ドラフトで注目浴びた「ビッグ3」や「四天王」 プロ入り後“全員成功”のケースあるか

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2022年05月21日 18:35  AERA dot.

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写真3球団競合でロッテ入りした藤岡貴裕(写真提供・千葉ロッテマリーンズ)
3球団競合でロッテ入りした藤岡貴裕(写真提供・千葉ロッテマリーンズ)
 その年のドラフトで目玉クラスの選手が複数いる時に「高校生ビッグ3」、「〇〇の四天王」、「〇〇の三羽烏」などと称されることは少なくない。昨年も小園健太(市和歌山→DeNA1位)、風間球打(ノースアジア大明桜→ソフトバンク1位)、森木大智(高知→阪神1位)が高校生投手のビッグ3と言われ、揃ってドラフト1位でプロ入りを果たしている。ではこのようなくくりで評価された中で実際プロ入り後に活躍しているのはどの世代なのか。2000年以降の主なところをピックアップして評価してみたいと思う。また、中には立ち位置的に目玉ではない選手が含まれているケースもあるが、同じくくりでまとめられた例も含めている。


【写真】高校球児時代の初々しい佐々木朗希投手

・2003年社会人投手三羽烏
内海哲也(東京ガス→巨人自由獲得枠)
香月良太(東芝→近鉄自由獲得枠)
森大輔(三菱ふそう川崎→横浜自由獲得枠)


・2004年高校生投手ビッグ3
ダルビッシュ有(東北→日本ハム1位)
涌井秀章(横浜→西武1位)
佐藤剛士(秋田商→広島1位)


・2005年浪速の四天王
辻内崇伸(大阪桐蔭→巨人高校生ドラフト1巡目)
平田良介(大阪桐蔭→中日高校生ドラフト1巡目)
岡田貴弘※T−岡田(履正社→オリックス高校生ドラフト1巡目)
鶴直人(近大付→阪神高校生ドラフト1巡目)


・2007年高校生ビッグ3
中田翔(大阪桐蔭→日本ハム高校生ドラフト1巡目)
佐藤由規(仙台育英→ヤクルト高校生ドラフト1巡目)
唐川侑己(成田→ロッテ高校生ドラフト1巡目)


・2007年大学生投手ビッグ3
大場翔太(東洋大→ソフトバンク大学生・社会人ドラフト1巡目)
長谷部康平(愛知工業大→楽天大学生・社会人ドラフト1巡目)
加藤幹典(慶応大→ヤクルト大学生・社会人ドラフト1巡目)


・2010年早稲田大学3人衆
大石達也(早稲田大→西武1位)
斎藤佑樹(早稲田大→日本ハム1位)
福井優也(早稲田大→広島1位)



・2011年大学生投手ビッグ3
藤岡貴裕(東洋大→ロッテ1位)
菅野智之(東海大→日本ハム1位)
野村祐輔(明治大→広島1位)
※菅野は入団拒否し、翌年の1位で巨人に入団


・2016年高校生投手ビッグ4
今井達也(作新学院→西武1位)
寺島成輝(履正社→ヤクルト1位)
藤平尚真(横浜→楽天1位)
高橋昂也(花咲徳栄→広島2位)


・2017年高校生スラッガービッグ3
清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム1位)
安田尚憲(履正社→ロッテ1位)
村上宗隆(九州学院→ヤクルト1位)


・2019年高校生投手ビッグ4
佐々木朗希(大船渡→ロッテ1位)
奥川恭伸(星稜→ヤクルト1位)
西純矢(創志学園→阪神1位)
及川雅貴(横浜→阪神3位)


 改めて並べてみると、全員揃って活躍することがいかに難しいがよくわかるだろう。通算成績で最も成功しているといえるのが2004年の高校生投手ビッグ3だ。ダルビッシュは球界を代表するエースとなり、メジャーでもコロナ禍によって短縮されたシーズンとはいえ最多勝(2020年)のタイトルも獲得。日米通算200勝達成にも期待がかかる。涌井も3球団を渡り歩きながらパ・リーグ最多タイ記録となる4度の最多勝を獲得。昨年は通算150勝も達成した。佐藤がプロで1勝もできなかったのは残念だが、このレベルの投手2人が揃っているという年はなかなかあるものではない。


 揃って主力として活躍したとなると、2007年の高校生ビッグ3、2011年の大学生投手ビッグ3になるだろう。2007年は中田が打点王に3度輝き、唐川も昨年までに通算76勝、55ホールドをマークしている。佐藤(登録名は由規)は故障もあってなかなか思うように成績を残せないシーズンが多かったが、3年目の2010年には12勝をマークし、通算32勝を挙げている。一方の2011年大学生投手ビッグ3では菅野が巨人のエースへと成長。最多勝3回、沢村賞2回など数々のタイトルも獲得している。野村も先発ローテーションの一角としてチームのリーグ3連覇に大きく貢献。2016年には最多勝、最高勝率のタイトルも獲得した。当時ナンバーワンの呼び声高かった藤岡はプロで苦しんだものの、それでも通算21勝、16ホールドをマークしている。



 一方でプロ入り後に苦しんだのが2007年の大学生投手ビッグ3、2010年の早稲田大3人衆、2016年の高校生投手ビッグ4が挙げられる。この合計10人の投手の中で二桁勝利をマークした投手は1人もおらず、既にユニフォームを脱いでいる選手も多い。今井が昨年初めて規定投球回に到達したが、今年も出遅れるなどまだまだ完全な主力とはいえない状況だ。


 そして今後という意味で楽しみなのがやはり2019年の高校生投手ビッグ4である。ドラフト前には及川が評価を下げて3位指名となったが、プロでは早くからリリーフで一軍に定着。トップランナーの佐々木は今や難攻不落の存在となり、西にも開花の兆しが見られる。現在は故障で離脱している奥川も実力的にはエースとなる可能性は高い。4人揃ってエースクラスとなることも十分に期待できるだろう。


 実力的に本当に横並びかどうかは議論されることもあるが、このように並び称されることが刺激となり、切磋琢磨してレベルアップするケースも確かにあるはずだ。今後も新たな「ビッグ〇」がドラフト戦線、そしてプロ野球を賑わせてくれることを期待したい。(文・西尾典文)


●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。


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  • ���å��å���å�������Ф��͡���å�������Ф��͡�如何にマスコミに見る目がなかったかと言うことでしょう。怪物は毎年でないでしょう。
    • イイネ!4
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