DV彼氏に殴られ鼻が骨折…1000日間に渡る闘いを漫画化、原動力は同じ被害者に対する“使命感”「被害届を出しても何も利益はない」

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2022年05月23日 07:00  ORICON NEWS

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写真『ダメ彼を訴えます!! 〜殴られたので裁判しました〜』(C)ぶんか社
『ダメ彼を訴えます!! 〜殴られたので裁判しました〜』(C)ぶんか社
 家庭内で起こるモラハラ問題はなかなか周囲からは見えにくく、“家の中”だけで解決することは難しい。日常的に夫からモラハラを受けながら、ついに暴力までふるわれた二星星さんは、1年半かけて漫画の知識と技術を習得。その後『ダメ彼を訴えます!! 〜殴られたので裁判しました〜』(ぶんか社刊)の出版にまでこぎつけた。一方、夫の支配に耐え続ける日々を送っていたもちママさんは、母親と職場の仲間の温かな力に支えられながら、2人の子どもを連れて“脱出計画”を実施。Instagramで自身の被害を漫画『モラハラ夫に人生を狂わされた話』で発信している。夫からのモラハラから脱却した2人の女性の物語を紹介する。

【漫画】「お金返して!」“いい人”がモラハラDV男に一変! 流血沙汰…衝撃事件の一部始終

■お金がほしいのか、“勝ち”がほしいのか、相手に打撃を与えるか。目的次第で裁判が変わっていく

 同棲中の彼氏から殴られ、鼻の骨を折る重傷を負ったのち、相手を裁判で訴えた経験を持つ漫画家の二星星(にぼしぼし)さん。コミックエッセイ『ダメ彼を訴えます!! 〜殴られたので裁判しました〜』では、問題の暴力シーンから実際の法廷での様子までが、リアルに綴られている。

 事件が起きてから裁判を終えるまで、その期間は約1000日に及んだ。“法律の素人”である彼女が、訴えを起こした理由は、同じ被害を受けている女性のために「発信しなければいけない」という使命感だったという。

 「暴力は一度きりでしたが、男性が本気で殴ったので体が吹っ飛びました。病院から帰ってきた次の日に、学生時代の先輩に電話をして、今後どうしたらいいか相談しました。その時に、被害届を出しても彼に刑罰がくだるだけで、私に何も利益はないことを聞いたんです。ケガをして仕事にも行けない、お金がないのに引っ越しもしなきゃいけない。私にはマイナスしかなくて悔しいじゃないですか。彼女から、『それで満足できる? その悔しさがあるんだったら、裁判という形をとってもいいんじゃない?』と提案されたんです」

 それまでの日々も、彼氏のモラハラぶりに苦労したという。同棲して1ヵ月ごろから態度が変化していき、家に帰ってこなくなり、家のお金も勝手に持ち出された。何度も続き、しつこく問いただしたところ、前述の暴力を振るわれた。二星星さんは、DV被害者の裁判を起こすメリットについて話してくれた。

 「裁判を起こす時は、どういう結果にしたいかを必ず決めるんですね。例えば、お金がほしいのか、裁判所から“あなたの勝ち”という判断がほしいのか、もしくは相手にどれだけ打撃を与えるか。その目的次第で今後の裁判が変わっていくと、最初に弁護士さんに言われました。中には思わぬ結果になる方もいらっしゃいますが、その目的が達成できるというのが大きなメリットだと思います。あとは、自分でもこんなことができるんだという自信が付くこと、自分でも戦えるんだという勇気が得られることですね」

 二星星さんの目的は、お金を返してもらうことと、精神的につらかったことをわかってもらうことだった。現在は、自身の経験をもとに講演会などを実施。同じように悩んでいる人の支えになるべく活動を続けている。

 「DV加害者が暴力をふるうのは、幼少時の虐待やいじめのトラウマ、女性差別などが背景にあることもあります。でも、そういうことが日本ではあまり知られていないんです。なので、この作品がそういうことを考えるきっかけになってもらえたらいいですね」

■「お前のせい」洗脳されていたことに気づかない“恐怖”

 「お前が悪い、お前のせいだ!と日々いわれ続けていると、自分はダメな人間なんだと思うようになります」。そう語るもちママさんは、離婚を決意するまで自分がモラハラを受けていたと気づくことができず、むしろ夫が怒るのは“自分がダメなせい”と考えてきたという。そして、その状態を今振り返ると「洗脳されていた」と語る。マインドコントロールから解き放されるためにはかなりの苦難がつきものだが、もちママさんはどうやって洗脳に気づき、モラハラ男から脱却することができたのか。

 「母の『あなたは悪くない。別れなさい』という言葉で、ふわっと肩の重みが取れたことを覚えています。夫に責められ続けて、自分が悪いと思っていた部分を母に否定してもらえたことが、自信につながったんだと思います」

 幸い職場の仲間に恵まれ、周囲の協力のもと「脱出計画」を準備。2人の子どもを連れて、モラハラ夫の家から脱出して実家に戻った。しかし別居後も、離婚手続きを進めるためいったん戻った際には、当時の夫から泣き言をいわれたという。

 「『今後は改善する』、『頑張るから』などと説得されましたが、前科があったので嘘だと思いました。前に実家に逃げて、また家に戻ってきたとき、少しは優しかったり前より育児や家事を手伝ったりしてくれたのですが、すぐに元に戻りましたから…。モラハラ体質の人は治りにくいのでしょう。期待するだけ無駄だと思いました」

 家庭で起こるモラハラ問題は、周囲に気づかれにくく、本人も相談しにくいという。もちママさんは、悩んでいる人に向けてこんなメッセージを寄せた。

 「今、隣にいるパートナーと心から笑って過ごせているか、幸福を感じているのか。本来、それだけが大事なことなんです。くだらない人間に無駄な時間、労力、お金を奪われるのは損でしかない。違う道を選んだとしても、あなたは決して悪くなんてありません。パートナーを大事にできない人間なんて、こちらから願い下げでいいんです」

 配偶者からのモラハラなどに悩んでいることを、どこに相談すればよいかわからない人のためには、政府も対応窓口を設けている(DV相談ナビ/#8008)。ガマンには個人差も限度もある。もしや、と気づいたときには家族・友人・知人への気軽な相談など、まずは具体的なアクションを起こしてほしい。

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  • 彼氏を顔と金で選んだのは自分の意思やろ? 自己責任やんけ!
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