JR東海「ブレーキ総合試験装置」東海道新幹線のブレーキ性能向上へ

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2022年05月16日 20:01  マイナビニュース

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JR東海は16日、東海道新幹線のブレーキ時に滑走の起こりやすい寒冷な雨や雪の降る環境における実際の走行を模擬した状態で、ブレーキ性能をさらに高める試験が可能な「ブレーキ総合試験装置」を小牧研究施設に設置したと発表した。


現在、ブレーキ時に車輪がレール上を滑走した際には、ブレーキ力の強弱を適切に調整するしくみにより、滑走を早く収束させている。しかし、寒冷な雨や雪の降る環境では、強いブレーキをかけると滑走によってブレーキ距離が長くなる場合があるという。

「ブレーキ総合試験装置」は、寒冷な雨や雪の降る環境を模擬した状態で、レールの代わりとなる円盤(軌条輪)と車輪を接触させて回転させ、ブレーキの試験を繰り返し行うことにより、さまざまな気象条件下で滑走を早く収束させる性能をさらに高めることを目的としている。


この装置は粘着試験部と台車試験部の2つの装置で構成される。粘着試験部では、粘着に関する基本的な試験を行うことで、さまざまな気象条件下での最適なブレーキ力の制御手法を見出すとともに、ブレーキ部品の改良に取り組む。台車試験部では、粘着試験部で得た成果を実際の台車やブレーキ装置を用いて検証する。



冬季は車両への着雪による影響を避けるための徐行により、列車が遅れるほか、着雪を駅で落とす作業も発生する。「ブレーキ総合試験装置」を活用することで、季節に関係なく着雪しにくい車両構造の検討や、雪落とし作業を機械化する開発に取り組むとしている。同装置は2021年6月から試験装置の調整や試運転など行っており、2022年3月から本稼働を開始している。(木下健児)

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