【10大ニュース】口座残高100億円から6千円。　どん底に落ちた小室哲哉

　11月4日、音楽プロデューサー小室哲哉が、楽曲の著作権を譲渡すると偽り5億円をだまし取った容疑で逮捕された。小室は1984年にデビューしたTM　NETWORKでスターダムにのし上がる。90年代に入ると、TRFや安室奈美恵らのプロデュース曲でミリオンセラーを連発。自ら率いるglobeなど、小室ファミリーと呼ばれたアーティストがヒットチャートを独占した。手がけたCDの総売上枚数は1億7000万枚に及ぶ。1996、97年の高額納税者番付で全国4位になり、資産は100億円超とも。「TKサウンド」は、90年代の錬金術であった。 　絶頂期の小室は、女性関係でもマスコミをにぎわせた。1992年に元アイドルと離婚。その後、恋人だった華原朋美を人気スターに仕立て話題に。破局した際には華原の自殺未遂騒動が起きた。2001年、ユニットを組んだ吉田麻美と再婚。女児をもうけながらわずか10か月で離婚し、globeのメンバー・KEIKOと2002年に再々婚している。 　しかし00年代から人気は低迷していた。加えて海外進出に挫折し、巨額の負債を背負う。また吉田麻美と離婚時の7億円ともいわれる慰謝料が、著作権の差押えに発展し、自らの首を絞めることになる。アヤしい話を持ちかける投資家も群がり、借金は雪だるま式に増えた。その一方、小室夫妻のクレジットカードの支払いが数千万円に上ることも。ぜいたく癖を止めることはできなかった。逮捕された容疑とは別に、音楽出版社が持つ楽曲の著作権を金融業者に担保として差し出したなど、他の詐欺話も出てきている。 　逮捕から17日ぶりに保釈された小室は、「裸の王様になってしまった」と供述した。日本芸能史上に残る転落劇。落ちていく小室が見た光景は、どのようなものだったのだろうか。5億円詐欺罪の初公判は、2009年1月21日だ。

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