ダンボール女子の最新作 内部のラダーフレームまで再現した初代ジープ

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2022年01月29日 09:01  おたくま経済新聞

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ダンボール女子の最新作 内部のラダーフレームまで再現した初代ジープ

 ダンボールを素材とした立体作品から「ダンボール女子」の名でも知られる造形作家、大野萌菜美さんの最新作がTwitterに発表されました。


 今回の作品は、第二次世界大戦で使用されたアメリカ軍の四輪駆動車、初代ジープ。


 ボディのステンシル表記だけでなく、特徴的なタイヤのディディールもダンボールで表現。そればかりでなく、エンジンやラダーフレームといった内部構造まで精密に再現された、こだわりの仕上がりです。


【その他の画像・さらに詳しい元の記事はこちら】


 初代の「ジープ」ことウィリスMB/フォードGPWは、第二次世界大戦中1940年から開発が始まった軍用の四輪駆動車。作品について、大野さんに話をうかがうと、作り始めたのは2021年12月初めごろだそうです。


 実車を見て取材することは叶わなかったものの、本やネットを駆使して様々な資料を収集。この努力あって、ラダー(はしご型)フレームにボディを架装するという、本物と同じ構造で制作が進みました。


 フレームに架装された動力伝達機構は、センターデフから前後に伸びるドライブシャフトに、前輪のステアリング装置、ハブまで忠実に再現。もちろん、ドライブシャフトは自在継手付きです。


 一見、単純明快な構造に見えるジープのスタイリングですが、実は直線と曲線が絶妙に組み合わされており「ちょっとした角度でジープに見えなくなることがあって、時間をかけて直していきました」と大野さん。


 1日の作業時間は、時間のあるときには6〜8時間じっくり取り組めることもあったそうですが、忙しいときには1〜2時間しか取れない場合も。そんな中でも、独特なタイヤパターンなどは手を抜かず、ホイールもパーツを止めるナットなどのディティールまで、細かく丁寧に再現しています。


 中でも「ぜひ見てほしい」というのが、ボンネット内に収められた「Go Devil」の愛称がつけられたウィリス製4気筒エンジン。ディストリビューターから伸びるプラグケーブルやラジエーター、その横にあるバッテリーなども精密に再現されています。ラジエーターのフィンは、ダンボールの断面が効果的に使われています。


 ちょっと分かりにくい部分ではあるのですが、フロントグリルのヘッドランプ部は、逆さにした三角おむすび型(ルーローの三角形に近い)になっていて、奥まったところにヘッドランプがあるところまで忠実に再現。


 予備の燃料を入れるジェリカンやシャベルなど、ディティールアップパーツだってもれなくダンボールで形作られます。


 車体の中央部には、主要武装である12.7mm機関銃のブローニングM2が。これも弾倉や銃身の放熱部、架台のディティールまで細かく表現されているのは驚きです。


 全長は28.5cm。図面もなく、ダンボールをハサミやカッターで切り抜き、整形して木工ボンドで接着するという手法で作られているとは、にわかには信じがたいですね。


 大野さんの次回作も気になるところですが「いくつかの候補はありますが、まだ決めていません」とのこと。この期間は心が移ろいやすいそうで「作り始めるまでは息抜きをしながら考えています」と語ってくれました。


 ダンボールの立体作品だけでなく、大野さんはTwitterで体のツボや鍼灸についても発信しており、こちらの方でも参考になること多数。公式サイトやInstagram(monamincb)とあわせて注目です。



<記事化協力>
大野萌菜美さん(@mbrid02)


(咲村珠樹)


このニュースに関するつぶやき

  • ウィリスジープってのじゃなかったっけ?スゲーな!ダンボールのSLを作った人も居るしこういうなマジで夢あるよな。
    • イイネ!6
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