「優待利回り」が高い銘柄は? 証券のプロがお得な優待株を探す方法を伝授

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2022年05月20日 17:00  AERA dot.

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写真GMOフィナンシャルホールディングスの村田真里恵さん。インターネット広告代理店の金融系クライアント支援業務で活躍後、2017年12月より現職。投資ツールの活用や情報収集のコツを広める(撮影/写真部・加藤夏子)
GMOフィナンシャルホールディングスの村田真里恵さん。インターネット広告代理店の金融系クライアント支援業務で活躍後、2017年12月より現職。投資ツールの活用や情報収集のコツを広める(撮影/写真部・加藤夏子)
 株式投資の楽しさに目覚めるきっかけといえば、企業からもらえる株主優待。ネット証券の検索ツールで有望な優待株を探し、安全重視で投資するコツは?


【株主優待の基本ワード3】
 日本人は投資でガツガツ儲けることより、ポイント還元やふるさと納税などの「お得感」が好きだ。株式投資でいえば株主優待。上場企業が自社の株主でいてくれていることへのお礼として、投資家に優待品を送る制度のことである。


 実は株主優待がここまで浸透しているのは日本だけ。世界的に見ても珍しい存在だ。


 優待でもらえるものは、自社商品や自社店舗で使える買い物割引券・食事券、クオカードなど多岐にわたる。食べ物や日用品関連の優待は特に人気だ。大量にもらって家計をサポートする猛者もいる。


「最近は投資信託のつみたても定着してきましたが、優待株への投資が好きな人はそれ以上にいるはず。根強いファンが多いのです」


 と語るのはGMOフィナンシャルホールディングスの村田真里恵さん。


「優待株のメリットは投資を楽しめることです。たとえ株価が下がっても、毎年決まった時期に優待品が届くことで長期投資も苦になりません」


 株式投資で含み損を抱えると憂鬱(ゆううつ)な気分になるが、お得感があって日常生活にも役立つ優待が届けば心の平安を得られる。投資において心の平安は意外に大切。


 ネット証券各社が優待株の検索ツールに力を入れているのも、優待品が株式投資をはじめるきっかけになる人が多いからだ。GMOフィナンシャルホールディングス傘下のGMOクリック証券でも優待検索ツールには力を入れている。


「投資家の間では、優待品の金銭価値を利回り換算した『優待利回り』を重視して優待株を選びたいというニーズも強いです。当社の検索ツールは『優待利回りの高い順』に並べ替えもできます」



 たとえば6月末に権利確定する優待株を検索すると、116銘柄がヒット(2022年5月9日現在)。検索結果の上部にある「優待利回り」をクリックして右隣を「▼」にすると、優待利回りが高い順に並べ替えられる。



 上から順に見ていって、まず目に止まったのはフジオフードグループ本社だった。100株・13万1800円(2022年4月20日現在の終値)の投資で、3000円相当の優待食事券を年2回もらえる。優待利回りはこの日の株価で4.5%だ。「まいどおおきに食堂」などの系列店舗で使える。こういった優待利回りの高いお宝株を探すには、実に便利な機能だ。


 権利確定月の条件をはずして、全1430銘柄の優待利回りを上から見ていくと、この7銘柄が気になった。


・北の達人コーポレーション(2930)…26.32% ※健康食品など


・ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)…5.54% ※買い物券など


・ヤーマン(6630)…4.34% ※美顔器など


・アスクル(2678)…2.67% ※日用品など


・すかいらーくホールディングス(3197)…2.6% ※食事券など


・小林製薬(4967)…1.15% ※日用品など


・アークランドサービスホールディングス(3085)…1.05% ※カツ丼の「かつや」などを運営


 優待利回りではなく「欲しいモノ」でも探せる。「飲食券・飲食割引券」「名産・特産品」「金券」など22のジャンルから指定すれば、関連の優待銘柄がズラリ。



「優待の内容が魅力的でも業績が悪く株価が下落中の株を買うと、含み損を抱えてしまうリスクがあります。業績が悪い中で優待内容を改悪すると、さらに追い打ちで株価が下落したり……。『この銘柄いいな』と思ったら、銘柄名をクリックして情報欄へ。『四季報』や『財務分析』のタブを開き、業績面も確認してください」


 特にレストラン、居酒屋、旅行、航空、流通といった業種は、ここ数年のコロナ禍で業績悪化が深刻なケースも多い。


 たとえば、優待株1430銘柄(2022年5月9日現在)の中で最も優待利回りが高いのは「メガネスーパー」を展開するビジョナリーホールディングス。


 優待利回りは約135%もある。株価は148円で業績もパッとしない。2022年4月期予想は無配(配当なし)だ。


「優待株でも、業績が少しずつでも伸びているか、配当を出し続けているかをチェックしましょう。コロナ禍で飲食や航空関連が無配になっているのはまだしも、長年の無配は要注意です。これは優待株に限らず、どんな銘柄でも基本のチェック事項です」




■継続保有の条件が増加


 最近は「株を1年以上保有している人だけに優待をあげます」などの継続保有を条件とする企業も増えている。極端な話だが、権利付き最終日の1日だけ株を保有してすぐ売却しても優待はもらえるからだ。


 制度として可能なので非難はしないが、品のいい話ではない。企業側は「タダ取り」を阻止すべく長期保有優遇制度を導入しているというわけだ。


 さて、株主優待をもらうためには、その企業の決算日や中間決算日が末日の場合は月末(平日)から数えて2営業日前までに株を買っておく必要がある。そのため月末最終営業日の2営業日前は「権利付き最終日」という。


 権利付き最終日の翌日は「権利落ち日」と呼ばれ、配当の価値の分だけ株価が下落することが多い。権利付き最終日までに株を買えば、月末には企業の株主名簿にあなたの名前が載る。これが優待の「権利確定日」。


 2022年5月の場合、27日(金)の権利付き最終日までに株を買う。30日(月)が権利落ち日。31日(火)が権利確定日だ。土日や祝日を挟むこともあるので、権利付き最終日は微妙に日にちが変わる。


(編集・文/綾小路麗香、伊藤 忍)


※『AERA Money 2022夏号』から抜粋。アエラ増刊「AERA Money 2022夏号」では、初心者にもおすすめできる長期保有向け優待銘柄ベスト22を、すべて写真入りで紹介している


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