沖縄舞台の3作目の朝ドラ『ちむどんどん』 『ちゅらさん』『純と愛』とはどう違う?

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2022年04月17日 06:01  リアルサウンド

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『ちむどんどん』(写真提供=NHK)

 4月11日から放送がスタートした『ちむどんどん』(NHK総合)の舞台は、今年で本土復帰50周年を迎える沖縄。なんといっても、水が透き通った美しい海と豊かな緑が魅力的であり、視聴者の目を奪う。ネット上では「沖縄の風景が綺麗」「自然が美しい」という声が多く寄せられ、沖縄の風景を描いたオープニングのタイトルバック映像も「感動した」「素敵です」などと絶賛されている。


【写真】沖縄の食卓


 過去に沖縄を舞台にした朝ドラといえば、2001年に放送された国仲涼子が主演の『ちゅらさん』と、2012年に夏菜がヒロインを飾った『純と愛』。『ちゅらさん』は沖縄の小浜島で育った古波蔵恵里(国仲涼子)が子供の頃に結婚を約束した、東京に住む上村文也(小橋賢児)のことが忘れられず、単身上京。看護師を目指している最中、文也と再会を果たし、失恋・仕事・結婚・子育てという色々な経験をしたヒロインの成長を描いた。


 『純と愛』は正義感が強く、他人にお節介を焼く狩野純(夏菜)と弟を亡くして以降、人生をマイナスに考えてきた街田愛(風間俊介)が結婚し、純の実家である宮古島のホテル再建を目指す。人の喜ぶ顔を見るために周囲の人間を巻き込みながら、目標に向かって奮闘する2人のラブストーリーだ。


 そして『ちむどんどん』は、NHK連続テレビ小説において3度目の沖縄が舞台になるが、アメリカの統治下で過ごしたヒロインが描かれることは今回が初めて。東京から引っ越してきた青柳和彦(田中奏生)が会計に不慣れな姿を見せているように、買い物でドル札を使っていたり、自動車が右側を通行していたりする点は特徴的で、時代を色濃く反映している。


 本作では、人々の強い繋がりと温かさが魅力的だ。地域の皆でお金を出し合って作った店であり、仕事を分担しながら得た利益をメンバーで分配している共同売店はその象徴。さらに、賢三(大森南朋)と優子(仲間由紀恵)が砂川智(宮下柚百)の母親が病気で寝込んでいることを聞くと、砂川家に自分たちの食事をお裾分け。その様子からも、温かいコミュニティが築かれているのがわかる。


 そして、沖縄を舞台にする上で外せないのが、薄い塩味が特徴的で沖縄の食卓に欠かせない“ゆし豆腐”や三線、方言などの独特の文化。『ちむどんどん』では、主演の黒島結菜や仲間由紀恵など沖縄出身の役者が起用されていて、沖縄のことをよく知る人がいる一方で、馴染がない人も多くいる。健三と歌子(布施愛織)の弾き語りのシーンや方言特有の話し方をやってのける役者たちが腕の立つことを証明している。


 『ちむどんどん』に登場する沖縄の景色はもちろん、大勢を魅了する美しさを持っているが、ストーリーの展開や比嘉家と周囲の人々の絆に“ちむどんどん(心がドキドキ)”していく第2週が待ち遠しい。


(山賀萌江)


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