増田貴久が絶妙に振り回されまくる 『吉祥寺ルーザーズ』のドタバタコメディ劇

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2022年04月26日 12:11  リアルサウンド

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『吉祥寺ルーザーズ』(c)「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

 秋元康が企画・原作、増田貴久(NEWS)が主演を務めるドラマプレミア23『吉祥寺ルーザーズ』(テレビ東京系)は、東京・吉祥寺の謎めいたシェアハウスに“ルーザー”として認められ、入居することになった6人の日々を描いたちょっと騒がしいシチュエーションコメディ。しかし、4月25日放送の第3話に登場するのはずっと5人。住人の最年少である舞(田島芽瑠)が帰ってこないのだ。


【写真】『ボイス』で増田貴久が見せてきた新たな表情


 シェアハウスの家事は当番制。聡(増田貴久)と桜(田中みな実)は舞が担当だったゴミ捨てをしていないことから、舞の姿を3日ほど見ていないことに気がつく。舞はキャバ嬢という仕事柄、他の住人とは活動時間帯が違っていたが、桜によると、夕方には顔を合わせていて、これまで全く姿を見せないということはなかったという。業者(宮崎吐夢)を呼び、無理矢理、鍵を開けて部屋へ入るが舞の姿はない(勝手に入ると怒られるので、鍵はまた閉められた)。


 桜はシェアハウスの近所で起きている若い女性ばかりを狙う連続誘拐殺人事件に舞が巻き込まれているのではないかと推理する。しかもその犯人と思われる男の出立ちが同じ住人の池上(國村隼)にそっくりなことから、桜は犯人を池上だと決めつけだし、他の住人も「“真犯人フラグ”が立った」と言い出して……?


 このように、普段から暴走しがちな住人たちにとにかく巻き込まれているのが聡だ。聡は声も態度も他の住人と比べたら控えめで、常識人らしい振る舞いをしているのに、なぜかいつも周囲に主導権を握られる。池上が犯人として疑われた時も、聡は必死に「そんなことないですよ」と周囲をなだめていたのに結局、池上を疑った側に立たされてしまっていた。


 増田はこの“振り回される”演技が格段に上手い。聡は時々フラッシュバックする女子高生たちの声に悩まされている。国語を教えていた学校で何かがあったようだ。そんな聡の姿に『ボイスII 110緊急指令室』(日本テレビ系)で増田が演じた石川透を思い出す。透は警察官として被害者を守るため、被疑者を捕らえるために奔走するが、自分の発砲により人を殺してしまったこと悔やみ、段々と追い詰められていく。自分の中で自分に振り回され、己の制御ができなくなっていく透。透と聡に似たものを感じ、なぜか聡にも同じような未来が待っているのではないかと考えてしまうのだ。


 結局、舞が無事ということは分かったが、シェアハウスには帰ってこなかった。しかも舞を訪ねて調査会社の男(坪倉由幸)がやってきて、「彼女は大きな犯罪に巻き込まれようとしています」と不穏なことを言い残していった。舞がどこにいるか、何を隠しているのかの謎は次回に続く形となった。


 6人が少しずつ仲良くなっているからなのか、シェアハウスはドタバタしつつもなんだかんだで穏やかだ。だが、要所要所にあるそれぞれのちょっとした闇や謎がピリッとしたスパイスになって、いつの間にかこのドラマの続きが見たい気持ちになってしまっている。もし、このドラマの初回を観て、シェアハウスに住む“ルーザーズ”6人の強すぎるキャラに気後れし、観るのをためらってしまっている人がいれば、今からでもこのドラマを観ることをおすすめしたい。


(久保田ひかる)


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