DeNAの先発ローテ候補がアピール成功　坂本「強い球で勝負できている」

○ DeNA 4 − 2 西武 ●
＜オープン戦　横浜＞

　スターターのフェルナンド・ロメロと坂本裕哉が8日、本拠地で行われた西武とのオープン戦で見事なピッチングを披露。開幕ローテーション入りへ前進した。

　先発したロメロは初回、先頭の鈴木将平に対し得意のツーシームを4球続けてボールとなり四球で出塁を許すと、続く源田壮亮にも同様に四球と独り相撲。それでも呉念庭の飛球を左翼手・神里和毅がスライディングキャッチするなどバックが守り立て、山川穂高を力のあるツーシームでニゴロ併殺打に打ち取りピンチを脱出した。

　2回以降はカットボール、スライダー、チェンジアップも織り交ぜるピッチングですっかり立ち直り、失点は山川穂高に許したソロホームランによる1点のみ。グラウンドボーラーの持ち味を発揮する投球内容で、4回を68球、被安打2、奪三振6、与四球3、失点1でまとめた。

　5回からマウンドに上った2番手の坂本裕哉は、イニング先頭の牧野翔矢をスライダーで泳が二ゴロに打ち取ると、高木渉には初球のストレートで押し込みテンポよくアウト2つを奪取。

　二死無走者から鈴木を四球で歩かせ、源田に右翼フェンス直撃の鋭い当たりを打たれたが、右翼手・細川成也と中継の二塁手・知野直人が見事な連携プレーを見せホームタッチアウトと、こちらもバックの好守に助けられ、ピンチを切り抜けた。

　6回には山川に安打を許すも、平沼翔太と栗山巧をともにカットボールで一ゴロに打ち取り、2回を30球、被安打2、奪三振1、与四球1、失点0と好投。オープン戦の連続無失点記録を7イニングに更新した。


◆ ファンの前で大目標「日本一」掲げる

　今シーズン初のお立ち台に上った坂本は、「ヒット打たれながら、フォアボールでランナー出してしまいながらだったんですけど、守備にも助けられて無失点で抑えられてよかったです」とホッとした表情で第一声。

　コーチから「とにかくゾーンで強い球で勝負していこうということでアドバイスいただいて、去年までと比べてしっかり自分の中でできていると思う」と手応えも口にし、「シーズン入ってもそういうピッチングができるように頑張っていきたいと思います」と力を込めた。

　過去2年は故障の影響でシーズンを完走できておらず、3年目となる今季は本格ブレークが期待される左腕。「1年通してチームの日本一に貢献できるように頑張っていきたいと思います」と、大きな目標をファンの前で掲げた。


◆ 指揮官の評価は…？

　試合後、三浦大輔監督はロメロについて「立ち上がりちょっとフォアボール2つとアジャストするのに時間かかりましたけど、その後はしっかりとロメロらしい投球ができていましたし、順調に調整できてるなと思いました」と合格点を与え、坂本に対しても「ボールのキレも良かったですし、去年よりまたレベルアップした投球ができているなと思います」と高評価。

　また、これまで投球の際に帽子を振り落としていた坂本が、この日は30球を投じて一度も帽子を落とさなかったことについても言及し、「（帽子を）ワンサイズ小さくして。帽子も落とさなかったし、ピッチングもボールも良かった」と目を細めた。

　今週中に「固めたい」としていた開幕ローテーション入りについては「考えてます」と明言を避けたが、昨日好投した大貫晋一とともに一歩前進したことだけは間違いないだろう。


取材・文・写真＝萩原孝弘（はぎわら・たかひろ）