◆ 主力投手に負けじとブルペンで力投
オリックスの春季キャンプ第3クール最終日の13日は、キャンプ2度目の日曜日となったが、あいにくの雨。午前と午後に投手組と野手組に分かれ、室内練習場とブルペンを使っての練習となった。
ブルペンには右肘手術からの復活を目指す山岡泰輔が2日連続、山本由伸も中1日で入り、今季限りでの退任を表明した宮内義彦オーナーが視察する前で、本格的な投げ込みを披露した。
そんな中で、ひときわ元気な姿を見せたのが、2年目の山下舜平大。宮崎キャンプに出発する前日の29日に受けたスクリーニング検査で新型コロナウイルス陽性と判定され、隔離療養を経て2月10日にキャンプに合流したばかり。
「焦りがないと言えばウソになる。でも、焦りはケガにつながる」と、冷静になって気持ちを切り替え、隔離された部屋にトレーニング機器を持ち込み、体作りを継続してキャンプに備えた。
この日は、捕手を立たせて15球、座らせてストレートばかりを25球。力のこもったボールを投げ込んでいた。
福岡大大濠高から2020年のドラフト1位で入団。1年目は“大きく育てる”球団方針もありウエスタン・リーグで経験を積んだ。2勝9敗と勝ち星は伸ばせなかったが、「1年間、ローテーションを守れたことは自信になった」と振り返る。
高校時代は、直球を磨くため変化球はカーブだけ。プロ入り後は6月中盤以降、フォークボールも解禁。さらに「パワーカーブも習得中」という。
「一軍で5勝が今季の目標」。1年間、地道に積み重ねた基礎に新しい武器を加え、飛躍の年にしたい。
取材・文=北野正樹(きたの・まさき)