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2022年クラシック候補たち
第20回:プラダリア
ダービートライアルとしてお馴染みのGII青葉賞(東京・芝2400m)。4月30日に行なわれた今年のレースは、4番人気のプラダリア(牡3歳/父ディープインパクト)が制して、GI日本ダービー(5月29日/東京・芝2400m)への切符を手にした。
栗東トレセンの池添学厩舎に所属する同馬は、今年1月にデビュー。3歳新馬(1月15日/中京・芝2000m)、3歳未勝利(1月29日/中京・芝2000m)と、2戦連続で惜しくも2着に終わった。
初白星を挙げたのは、それからおよそ2カ月後の3歳未勝利(3月19日/阪神・芝2400m)。当日はタフな重馬場のコンディションだったが、プラダリアは中団の内に構えると、うまく折り合ってリズムよく運んだ。
迎えた直線、スムーズに外に出すと、すかさずエンジン全開。早め先頭から、他馬を一気に突き放していった。最終的には後続に7馬身差をつけての圧勝だった。
念願の初勝利を挙げて、果敢に挑戦したのが青葉賞だった。レースは淀みないペースで流れ、プラダリアは縦長になった馬群のちょうど真ん中あたりとなる5番手をキープ。前走同様、テンポのいい走りでレースを進めた。
直線では、再び外から脚を伸ばしていく。直線半ばを過ぎて、早め先頭に立ったロードレゼルがそのまま押し切るかと思われたが、坂を登ったところでプラダリアがさらに加速。ロードレゼルをかわして、トップでゴール板を通過した。
こうして、初勝利からわずか2カ月足らずで最高峰の舞台へと駒を進めてきたプラダリア。同馬について、陣営はどう評価しているのだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。
「陣営はまず、前走の青葉賞について『初めての長距離輸送もこなしてくれて、落ち着いてレースを迎えられた』とコメント。折り合いにはまったく心配ないタイプで、『青葉賞は理想のレースができた』と満足気でした。
この馬の強みは、『追えば追うほどしっかり伸びるところ』とのこと。『その強みをしっかり発揮して、本番と同じ舞台を勝ってくれたのは大きい』と、大一番に向けても確かな手応えをつかんでいるようでした」
ただ、ダービーに向かうにあたっては課題もあるという。トラックマンが続ける。
「青葉賞を走ってダービーとなると、およそ1カ月の間に2度も関西からの長距離輸送をこなすことになり、陣営は『疲労なく、レースを迎えられるかがカギ』と話しています。また、少し子どもっぽい一面も残しているようです。
しかしながら、『それが解消されれば、さらによくなる』とスタッフ。確かに2度の輸送は不安要素ですが、2400m戦を連勝してきた実績は他馬にはないアドバンテージ。どこまでやれるのか、楽しみです」
ダービーと同じ2400m戦で断然の実績を持つプラダリア。その経験値を大一番で生かすことができるのか、注目である。