欧州サッカー日本人の最新市場価格。今季前半で評価を上げた注目の6人は?

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2022年01月27日 11:31  webスポルティーバ

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今冬に、移籍市場を専門に取り扱うポータルサイトとして有名な「トランスファーマルクト」が市場価格を更新。同サイトで日本人選手のデータ・アナリストを務めるトビアス・ドライマン氏に依頼し、2021−22シーズンの前半で評価が上がった上位6選手を解説してもらった。欧州で、今注目されている日本人選手は誰なのか。

◆ ◆ ◆




1位:冨安健洋(アーセナル)
市場価格2500万ユーロ(約32億円)
上昇額500万ユーロ(約6億4000万円)

 23歳の冨安は、今シーズン開幕前の夏にボローニャから1860万ユーロでアーセナルにやって来た。この金額は、トランスファーマルクトが推定していた市場価格2000万ユーロよりも、わずかに低かった。

 アーセナルでは、基本的にガブリエウとベン・ホワイトがセンターバックとしてポジションを確保しており、冨安には右サイドバック(SB)のポジションが与えられた。

 アーセナルは右SBには、ほかに優れたオプションが見つからず、冨安は加入早々に定位置を確保。SBでのプレーも問題なく、世界トップレベルのイングランド・プレミアリーグでも安定した活躍を見せ、自身の市場価格も上昇させた。

 昨年12月末に更新された最新の市場価格は、2500万ユーロに達した。これは、世界でもトップレベルのSBになったことを意味しており、世界全体の右SBのなかでも11番目の市場価格になる。現在のハイレベルのパフォーマンスを維持できれば、このまま順調に価格も上がり続けるだろう。

2位:古橋亨梧(セルティック)
市場価格550万ユーロ(約7億400万円)
上昇額350万ユーロ(約4億4800万円)

 元横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルーが監督に就任して以降、セルティックは日本人選手に対して熱狂している。そして、この動きは欧州各国の多くのクラブに対して、日本のスカウティングを行なうことに意義があると示した。

 550万ユーロという例外的に高額な市場価格は、古橋に対する期待の表れでもある。古橋は、チームに適応するための時間も必要とせず、瞬く間にクラブの大きな期待に応えてみせたのだ。この活躍により、トランスファーマルクトでの市場価格も上昇した。

 リーグ14試合で8得点は、スコティッシュプレミアリーグの得点王争いにも絡んでいるが、セルティックに所属している場合、これから先は市場価格の大きな上昇は見込めない。今季はヨーロッパリーグで早期に敗退したため、価格を大きく伸ばす機会を失ってしまったからだ。

 これから数年間にわたって高額な市場価格を定着させるためには、より評価の高いリーグのクラブに移籍するか、セルティックで欧州のカップ戦の舞台で勝ち進むことが必要となる。

3位:伊藤洋輝(シュトゥットガルト)
市場価格300万ユーロ(約3億8400万円)
上昇額245万ユーロ(約3億1360万円)

 シュトゥットガルトのスポーツディレクターのスヴェン・ミスリンタートは、あるインタビューのなかで、定期的にJ2リーグを追いかけていると明かしている。しかも、彼の目からすると、J2は世界屈指のレベルの高い2部リーグだという。

 シュトゥットガルトが伊藤洋輝を獲得したことは多くの人々を驚かせたが、かつてJ2のセレッソ大阪にいた香川真司の才能を見抜いたミスリンタートには確信があったのだ。

 ドイツに来るまでは日本国内でプレーしていたため、伊藤にとっては自身の市場価格を上昇させるのが難しい状況にあった。同時に、若いうちに欧州に挑戦したものの、その移籍が失敗に終わる不確定さがあるのも日本人の若手選手の市場価格が伸び悩む要因となっている。

 シュトゥットガルトは、U−23チームで成長させるつもりで伊藤を獲得したが、短い期間のうちにブンデスリーガで定期的にプレーするようになった。これにより、率にすると445.5%という驚異的な価格上昇率が実現した。

 市場価格算出の際に、欧州5大リーグのひとつブンデスリーガでポジションを確保したのに加えて、22歳という比較的若い年齢も考慮されている。このまま定位置を守り、現在のパフォーマンスを見せ続ければ、来季の夏には自身の市場価格を500万ユーロの大台に乗せることもありえるだろう。

