ローマのオーナーを務めるフリードキン・グループが、ASカンヌ(フランス5部)の買収に動いているようだ。11日、ローマの地元紙『イル・テンポ』が報じた。
同グループが手がける映画ビジネスと密接な関係があるフランス南東部の都市カンヌ。そこを本拠地とするクラブが、2020年8月に買収されたローマに続き、グループ2番目のクラブとなりそうだ。
報道によると、すでに買収交渉は進行中。フリードキン・グループの提示が最も優れていることから、今後数週間で契約がまとまる可能性があるという。
1902年に創設されたASカンヌは、1931−32シーズンにクープ・ドゥ・フランスを制し、1932−33シーズンのリーグ・アンでは2位フィニッシュを果たした古豪クラブ。1991−92シーズンと1994−95シーズンにはUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)に参加し、ジネディーヌ・ジダン氏やパトリック・ヴィエラ氏、ガエル・クリシー(現セルヴェット/スイス)らフランス代表級の選手も複数輩出してきた。
しかしながら、今回のクラブ買収は、スポーツ的な成功に主眼を置いたものではないようだ。『イル・テンポ』紙によると、ASカンヌは市有地に魅力的な不動産プロジェクト——スタジアムやスポーツ施設、ビルなど——を開発する利権を持っており、そちらがフリードキン・グループの目当てだという。
そのため同紙は「新たな投資の可能性は、ローマとは一切関係がないようだ。少なくとも今のところ、この2つのクラブがスポーツ的に協力し合うということは考えにくい」と指摘している。