ウクライナ1部(ウクライナ・プレミアリーグ)に所属するシャフタールのセルゲイ・パルキン会長が4日、ロシアのウクライナに対する軍事侵攻によってユースチームのコーチが逝去したことをクラブ公式サイトで発表した。
ロシアからの攻撃を受け続けているウクライナでは、多数の死傷者が出る事態となっている。サッカー界も例外ではなく、国際プロサッカー選手会(FIFPro)は1日、ウクライナ人選手のヴィタリー・サピロとドミトロ・マルティネンコが亡くなったことを発表。サピロは21歳、マルティネンコは25歳の若さだった。
そして、シャフタールのパルキン会長がクラブ公式サイトで発表したところによると、クラブ職員も軍事侵攻によって命を落としたという。同会長は、以下のように状況を説明した。
「昨日、クラブ職員が殺されてしまった。ユースチームのコーチで、ロシア軍の砲弾による破片で死んだ。ロシアはウクライナ人を殺している。今すぐこの狂気を止めろ」
また、パルキン会長はロシアのサッカー関係者たちに対して、以下のように訴えかけた。
「ロシアのサッカークラブオーナー、経営者、そして選手たちに伝えたい。ロシアはウクライナに対して恐ろしい軍事侵攻を行っている。あなた方が訪れたことのある国、ウクライナをだ。ウクライナは、常にあなた方を歓迎してきたはず。ウクライナに親戚や友人がいる人も、ウクライナが祖国であるという人もいるだろう。しかし、そのウクライナは、ロシア軍が使用するあらゆる種類の武器によって破壊されている」
「ナチズムを打倒するために多大な努力をしてきたはずのロシアは、今まさにテロリストの国、沈黙と臆病者の国に変わりつつある。全世界があなた方の言動を見ているし、全世界はあなた方がロシア軍の狂気的な行動を止めることを期待している。しかし、あなた方は恐れ、沈黙している」
「スポーツにおいて、恐れとは勝利を手にする確率をゼロにする感情だ。あなた方が今回の戦争に反対することに恐怖するならば、それはウクライナの都市の破壊、何千何万の民間人の死、これから傷つくかもしれない子どもたちを含む何百万人の運命となってしまう」