ミュージカル界の帝王・山口祐一郎を鼓舞させた“医療関係者からの手紙”

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2022年05月20日 17:00  AERA dot.

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写真やまぐち・ゆういちろう 1956年、鹿児島県生まれ、東京都育ち。81年に「劇団四季」の「ジーザス・クライスト=スーパースター」で主演デビューし、「オペラ座の怪人」「キャッツ」などに出演。退団後は「レ・ミゼラブル」「ダンス オブ ヴァンパイア」など大作に出演し続け、「ミュージカル界の帝王」と呼ばれる。5月19〜22日、トークとコンサートを組み合わせた「My Story,My Song 〜and YOU〜」(シアタークリエ)に出演する。千秋楽の22日にはライブ配信も予定。<撮影:戸嶋日菜乃(写真映像部)ヘアメイク:川端恵理子(スタジオAD)<br />スタイリスト:渡邊奈央(Creative GUILD)<br />衣装協力:YOHJI YAMAMOTO/ヨウジヤマモトプレスルーム>
やまぐち・ゆういちろう 1956年、鹿児島県生まれ、東京都育ち。81年に「劇団四季」の「ジーザス・クライスト=スーパースター」で主演デビューし、「オペラ座の怪人」「キャッツ」などに出演。退団後は「レ・ミゼラブル」「ダンス オブ ヴァンパイア」など大作に出演し続け、「ミュージカル界の帝王」と呼ばれる。5月19〜22日、トークとコンサートを組み合わせた「My Story,My Song 〜and YOU〜」(シアタークリエ)に出演する。千秋楽の22日にはライブ配信も予定。<撮影:戸嶋日菜乃(写真映像部)ヘアメイク:川端恵理子(スタジオAD)
スタイリスト:渡邊奈央(Creative GUILD)
衣装協力:YOHJI YAMAMOTO/ヨウジヤマモトプレスルーム>
「ミュージカル界の帝王」、山口祐一郎さん。作家・林真理子さんとは長年のお付き合いということで、対談が始まるとすぐに、会話は大盛り上がりでした。


【写真】山口さんと林真理子さんのツーショットはこちら
*  *  *


林:ご無沙汰しております。


山口:林さんとは、青春時代に楽しいひとときを過ごさせていただきました。


林:はい、だから私もお会いするのを楽しみにしていました。


 今回、山口祐一郎さんがホストになって、縁のあるゲストの方々をお招きして、劇場に来たお客さんにトークと歌で楽しんでいただくイベント(「My Story,My Song 〜and YOU〜」5月19〜22日 シアタークリエ)をなさるんですね。


山口:実は2年前に帝国劇場で、今まで初めての試みとしてトークショー(「My Story ─素敵な仲間たち─」)をおこなったんですよ。当時は今よりももっとミュージカルやコンサートなどに対する制限が厳しくって、集まって何かするものはすべて延期、中止という風潮だったんですよね。それでも「こういうつらいときだからこそ劇場に来たい」という方がたくさんいらっしゃるわけじゃないですか。


林:当時はいろんな舞台が中止になって、とても残念でしたよ。


山口:そうですよね。それで、「(コロナの状況で)稽古ができないのなら、歌なしでトークだけのショーにしよう」と考えて企画されたのが、帝劇の舞台機構を使って、奥にひそんでいる劇場そのものの魅力を前面に出したトークショーだったんです。裏方さん、大道具さん、照明さん、音響さんたちの力を総動員して、せり(舞台の床の一部が上下する装置)とか盆(床が回転する装置)も全部使って。


林:オーケストラとか歌は、そのときどうしたんですか?


山口:オーケストラもないし、歌もありません。そういうのができない状態でしたからね。


林:すごいですね。お客さん、たくさんいらしたんですか。


山口:満杯になりました。当時、コロナ禍ですでに医療現場が疲弊しきっていた時期だったのですが、そのトークショーのあと、僕、医療関係の方からお手紙をいただいたんですよ。「コロナになって1年、泣いたり笑ったりすることもありませんでしたが、劇場に来て山口さんの話を聞いていたら、泣いている自分に気づいて。そんな自分に、途中から笑っちゃいました」というんです。それを読んで、ああそうか、緊張したギリギリの状態で医療に励んでおられる方が、劇場に来てふと我に返れる瞬間があったんだな、と思ったんです。それから、「よし、チャンスがあったら何でもやろう」と思いました。




林:なるほど、そうやって勇気づけられた人がたくさんいたんですね。素晴らしいです。


山口:それで、その延長として開催されるのが、今回のシアタークリエのコンサートなんです。


林:(チラシを見ながら)1部が山口さんとゲストの方とのトーク、2部がミニコンサートで、皆さんでミュージカルナンバーを歌うわけですね。保坂知寿さんは私も存じ上げてますが、石川禅さんや上口耕平さんという方たちは……。


山口:今まで一緒に舞台に立ってきた皆さんです。いつも勇気やパワーはお客様やこの仲間たちからいただいています。コロナ禍を経て再会できて温かな気持ちでショーをお届けします。


林:これはインターネットで配信もなさるんですか?


山口:千秋楽の配信が決まりました。たとえば大学に入った若い人なんかは、「やった! 東京に来たぞ。バイトしながら学生生活を楽しむぞ」と思ったら、大学に行けなくて、授業もリモートばっかり、学生用の小さなワンルームに閉じ込められてるなんてこともあるわけじゃないですか。そんな人たちが、僕らのネット配信を見て「私ももうちょっと頑張ろう」と思ってくれたらそれでいいんです。


林:なるほど。それにしても山口さん、久しぶりにお目にかかったら、相変わらず背が高くて(186センチ)カッコいいですね。


山口:つい先日は、篠山紀信さんにプログラム用の撮影をしていただいたので、多少おなか周りなど、気にして毎日を過ごしていました。(ポスターを示し)これは帝劇の屋上です。


林:素敵じゃないですか! 篠山さん、やっぱりさすがですね。


山口:篠山さんは中学高校の先輩でして、初対面でしたが男子校の同窓会のようで、フレンドリーに撮影していただきました。ありがたいですね。こうやって撮っていただいた作品を見ると、新しいミュージカルのストーリーが生まれてきそうですね。


(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)

※週刊朝日  2022年5月27日号より抜粋


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