4位:三好康児(ロイヤル・アントワープ)
市場価格280万ユーロ(約3億5840万円)
上昇額80万ユーロ(約1億240万円)

 24歳の三好康児は、2020年夏当時の市場価格に近い120万ユーロで日本の王者川崎フロンターレからロイヤル・アントワープへと移籍した。レンタル移籍だったそのひとつ前のシーズンは、欧州でいかんなく能力を発揮し、成功に満ちた時間を過ごしていた。

 ベルギーで最も古く、歴史あるアントワープは、目下のところ投資家によって大きな資金的な援助を受けている。クラブはベルギー2部から1部に昇格し、最後はベルギー王者に至るサクセスストーリーを思い描いている。

 ベルギーでは、多くのクラブが選手を移籍させることによって多大な収入を得ているが、アントワープにはそういった可能性を持った選手が少ない。そんなチームのなかで、三好は数少ない移籍金による大きな収入を見込める選手のひとりだ。

 三好は優れた能力を備えているが、少し安定感に欠ける。また、ケガがちで調子を掴むのに苦労している。三好がコンディションよくフィットしている状態なら、チームにとって不可欠な創造的なプレーを武器に、ブライアン・プリスケ監督の下でポジションを確保できるだろう。三好なら、欧州でブレークスルーを果たす可能性は高いと見ている。

5位:奥川雅也(ビーレフェルト)
市場価格320万ユーロ(約4億960万円)
上昇額70万ユーロ(約8960万円)

 わずか100万ユーロの移籍金でビーレフェルトにやって来たため、当時250万ユーロだった市場価格もそれに合わせて下降することが予測されていた。ところが、奥川はレンタル移籍の昨季に見せたパフォーマンスを今季も継続しており、それどころか攻撃MFながらゴールゲッターとしても頭角を現した。

 これまでも相手にとって危険なアタッカーだったのだが、今季はそれがゴールという結果につながっている。そのおかげで、シーズン開幕前に一時は沈んだ市場価格も、前期終了後には320万ユーロにまで回復した。

 奥川の目下の目標は、カタールW杯だ。そのためには、現在の好調を維持しなければならない。仮に日本代表としてW杯に出ることも、市場で価値をさらに上昇させる要因だ。さらに、より規模の大きなブンデスリーガクラブの関心を引くのも不可欠だ。とりわけ、現在のようにビーレフェルトが残留できるかどうかわからないような状況では、なおさらである。

5位:三笘薫(ユニオン・サン=ジロワーズ)
市場価格250万ユーロ(約3億2000万円)
上昇額70万ユーロ(約8960万円)

 三笘は、昨季はJリーグで最も注目を集めた成長株だった。そのため、ヨーロッパへの移籍が予想できた。

 ただ、移籍先がブライトンだったのには驚かされた。外国人がイングランドでプレーするための厳しい条件は、三笘のベルギーへのレンタル移籍を避けられないものにした。ベルギー1部に昇格したばかりのユニオン・サン=ジロワーズは、ブライトンのオーナーが所有しているクラブだ。

 チームの快進撃は、三笘の市場価値の上昇を後押しした。とはいえ、それでも実際に支払われた300万ユーロに見合った能力があることを証明しただけにすぎない。ベルギー1部で優勝を果たせば、市場価格の急激な上昇も見込めるだろう。

 定期的に日本代表に招集されるようになれば、イングランドでプレーできるチャンスも大きくなる。現在ベルギーで見せているような活躍をイングランドでできれば、三笘は欧州でプレーする日本人のなかで最も興味深い選手のひとりになるだろう。

<トランスファーマルクトが発表している日本人選手の市場価格(上位11人)>

1位/冨安健洋(アーセナル)/2500万ユーロ 
2位/鎌田大地(フランクフルト)/2200万ユーロ 
3位/南野拓実(リバプール)/1200万ユーロ 
4位/遠藤航(シュトゥットガルト)/1000万ユーロ 
4位/久保建英(マジョルカ)/1000万ユーロ 
6位/伊東純也(ゲンク)/750万ユーロ 
7位/堂安律(PSV)/650万ユーロ 
8位/古橋亨梧(セルティック)/550万ユーロ 
9位/酒井宏樹(浦和レッズ)/350万ユーロ 
9位/中島翔哉(ポルティモネンセ)/350万ユーロ 
9位/板倉滉(シャルケ)/350万ユーロ

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