菜七子やミシェルだけじゃない! 世界各国で活躍する「女性騎手」はこんなにいた

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2022年05月17日 18:00  AERA dot.

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写真日本でも有名な女性騎手のミカエル・ミシェル
日本でも有名な女性騎手のミカエル・ミシェル
 基本的に男性が圧倒的に多い競馬社会だが、ジョッキーとして男性と伍して活躍する女性も存在する。日本におけるその筆頭は通算150勝以上(地方も合わせて)を挙げている藤田菜七子騎手で、2019年にはG3カペラステークスにてJRA所属の女性騎手として史上初のJRA重賞制覇をコパノキッキングで成し遂げた。


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 2021年には古川奈穂と永島まなみ、今年は今村聖奈がデビューを果たし、JRAには現在4人の女性騎手が在籍。ただし若手3人はもちろん、藤田も含めてG1を制覇した女性騎手はJRA史上でいまだ出ていない。


 その一方で、海外には男性ジョッキーに勝るとも劣らない存在感を示してビッグレースを勝った女性ジョッキーたちがいる。今回は彼女たちの活躍を紹介しよう。


 往年の人気競馬ゲーム「ダービースタリオン」を遊んだ方ならば、リサという外国人騎手がゲームにいたことを覚えているだろうか。彼女のモデルはリサ・クロップ。94年にJRA短期免許制度の第一号として日本でも騎乗したニュージーランドの名女性ジョッキーだ。


 日本では重賞勝ちこそなかったものののニュージーランドではG1を何度も勝ち、2004−05年にはシーズン197勝でリーディングジョッキーとなったほど。あいにくキャリア後半は薬物規定違反などがあって晩節を汚した感はあるが、全盛期は間違いなくニュージーランドを代表する騎手の一人だった。


 クロップと同名かつ同郷のリサ・オールプレス(旧姓マンビー)も短期免許での来日経験がある女性騎手。彼女の偉大なところは結婚・出産・育児を経た後の方がジョッキーとして活躍しているところだ。


 2010年12月にG1キャプテンクックステークスをウィーキャンセイイットナウで制してG1初勝利を手にすると、その後は4度もニュージーランドのチャンピオンジョッキーに輝いた。通算勝利も1000勝を数え、昨年もG1レヴィンクラシックをボーナムで制すなど、46歳となった今なお現役で存在感を発揮している。



 現在のオセアニアを代表する女性ジョッキーはオーストラリアのジェイミー・カー(26)。両親はスピードスケートの五輪代表というアスリート一家出身で、12年にデビューすると瞬く間に白星を重ね、14年には早くもG3ヴィクトリアハンデキャップをシスティンデーモンで制して重賞初勝利を手にした。


 その後もサウスオーストラリア州のメトロポリタンにおけるリーディングジョッキーに輝くなど活躍を続け、19年にメルボルンへ拠点を移すとハーレムに騎乗したオーストラリアンスカップで待望のG1初制覇を達成。昨年も短距離王ネイチャーストリップでG1ブラックキャビアライトニングを制すなど、豪州屈指の名ジョッキーとなった。


 ただし8月に新型コロナウィルスの感染拡大に伴うロックダウン規定違反と、それにともなう虚偽証言で5カ月の騎乗停止処分を科される大失態。それでも復帰後は変わらぬ手綱さばきを見せ、今年3月には芝のマイル戦として世界最高賞金の総額500万豪ドル(約4億4000万円)を誇るジ・オールスターマイルをザーキで制して名誉挽回している。


 欧州ではホリー・ドイル(25、英国)が現在活躍中だ。両親ともジョッキーだったドイルは2019年に年間116勝をマークし、ジョセフィン・ゴードンが2017年に達成したイングランド女性騎手年間最多勝記録(106勝)を更新。20年には英G2プリンセスオブウェールズステークスをデイムマリオットで制して重賞初制覇、そして20年10月にはグレンシールに騎乗してG1英チャンピオンズスプリントステークスを勝利した。女性騎手が英国の平地G1を勝ったのは史上3人目の快挙だった。


 フランスでは日本でもおなじみのミカエル・ミシェル騎手(26)が、2018年にフランスにおける女性騎手による最多勝記録を更新する72勝をマーク。19年には札幌競馬場で行われたワールドオールスタージョッキーズで白星を挙げたほか、20年には短期免許で南関東の地方競馬にて騎乗し、通算30勝を挙げた。20年にはイタリアでG3カルロダレッシオ賞を勝って重賞初制覇も達成している。



 19年に仏リーディング13位となる71勝を挙げたコラリー・パコー(23)も今後が楽しみな女性騎手。20年には落馬負傷した藤田に代わってサウジアラビアでの騎手招待競走「インターナショナル・ジョッキーズ・チャレンジ」に参戦した。ちなみに日本で活躍したオリビエ・ペリエ騎手の娘、メガーヌ・ペリエも20年にプロデビューして初騎乗初勝利を挙げている。


 アメリカでは1980年代から2000年代前半にかけて大活躍したジュリー・クローンが女性ジョッキーの代表的存在。93年のG1ベルモントステークスでコロニアルアフェアーに騎乗して女性としては初めて米クラシック制覇を達成すると、落馬負傷による引退表明と復帰を経た2003年にはハーフブライドルドでブリーダーズカップジュベナイルフィリーズを制し、こちらも女性初のBC勝利となった。通算勝利は3704勝、2000年には女性初の米競馬殿堂入りと、まさに伝説的な活躍だった。


 2000年代から2010年代にはカナダ出身のシャンタル・サザーランドが活躍。2001年にカナダの最優秀新人賞を獲得したサザーランドはやがてアメリカでも騎乗し、2011年にはゲームオンデュードでG1サンタアニタハンデキャップとG1グッドウッドステークスを勝ち、G1ブリーダーズカップクラシックでも2着に入った(勝ち馬は元恋人のマイク・スミスが騎乗したドロッセルマイヤー)。


 翌12年には同馬で女性初のドバイワールドカップ騎乗(結果は12着)。17年にはカナダ出身の女性騎手では史上初めて通算1000勝を達成した。また彼女はモデルやタレントとしても成功を収めている。


 現在のアメリカにおける女性ジョッキーの第一人者はソフィー・ドイル(35)だろうか。ゴドルフィンの主戦として欧州で活躍するジェームズ・ドイルの姉でもあるソフィーはアメリカに拠点を移してから頭角を現し、これまで通算400勝以上。19年にはストリートバンドでG1コティリオンステークスを制した。いまは妊娠中のため休業しているが、復帰後の活躍には大いに期待したい。(文・杉山貴宏)


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  • 筆者は2002年の中山大障碍を見てなかったのであろうか(激怒)
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