BE:FIRST、適応力の高さと表現の豊富さ 2ndシングル『Bye-Good-Bye』収録曲で発信するさらなる魅力

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2022年04月26日 06:01  リアルサウンド

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BE:FIRST『Bye Good Bye』

 5月18日リリースのBE:FIRST 2ndシングル『Bye-Good-Bye』に収録されている「Betrayal Game」が、4月25日に配信リリースされた。同曲を含め、「Bye-Good-Bye」、「Brave Generation」と収録曲3曲を聴き比べてみると、BE:FIRSTはまた新たな魅力を世の中に発信していることがわかる。


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 まずは、表題曲の「Bye-Good-Bye」。『ZIP!』(日本テレビ系)内の朝ドラマ「サヨウナラのその前に」の主題歌でもあった同曲は、“前向きなさよならソング”だ。爽やかでポップなメロディでありつつも、歌詞を見ると少し切ない。だが別れを新しい出発と捉えており、聴き終える頃には悲しみではなくポジティブな感情が湧き上がってくる。こういった聴こえ方になるのも、BE:FIRSTならでは。彼らが誕生するきっかけとなったオーディション番組『THE FIRST』は単なる“戦いの場”ではなくかけがえのない同志と出会い、別れた場所でもある。そんな経験をして、歩みを止めることなく進化し続けている彼らが歌うからこそ、ここまでのポジティブさが伝わってくるのだろう。また、サビと2番Aメロのギャップもポイントだ。JUNONの透明感あるファルセットで切なさを感じられるメロディが歌われた後、RYOKIの力強くアグレッシブなラップでAメロが始まる。JUNONのパートで切なさをじっくり作り上げた後に一気に前向きなリリックのラップが始まるため、さらに楽曲に引き込まれるのだ。RYOKIのラップ以降、よりポジティブな歌詞が続いていくことで“前向きなさよならソング”という印象が深まっているのではないだろうか。


 2曲目の「Betrayal Game」は、4月14日から放送がスタートした『探偵が早すぎる〜春のトリック返し祭り〜』(日本テレビ系)の主題歌。同曲はeillが提供した楽曲で、彼女らしいソウルフルかつトレンド感あるサウンドが組み合わさっている。また、トラックに入っている音がシンプルゆえ、BE:FIRSTメンバーたちの歌声がこれでもかというほど楽しめる。しかもチェストボイス、ミドルボイス、ファルセット、フォール、エッジボイス、フェイク、女声っぽい歌い方などのテクニックや、「男女間の巧みな駆け引き」という楽曲の世界観をアウトプットするための表現力もたっぷり盛り込まれている。過去にリリースしてきた彼らの楽曲の中でも、セクシーさにフォーカスされた同曲によってBE:FIRSTの大人な一面が新しく見えていると言える。


 3曲目は、1月31日に配信リリースされた「Brave Generation」。力強いギターリフが印象的なイントロを経て繰り広げられるのは、背中を押してもらえるようなメッセージが込められた歌詞とパワフルなサウンドだ。「エモーショナルなファイトソング」という楽曲コンセプトを表すかのように、BE:FIRSTメンバーもテクニックよりも情熱を押し出したような歌声を響かせている。例えば冒頭のJUNONやサビ前のRYUHEIの歌声もいつもよりも力強い。そんな中、SOTAのラップ終わりのMANATOはスタッカートを混ぜつつリズミカルに歌うことで軽さを演出。フッと肩の力が抜けると同時に、印象的なフレーズにもなっている。ちなみに、メンバーたちの情熱的な歌声が詰め込まれている3分弱というコンパクトさもエモーショナルさを感じられるポイントではないだろうか。


 違ったアプローチをしている3曲が詰まっている2ndシングル『Bye-Good-Bye』。こうして聴き比べてみると、彼らの適応力の高さ、表現の豊富さに驚く。大まかな役割やポジションはあるが、メンバー全員が圧倒的かつ個性的な武器を持っていることが多くの曲を自分たちのものにできている理由なのだろう。リリースまで1カ月弱。より多くの人に彼らの楽曲が届くことを願いたい。(高橋梓)


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