『やんごとなき一族』初回から強烈なキャットファイト! 常軌を逸した“一族”に動揺

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2022年04月22日 06:01  リアルサウンド

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『やんごとなき一族』(c)フジテレビ

 センセーショナルな家族たち、ドキドキのキスシーン、スケールの大きな展開に心を奪われる『やんごとなき一族』(フジテレビ系)の第1話が4月21日に放送された。新型コロナウイルスの影響で1週遅れでの開始となったものの、その出来事を吹き飛ばす勢いでキャスト陣が強烈な世界観を作り上げる。


【写真】佐都(土屋太鳳)に寄り添う健太(松下洸平)


 食堂「まんぷく屋」の1人娘、佐都(土屋太鳳)は交際相手の深山健太(松下洸平)からのプロポーズを受ける。何も知らずに喜ぶ佐都だったが、実は健太は400年以上続く名家の出身だった。そこには衝撃のしきたりやルール、普通に生きている者にはおよそ無縁な生活が存在している。佐都は面食らいながらもなんとか深山家に嫁ぐのだが、健太の祖母・八寿子(倍賞美津子)の快気祝いで失態を見せた上、八寿子に物申してしまう……。


 第1話の段階で深山家の女性たちが繰り広げる強烈なキャットファイト、長男の嫁である美保子(松本若菜)からの壮絶ないじめ、個性豊すぎる深山家の一族たち。この常軌を逸した一族のしきたりや関係性には、佐都でなくとも動揺してしまうだろう。しかし、役者陣の飛び抜けた芝居はネガティブな一面を吹き飛ばし、深山家をもっと見てみたいとすら思わせてくれる。加えて、行き過ぎた嫁いびりに怖気付くことなく、「深山家に嫁ぐ」という試練に立ち向かい、努力を惜しまず邁進する佐都のパワーも頼もしい。佐都を演じる土屋太鳳はもともと、こうした逆境を跳ね返す役がハマり役な女優と言えよう。数々の努力家エピソードや、真っ直ぐすぎる姿勢はインタビューやバラエティでも彼女のアドバンテージとなっていた。そんな中での佐都役への抜擢は、まさに土屋の魅力をさらに押し上げるチャンスとなった。数々のいじめは、土屋の迫真の演技と根性によって逆境を切り抜けるパワフルな作品へと昇華された。


 そして、ダイナミックさが見どころとなった深山家のシーンとは相反し、佐都と健太が手を取り合って葛藤や苦しみを乗り越えていく様子はことさら丁寧に描かれる。


 健太を演じる松下洸平は、優しい瞳と美しい手で佐都を包み込むように扱うことで、夫婦の深い絆を感じさせた。これまで誠実だがどこか恋に奥手な青年を演じることが多かった松下が、ここまで恋愛に積極的である姿は新鮮にうつる。そのギャップが良いスパイスとなり、さらに『やんごとなき一族』の世界に別なベクトルの魅力を宿しているのだと感じた。ときおり素の表情が垣間見えるようなナチュラルさはもちろんのこと、夫婦が部屋で過ごしているときのリラックスムードを感じさせるキスシーンも心を掴む。二人のふとした表情や仕草からは、健太の目指す温かい家庭の優しさというものが感じられた。


 ラストは佐都が鬼の形相でハンマーを振りかざし、閉じ込められていたサウナから脱出。やんごとなきシンデレラ・ストーリーはここから始まるのだという強い意思さえ感じられた。パワフルなこの一族に佐都と健太はどう立ち向かうのか。木曜の夜にまた気になる作品が誕生した。


(Nana Numoto)


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