ローマのジョゼ・モウリーニョ監督が、5日に行われたセリエA第24節ジェノア戦(△ 0−0)の“疑惑の判定”についてコメントした。6日に、イタリア紙『コリエレ・デロ・スポルト』が報じている。
本拠地『スタディオ・オリンピコ』にジェノアを迎えたローマは、前半からジェノアのセットプレーに脅かされたが、ポルトガル代表GKルイ・パトリシオを中心とした守備陣が集中した守備で弾き返す。攻撃面では、イタリア代表MFニコロ・ザニオーロが存在感を発揮。推進力ある縦へのドリブルやパスでチャンスメイクをしていった。
後半終盤までスコアレスのまま推移した試合は、アディショナルタイムの90+1分に問題の場面を迎える。ペナルティエリア内右でパスを受けたザニオーロが相手DFを背負いながら中央方向に持ち出し、そのまま左足を一閃。鋭いシュートがゴールネットを揺らし、ローマが待望の先制点を手にしたかに見えた。だが、このゴールに対してビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入すると、オンフィールドレビューの結果、ザニオーロのゴールの前にイングランド代表FWタミー・アブラハムにファウルがあったとしてゴールが取り消しに。すると、判定に納得がいかず審判に詰め寄っていたザニオーロがレッドカードを提示され、退場処分となってしまう。後味の悪い試合は、0−0のまま終了した。
試合後、モウリーニョ監督は判定について問われると、以下のように自説を主張した。
「他のリーグでも同じような状況を目にするよ。VARにミスがなく、ただガイドラインに従っただけなのであれば、サッカーは別のスポーツに変わっているということになる。審判が間違っていたとは言わないよ。サッカーが違う方向に進んでいるのだから」
「審判と話をしたんだ。審判によると、退場は間違いだったらしい。もしザニオーロがインテル、ユヴェントス、ミランでプレーしていたら、果たして彼は退場させられただろうか? ザニオーロが退場させられたのは、審判に『何のために笛を吹いたんだ』と3回も言ったからだ。彼は審判を侮辱したわけではない。『地獄に落ちろ』とも言っていないし『何だ、この笛は』と3回言っただけだ。もし私が審判なら、90分を過ぎてからゴールを決め、セレブレーションを行った後にゴールを取り消された選手が悔しさから自分のところに来てそんなことを言ってきたら、せいぜいイエローカードを出してそれで終わりだ。今回のようなシーンが『スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ』で起こったとして、ラウタロ・マルティネスにレッドカードが与えられただろうか?『アリアンツ・スタジアム』でのキエッリーニ、『サン・シーロ』でのズラタンはどうなんだい?」
判定の不合理さに疑問を呈したモウリーニョ監督だが、会見では「試合のことを話そう、判定のことは忘れるんだ」とも語った。