元ひきこもり会社員→外出を助ける「こっそりぬいぐるみと手をつなげる服」考案 「勇気をもらえそう」「当時あれば…」と応援の声続々

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2022年05月22日 12:30  まいどなニュース

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写真動きやすいようスウェット素材にし、中の縫代を潰し着心地の良さを追求。フリーサイズのみ13
動きやすいようスウェット素材にし、中の縫代を潰し着心地の良さを追求。フリーサイズのみ13

ひきこもりで外出が困難な方や就労が難しい方に向けて「外に出ることを助ける服」を制作し、紹介したツイートが話題です。ブランド「ひなしゅしゅ」を手がける滋賀県在住の松崎雛乃さん(@hinachouchou)にお話を聞きました。

【写真】ポケットに取り付けられるぬいぐるみは、キーケースにもなる

「元ひきこもりの私が会社員しながら『外に出ることを助ける服』というポッケの中にぬいぐるみが入っていてポッケに手を突っ込むふりをして外でこっそりぬいぐるみと手を繋げるお洋服を作っています! 現在ぬいぐるみ作りを就労の難しい方のお仕事にする計画や古着を再利用する計画を遂行中です!」
と、ワンピースとぬいぐるみの写真とともにツイート。

「すごく素敵な事業と思います。手を繋ぎたい潜在的な市場ははるかに大きいのではと…」
「最高!!初めて働きだした時、周りに馴染めずに小さいぬいぐるみを持って行ってました」
「ぬいぐるみの布地を色々と変えたり夢がありますね」
「とても勇気をもらえそうなお洋服ですね」
「私の知ってる子に病気のため授業中でも決まったぬいぐるみを手放せない子がいました。こんな服が当時あれば…」
「大切なコと一緒にお出かけできる洋服イイですね。求めている人、いると思います」
「不安な時は手を温めると良いと言いますから、ポケットの中で手をつなげば元気にプラスになるに違いない!」
「発想がめちゃくちゃ素敵です」
「とっても素敵なアイデア!購入したいです」
こちらの投稿に賛同や応援のリプが届き、1.1万件のいいねがついています。

松崎さんは、17歳の頃、部活動の人間関係で悩みうつ病からひきこもりに。高校も中退し3年間ひきこもる中、ネットショッピングで購入した一着のワンピースが松崎さんに転機をもたらします。

着てみたところ非常に似合っているように感じ、気分が上がったことがきっかけで外に出ることへの恐怖感が薄らいでいったそう。その後、徐々に外出できるようになり高校卒業程度認定試験を受け大学へ進学。大学でファッションを学び、“ひきこもりによる、ひきこもりのための洋服、外に出ることを助ける服”の制作をスタートしたそうです。

洋服の詳細や今後の展開などについて松崎さんにお話を伺いました。

電車や緊張する場面でハンカチを握りしめている人が多いことから考案

――こちらのワンピースはどういった経緯で制作を?

まずはひきこもりの女性の方にアンケートを行いました。ひきこもり当事者は一般的に男性が多いので厚生労働省が全国に設置している「ひきこもり地域支援センター」に一件一件電話をかけ、アンケートを集めました。

その結果、「目立ちたくない」などの理由からシンプルな服を選んで着ている方が多いことが分かり、服の色は“存在感を消す”という印象を与えるグレーにし、形もシンプルなものにしました。

精神疾患などからひきこもりになった方は薬の副作用で太ってしまった方も多く、体のラインが目立たないシルエットを採用し、このようなワンピースが完成しました。

――「ぬいぐるみ」をこっそり握れる、という仕組みがユニークです。

滋賀県のひきこもり当事者(54名)に服や生活に関するアンケートを取ると、電車の中や緊張する場面でハンカチを握りしめている人が多いことがわかりました。私自身もぬいぐるみを抱くと心が落ち着く経験があったことからハンカチと同じタオル生地のぬいぐるみをこっそり握ることができる服を考え、その服作りをひきこもりの方に依頼することで、外出のきっかけづくりに取り組むことができないかと考えました。

――実際に購入された方や着用された方の感想は?

体調がすぐれない時は生活することがしんどかったりするのですが、
「この子(ぬいぐるみ)のために洗濯が苦じゃなくなった」
「ひきこもりではないが緊張する通勤時に着ている」
「こんな考えのいる人の世界なら好きになれそう」
「大人になってもぬいぐるみ大好きでいていいんだなと思った」
などの感想をいただいています。

――ぬいぐるみの制作はひきこもりの方に依頼を?

はい。ぬいぐるみ部分を当事者でもあるひきこもりの方に作っていただき、さらにはワンピースの制作にも携わっていただくことで就労支援の場につなげていきたいと考えています。

ひきこもり当事者の方々が集える居場所をつくりたい
――今後は、具体的に何か計画が?

「とちゅうスタンド」という当事者の方々が集える拠点(居場所)を作りたいと思っています。

「外に出ることを助ける服」を作ってもらうことで購入者さんからの嬉しい感想などをシェアし自己肯定感を高める→服の利益をひきこもり当事者さんのお給料に…という仕組みを作りたいです。

とはいえ、なかなか外に出ることが難しい方も多くいらっしゃるため、現在、在宅でぬいぐるみ作りができるような仕組みも考えています。

――今後やってみたいことなどは?

「子ども服はないですか」というようなお話を講演会の際に保健師の方から尋ねられたりすることもあり、今後作ってみたいと考えています。現在不登校の親の会に参加させていただくなどし、不登校の子どもについて理解を深めています。

――現在、ホームページではsoldout表示ですが、今後再販のご予定は?

今後の再入荷は夏を予定しています。また、いらなくなった古着をNPO法人様より無料で譲っていただき、それらにポケットの仕様を付けて販売しようと考えています。そうすることで利益率を上げぬいぐるみ作りのお給料を捻出しやすくするほか、同じ服がないことで「この服を着ている人はポケットにぬいぐるみを飼っている」と分かりにくくする意味もあります。作業効率もあがります。

――ツイートにたくさんの反響がありました。

正直こんなことになるとは思ってもみなかったため驚いています。これだけツイートが伸びているにも関わらず皆様のリプライや引用リツイートが温かいメッセージばかりで本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。たくさんの方に共感していただけたことが自身の自信につながり、さらに頑張っていきたいなと身の引き締まる想いです。

◇     ◇

ワンピースはフリーサイズのみ13500円。そのほか、トレーナータイプ6500円も販売。ポケットに忍ばせるぬいぐるみは、種類や顔が選べるように別途販売。

ご自身の経験からたくさんの気づきを得、思いを形にしながら試行錯誤を重ねている松崎さん。お洋服が好きで、お洋服に助けられた松崎さんの思いによって完成したアイテムは、外出することが不安な方にとって、優しくそっと背中を押してくれる「自分だけの味方」のような存在になってくれるのではないでしょうか。「とちゅうスタンド」の完成や今後の展開もとても楽しみです。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)

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