1)が優勝した。WRC元9連覇王者にとって4年ぶりとなった世界選手権での勝利は、シリーズ史上最年長優勝記録の更新と彼の通算80勝目をマークしただけでなく、イギリスの名門ラリーチームにとっても2018年以来、4年シーズンぶりの総合優勝となっている。

 新しい車両規定である“ラリー1”レギュレーションが採用された2022年シーズンに、引き続きフォードの支援を受けてトップクラスに参戦しているMスポーツ・フォード。同チームは、レギュラードライバーのクレイグ・ブリーン、アドリアン・フルモー、ガス・グリーンスミスに加えて、ラリー・モンテカルロ通算7勝を誇る“レジェンド”を開幕戦に招聘。フルシーズンを戦う3名と元王者ローブにハイブリッドマシンの『フォード・プーマ・ラリー1』を託した。

 ラリーが始まるとMスポーツ・フォードが開発したプーマ・ラリー1はすぐにスピードを発揮した。ローブが週末最大のライバルとなったセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1/TOYOTA GAZOO Racing WRT)とトップ争いを繰り広げ、ブリーンは総合4番手争いに加わった。また、ローブが総合首位に立ったラリー2日目のSS7では、グリーンスミスがキャリア初となるステージウインを達成している。

 デイ3の終盤以降、ライバルに対してやや劣勢に立たされたローブだったが、デイ4のSS16でライバルがタイヤトラブルによって遅れたことで逆転に成功する。彼は9.5秒差で迎えた最終パワーステージでも冷静さ保ち、今戦がWRCデビュー戦となったイザベル・ガルミッシュとともにフォード・プーマ・ラリー1をフィニッシュまで運び見事、総合優勝を飾った。ガルミッシュは初参戦初優勝を記録、女性コドライバーの総合優勝は25年ぶりの快挙となっている。

 チームにとって、もうひとつの喜びは、ブリーンが総合3位でフィニッシュしたことだ。彼はステージウインこそなかったものの、安定したペースを披露し移籍後の初レースでさっそく結果を出してみせた。この結果、Mスポーツ・フォードは開幕戦終了時点ではあるが、ドライバー/コドライバー/マニュファクチャラーの3部門でランキングトップに立っている。なお、若手のフルモーはデイ2でクラッシュを喫してリタイアに。グリーンスミスは総合5位でフィニッシュし、シリーズポイントを獲得している。

「明らかに、私は信じられないほど幸せな気持ちだ」と語るのは、チーム代表を務めるリチャード・ミルナー。

「すべてをまとめて、みんながストレスを抱えながら忙しく働き、信じられないほど困難なラリーに向けてすべての準備をしてきたなかで、このような結果を残すことができたのはチームにとっても、すべてのドライバーにとっても大変素晴らしいことだ」

「それはまさに沈むのに時間のかかる夢のような結果であり、私たちはできる限りそれを楽しむつもりだ」

「これを実現させてくれたフォードの友人たちやMスポーツチーム、ドライバー、スポンサーを含め、すべての人に感謝したいと思う。彼らなしにこの結果を得られることはできなかった」

 ハイブリッド技術が導入されたWRC新時代の開幕戦で大成功を収めたMスポーツ・フォードWRT。“名門の復活”が真のものであるかが試される次戦WRC第2戦は、2月24〜27日に開催されるラリー・スウェーデンだ。

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