凍る欧州の移籍市場。バルサのフェラン・トーレス獲得が最大のディールか

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2022年01月27日 11:31  webスポルティーバ

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 現在、ヨーロッパでは冬の移籍マーケットがオープンしているが、いまのところ、大型移籍と言えるようなディールは成立していない。

 これまでの主な移籍としては、シャビ・エルナンデス新監督がチーム再建を進めるバルセロナが、マンチェスター・シティからスペイン代表FWフェラン・トーレスを獲得。今シーズンの冬の移籍としては、現時点で最高額となる5500万ユーロ(約71億円)を投じたことが、最も目立った動きと言える。

 周知の通り、現在のバルセロナは財政難に陥っている。そのため、この冬にフィリペ・コウチーニョのアストン・ビラへの、買い取りオプション付きのローン移籍を成立させたほか、将来を見据えて昨夏にラピド・ウィーン(オーストリア)からローンで獲得したユスフ・デミルを半年で返却。セルヒオ・アグエロが突然の病気発覚によって現役を退いたことも含めて、多少の経費削減に成功したことで、何とかフェラン・トーレスを手にした格好だ。




 マーケットの主役であるイングランドのプレミアリーグ勢では、コウチーニョを補強したアストン・ビラが、エバートンからフランス代表左SBリュカ・ディニュを3000万ユーロ(約39億円)で獲得。逆に、ディニュを失ったエバートンは、ディナモ・キエフ(ウクライナ)から22歳のウクライナ代表左SBヴィタリー・ミコレンコを2350万ユーロ(約30億円)で補強した。

 積極的な動きを見せているのがニューカッスルで、アトレティコ・マドリードからイングランド代表DFキーラン・トリッピアーを1333万ユーロ(約17億円)で、バーンリーからニュージーランド代表FWクリス・ウッドを3000万ユーロ(約39億円)で、それぞれ獲得している。

 ニューカッスルは、昨年10月にサウジアラビア資本が加わったことで資金力を高めており、この冬の移籍期間中に、まだ新たな戦力の獲得を実現させる構えを見せている。

 一方、これまで移籍マーケットを先導してきた各国のビッグクラブは、こぞって静観の姿勢だ。

【冬の移籍市場はコロナ前の4分の1に】

 たとえば、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、リバプール、アーセナル、トッテナムについては、資金を投下して獲得した新戦力は皆無。プレミアリーグ以外も状況は似ていて、レアル・マドリード、アトレティコ・マドリード、ユベントス、ミラン、インテル、バイエルン、ドルトムント、パリ・サンジェルマンといった資金力のあるビッグクラブに、移籍金が発生するような大型補強に乗り出す動きはなく、マーケット全体の取引額も減少傾向にあるのが現状だ。

 もっとも、このような現象は昨年の冬のマーケットにも見られていた。

 スイスの「CIES(スポーツ研究国際センター)フットボール・オブザーバトリー」の統計によれば、2021年冬の移籍期間で5大リーグのクラブが投下した移籍金合計額は、3億900万ユーロ(約400億円)。マンチェスター・ユナイテッドはアマド・ディアロ(アタランタ)の青田買いに2130万ユーロ(約27億円)を投資したが、その他のビッグクラブが財布の紐を締めたことで大型移籍はゼロ。移籍マーケットが極度に冷え込んだことは記憶に新しい。

 もちろん、最大の原因は新型コロナウイルスの世界的パンデミックの影響だ。実際、パンデミック直前の2020年冬のマーケットでは、5大リーグのクラブが投資した移籍金は、計12億9500万ユーロ(約1670億円)だった。つまり、パンデミックによってマーケット全体の取引額は、おおよそ4分の1にまで縮小したのだ。

 冬と夏を合わせた年度別で比較してみても、パンデミック前の2019年の合計額が66億5000万ユーロ(約8575億円)だったのに対し、2020年が47億8100万ユーロ(約6165億円)、2021年が38億2200万ユーロ(約4928億円)と右肩下がり。5大リーグのクラブの財政悪化に大打撃を与えたパンデミックの影響が顕著に表れている。

 ビッグクラブのマネーがマーケットに流れなければ、当然ながら、その他のクラブの懐に入るマネーも減少する。自前の選手を育てて売却することで生計を立てているクラブの財政に、悪影響が出てしまうことは避けられそうにない。

 ただし、近年の移籍金の高騰ぶりは常軌を逸するレベルに達していたのも事実で、パンデミックはその傾向に歯止めをかけるきっかけになる可能性もある。そう考えれば、現在の移籍マーケットの低調ぶりは決してネガティブなことばかりとは言えないだろう。

 果たして、1月31日にクローズする今回のマーケットは、このまま静かに幕を閉じるのか。あるいは、世間をあっと驚かせるようなビッグディールが成立するのか。パンデミック終息後の移籍マーケットで起こりうる変化を占う意味でも、残り1週間をきった冬の移籍の動向に要注目だ。

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