『ナンバMG5』の友情物語が尊い 間宮祥太朗×神尾楓珠、ヤンキーたちのギャップ

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2022年04月28日 06:01  リアルサウンド

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『ナンバMG5』(c)フジテレビ

 ドラマ『ナンバMG5』(フジテレビ系)の第2話が4月27日に放送された。本作は、筋金入りのヤンキー一家「難破家」の次男・剛(間宮祥太朗)が、家族に内緒で健全な高校に入学するという高校“逆”デビューの物語。第2話は秘密を共有し合う、難破剛と伍代直樹(神尾楓珠)の友情物語と、彼らのギャップに心を動かされた。


【写真】キャップを被る森本慎太郎


 家族に内緒で白百合高校に真面目な生徒として通っている剛と、彼の正体を唯一知っているヤンキー高校の伍代直樹は、秘密を共有し合う内に相棒のような存在に。そんな2人の友情物語こそ、第2話の見どころの1つだった。


 まず、第2話の放送開始早々、視聴者を「やばい!」と興奮させたのは、2人がショッピングに行くシーン。クラスメイトの藤田深雪(森川葵)も所属する美術部で写生大会に行くことになった剛。休日だから私服でいい、ヤンキーっぽい服しか持っておらず悩んだ結果、“シュッとしている”直樹に「一緒に服を選んでほしい」と依頼して実現したシチュエーションだ。


 2人で洋服を見て回るシーンや、伍代のアドバイスを聞いて試着室でいろんな服を試しながら感想を共有し合う姿は、尊いポイントの1つ。同じヤンキーとはいえ、クールでスタイリッシュな伍代と、アツいヤンキー感全開の難破、2タイプのヤンキーがキャッキャとやりとりしている様子は、もう少し長く見ていたかった。


 さらに家族公認の“ツレ”となった伍代が剛の部屋に泊まるシーンも。ここで伍代は剛に家族にヤンキー高校に通っていないことを隠していることについて「悪いと思ったことはねぇの?」と質問。それに対して剛が「悪ぃと思ってるよ。だから余計言えないんだよ」「みんなをがっかりさせたくねぇんだよ」「バレるまででいいから、普通に勉強したり普通に部活したりよ……」と本音を吐露。


 この時の思いを知っていたからこそ、伍代は市松高校2年の番格・最上克己(米本学仁)に賞金首にかけられた“特服”難破剛へとなりきり応戦。一方の難破は、自分の身代わりになった伍代がやられていくのを見かねて「おい! お前らが探している特服はなぁ……!」と真面目モードの制服を脱ぎ捨てようとする。難破と伍代、お互いを友達として認め、大切に思い合っているからこその行動は胸を打つものがあった。


 さらに、そのケンカの後でボロボロの状態の伍代は自分の二重生活を後悔する難破に対して「気にすんな。からあげのお礼だ」「難破……今の生活、続けたけりゃ、最上とやり合おうなんか思うんじゃねぇぞ」と諭す。第1話の時点で、多くの人を虜にしたクール系ヤンキー伍代の良さが炸裂したワンシーンはキュンとすると同時に、2人の友情物語に目頭を熱くさせた人も多いのではないだろうか。


 2人の友情以外に、剛と直樹の“たまらない!”ギャップが豊富だった印象。個人的には久しぶりに帰ってきた多忙な母に対して、直樹が「テメェ」と言ったシーンで、剛が「自分の母ちゃんにテメェはねぇだろ」「ごめんなさいは?」と言った上、代わりに謝るシーンはキュンとした。派手で母親に「悪いことをしていそう」と思わせる剛の外見と優しすぎる内面のギャップは、王道ながらも最高だった。


 しかし、そんな剛を押さえて“ギャップ”部門で優勝したのは間違いなく、剛の兄・猛(満島真之介)だろう。特に絵をバカにされたことに対して「謝ってほしい!」と要求した藤田にゆっくりと近づいた後で、サングラスを外して「マジで悪かった」と言いながら頭を下げたシーンは、良い意味で怖くて強い猛の像を打ち壊してくれたように思える。


 また、家に帰ろうとする直樹に「おい!」と呼びかけた後で、「ツレん家だろ? 遠慮なんてすんなよ」と伝えた猛も悶絶もの。呼びかけ方や言葉は多少荒々しくても、しゃべっている内容が優しいだなんて……。今話を観て、猛推しが急増したことは間違いないだろう。


 その一方で、ヒロイン・藤田深雪は清純派に見えて“がめつい”という驚きのギャップを見せた。ヒロインキャラクターといえば、どうしても綺麗売りなイメージがつきもの。しかし、藤田は「お金がないから」との理由で、賞金首にかけられた特服の男を探し出し「もしかして!」と思いながらも剛を市松高校へと売り込んだ。深雪の行動は褒められるべきものではない。しかし怒りを向けるというよりも「しょうがないな〜」とツッコんで、笑ってしまう愛おしさがある。かつて、こんなに親近感が沸くヒロインがいただろうか。


 良い意味で登場キャラクターのキャラクター性の幅が楽しめた『ナンバMG5』。第3話以降はどんな顔が見られるのか、今から楽しみだ。


(於ありさ)


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