恋愛ドラマ時代が再び到来 アン・ヒョソプ、アン・ボヒョンら出演の韓国最旬ロマンス3選

0

2022年04月13日 08:01  リアルサウンド

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

『ユミの細胞たち』(写真はTVING公式サイトより)

 『未成年裁判』『D.P.』といった社会的な問題を扱った作品や、『ペントハウス』のような刺激的なジェットコースター展開ドラマ、『ヴィンチェンツォ』のような痛快ドラマのヒットで、近年やや影を潜めてきた韓国のラブコメ、ロマンスジャンル。前述の作品たちに比べ、本国での視聴率もなかなか厳しい数字が続いてきたが、最近王道ラブコメやロマンスドラマが復活の兆しを見せている。気軽に観ることができる安心感が「ストレスなく観たい」という今の視聴者が求めるものにマッチしているのだろう。本記事では、再び恋愛ドラマの人気に火をつけている最旬韓国ラブコメ/ロマンスドラマ3選を紹介したい。


【写真】『社内お見合い』のアン・ヒョソプとキム・セジョン


■『社内お見合い』


 王道ラブコメの真髄をしっかり見せて、同ジャンルでは近年珍しく10%越えの高視聴率を維持していたのが本作だ。日本をはじめ、世界各国のNetflixランキングでも上位にランクインし、今最も“アツいラブコメ”と言っても過言ではないだろう。


 本作は、平凡だが明るいヒロインのシン・ハリ(キム・セジョン)が、親友で財閥の娘チン・ヨンソ(ソル・イナ)の縁談を壊す目的で、彼女の代わりにお見合いに臨む。すると、見合い相手がハリ自身の会社代表である財閥3世カン・テム(アン・ヒョソプ)で、誤解に絡み合った出会いをすることから始まっていく。得意の“イタい女子”の演技で破談になると思っていたハリだが、テムに気に入られ、さらにはプロポーズまでされてしまう。テムとハリのロマンスと同時に、ヨンソとテムの秘書室長ソンフン(キム・ミンギュ)の一目惚れから始まる恋も進行し、ときめきと笑いを誘う。


 財閥イケメンと平凡な女性が出会い、恋に落ちる典型的なシンデレラストーリー、最初はお互いに興味がないが、ある瞬間恋に落ちる二人ー。復讐も、脅迫も、悪役もいない純度100%のお決まり展開が心地よく、安心感を覚える。


 原作のアニメーションとリンクするテムの登場シーンに始まり、ハリの携帯電話にテムを象徴する“始祖鳥”が突然飛び出したり、借金を背負ったハリの暗い過去を説明する時も演劇のように演出するなど、少女漫画的な魅力をそのまま生かすことで、新鮮な楽しみを与えている。ウェブ漫画原作らしいコミカルな演出、考える隙を与えないスピーディな展開で、笑いながら1時間があっという間に過ぎてしまう魔性のドラマだ。


■『ユミの細胞たち』


 「恋愛細胞が死んだ」長い間、恋愛から遠ざかっていた人々の冗談としてよく言われる言葉だが、そんな細胞が頭の中に本当に存在していたらどうだろうか。私たちが恋に落ちたとき、失恋した時、人生の喜怒哀楽を経験する時、人の脳の中で起こる過程を面白く表現したドラマが『ユミの細胞たち』だ。


 本作は、大失恋の経験から、しばらく恋愛はご無沙汰だった平凡な会社員のキム・ユミ(キム・ゴウン)が、会社の後輩から紹介されたク・ウン(アン・ボヒョン)と出会い、恋愛感情を少しずつ取り戻していく物語。ユミの頭の中の理性、感性、空腹、そして愛などを調節する細胞たちがアニメキャラクターで表現され、人物の感情を細胞単位で覗くことができるユニークな展開方式だ。新たな可能性を示し、21年ラブコメ人気に火をつけた作品と言えるだろう。


 「アニメと実写の融合」という斬新すぎる試みに、いまいち試聴意欲が湧かない人も多いだろうが、「子供っぽい」と切り捨ててしまうのはもったいない。この作品が凄いのは、擬人化された「細胞たち」を通して、人が恋している時の感情が巧みに表現されていること。描かれるのは誰もが経験するような平凡な恋愛だが、キュートな細胞たちのおかげで、感情の衝突と心の変化をドラマチックに表現する。“あるある”エピソードの数々に思わず共感してしまう一方で、男女の恋愛心理が学べる「恋愛指南書」のような一面があるのも面白い。


 共感性溢れる生活密着型の演技をみせたキム・ゴウン、『梨泰院クラス』『マイネーム:偽りと復讐』とは180度異なるほんわかした魅力を見せたアン・ボヒョンをはじめ、SHINeeのミンホやシーズン2で重要な役割を担いそうなGOT7のジニョンといった、イケメンたちの演技も見逃せない。


■『サウンドトラック #1』


 『ユミの細胞たち』が細胞たちを通して恋愛心理を描くのなら、長年の友人に片思いする一人の男の視線を通じて、恋愛の様々な感情を見せてくれるのが本作だ。


 「片思いの感情が込められていない」とスター作曲家に歌詞を拒絶されてしまったソングライターのウンス(ハン・ソヒ)。片思いの感情を知らない彼女は、19年来の親友である写真家のソヌ(パク・ヒョンシク)に、曲の作詞を手伝ってもらうことになり、2週間一つ屋根の下で生活することになる。


 友情と恋の狭間で揺れ動く男女の気持ちを描くという一見“あるある”なプロットだが、ドラマ内で作詞する歌詞がそのままOSTに表現され、楽曲と主人公の心情がシンクロして物語が進行する、“音楽”を通したロマンスミュージックドラマというのが斬新だ。全4話と短いながらも、『王になった男』『ヴィンチェンツォ』のキム・ヒウォン監督が描き出す幻想的な世界観と詩的なロマンスに1話から釘付けになってしまう。


 『夫婦の世界』、『わかっていても』、『マイネーム:偽りと復讐』とさまざまなキャラクターを完璧に消化してきたハン・ソヒだが、今作のウンス役が自身の本来の姿と似ている部分が多いと語っているだけあって(※)、彼女からは自然体な魅力が滲み出ている。『ハピネス』『力の強い女 ト・ボンスン』などで、異なるキャラクターを自分だけのカラーで描き出してきたパク・ヒョンシクが、近すぎるからこそ伝えられない「片想い」の苦しみを、切ない瞳で表現する。長年の親友だからこその、二人の息のあった掛け合いにふっと笑みが溢れてしまうとともに、「友情から恋愛になる瞬間」に、格別の期待とときめきを感じずにはいられないはずだ。


※参照
https://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2188883


(Nana)


    ニュース設定