◆ 気になる起用法「先発で投げても楽しいし、中継ぎで投げても楽しい」
オリックスは宮崎キャンプ第6クール最終日の24日、SOKKENスタジアムで行われた「球春みやざきベースボールゲームズ」で西武と対戦。右肘手術からの完全復活を目指す山岡泰輔が対外試合に初登板し、先発で2イニングを1安打、2奪三振、無失点と順調な調整ぶりをうかがわせた。
試合は2点を追う9回、ドラフト2位の野口智哉(関西大)のバント安打で好機をつかみ、同5位の池田陵真(大阪桐蔭高)の適時打、同3位の福永奨(國學院大)が同点適時二塁打と、新人3選手の活躍で最終回に追いつき、2−2で引き分けた。
山岡は、よほど肘の状態も良いのだろう。出力をアップしたのは2回だった。先頭の山川穂高に甘いストレートをとらえられ左越え二塁打。一死後、味方の失策で一・三塁のピンチを迎えたが、渡部健人をスライダー、山村崇嘉にはフォークボールで2者連続空振り三振を奪いマウンドを降りた。
「1点もやりたくなかった。あの場面では2人とも(三振を)狙っていた」と山岡。
2月20日の紅白戦では、3番手で登板し1イニングを1安打、1四球、無失点。「久しぶりの試合形式の登板で、打者に対しての感覚は確認できた」という一方で、「力が入って、やはり力んでしまう」と、試合勘については不満げだった。
この日の登板後は、「三振も取れていたし、直球で空振りも取れファウルで差し込めるボールもあった。チェンジアップも抜けていてよかった」と、明るい表情。ただ、「もう少し、内角やコーナーの制球が課題。もうちょっとずつの精度だと思う」と反省も口にした。
降板後、高山郁夫投手コーチからは「腕も振れ、肘の状態もいい」との言葉をもらったそうだが、気になる起用法については、まだ言及がないという。
久々の先発には「(準備に)いつもより長い時間を取り、(先発を)思い出しながらやったかも。先発で投げても楽しいし、中継ぎで投げても楽しい。投げられることが楽しい」と山岡。
中嶋聡監督は、新人について「いい刺激になっているというより、いい戦力になっている」と高く評価。山岡に関しては「どの投手もそうだが、これからどんどん上げていく投手。開幕は決まっているので、どこに合わすのかというのはある。まだ2イニング。増やしていくのかどうか」と話した。
「任されたポジションで投げる」と繰り返す山岡。投げることが出来る喜びを知り、必要とされる場所なら意気に感じて腕を振る覚悟だろう。
取材・文=北野正樹(きたの・まさき)