◆ 17日の実戦練習に向けて45球
オリックスのドラフト7位ルーキー・小木田敦也(TDK)が15日にブルペン入り。
同郷(秋田県)の中嶋聡監督が見守る中、小気味の良い投球でアピールした。
2月13日以来で通算5度目のブルペン投球。17日に予定されている実戦形式の打撃練習での登板に向けて、45球を投げ込んだ。
投げ終わった後には、指揮官から投球動作に関するクセの指摘を受けたという。
小木田によると、社会人時代から自ら把握しているクセで、矯正するのではなく、どの球種でも同じようにしているので、見破られることはないそうだ。
秋田県仙北市の出身。角館高から、同県にかほ市に本拠を置く社会人野球のTDK入り。現・北秋田市出身の同県人、中嶋監督からは、顔を見るたびに「標準語で話せよ」と声を掛けられるという。
「最初は会話ができる雰囲気はなかったが、監督さんの方から話しかけて下さるようになった。会話が成り立つように考えてのことだと思う」と、小木田。
選手らが委縮しないよう、常に冗談などを交えて話しかける場面が多い中嶋監督。プロ入りするまで秋田県以外に住んだことのない小木田だが、秋田弁を話すことはないから、共通の「秋田」を“いじる”ことで、緊張感をほぐす狙いがあるのだろう。
◆ “2人”で挑むプロ野球の舞台
今年1月に入寮し、新人合同自主トレ中には結婚していたことも明らかにした。
新妻の咲紀さんは、高校時代の同級生。高校卒業後に、希望する「プロ野球選手」と「保育士」になれたら結婚しようと約束。
咲紀さんは短大卒業後に保育士になり、小木田は社会人5年目の昨年10月のドラフト会議でプロ野球選手の夢を叶えることが出来て、昨年のクリスマスに入籍した。
入寮後は会えず、電話でのやりとりだけ。保育士の仕事は来月末に辞め、4月以降は大阪で同居の予定だ。体が資本の小木田のため、栄養関係の資格を取得しプロ生活を支えてくれるという。
「ストレートとスライダーを武器に、空振りが取れる実戦派右腕」というのが、スカウト評。プロ入り後は、カーブを特に磨きたいという。
「社会人時代は、スライダーを投げておけば何とかなると考えていた部分があったが、プロの世界では、そうはいかない。スライダー以外に遅い球があれば、真っすぐで差したりできる」と小木田。
入団時に誓った「開幕一軍と、先発ローテーション入り」。“2人”の夢は始まったばかりだ。
取材・文=北野正樹(きたの・まさき)
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