宮世琉弥が語る、『村井の恋』で叶ったラブコメ作品への思い 憧れの先輩は山崎賢人

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2022年05月23日 08:01  リアルサウンド

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宮世琉弥(写真:梁瀬玉実)

 恋をして猪突猛進にぶつかっていく男子高校生役でラブコメに初挑戦している宮世琉弥。5月24日に最終話を迎える島順太による同名漫画をドラマ化した『村井の恋』(TBS系)では、高橋ひかる演じる教師の田中に想いを寄せる村井、そして田中が恋する乙女ゲームのキャラクター・春夏秋冬の全く異なるタイプの“恋し、恋される”2役を演じ分けている。


【写真】宮世琉弥撮り下ろしカット


 今回、リアルサウンド映画部では、宮世に2役の役作りの違いや、面白い原作だからこそ抱えるプレッシャーとの向き合い方、初のラブコメへの思いを聞いた。(編集部)


■新しいものを見つけた感覚


――「原作を読んで笑い転げた」とコメントされていましたが、面白い作品だからこそプレッシャーも大きかったのでは?


宮世琉弥(以下、宮世):原作を読んでいると、すごいんですよ。髪が爆発して上がって、目も白くなって、それで恋愛の言葉を話す村井くんがすっごく面白くて。アクションシーンも入るし、いろんなものが詰め込まれているラブコメなので、新しいものを見つけた感覚がありました。ただ、面白さが上に行く分、プレッシャーも大きくなっている感じです。


――そのプレッシャーは、どう乗り越えている?


宮世:自分に一番自信がないとここから上にはいけないと思っているので、とりあえず振り切ること。演じていても躊躇なく、自分が「こうやろう」と思ったことをバーンッと出すようにしています。


――村井くんをどのような人物と捉えていますか?


宮世:村井くんは、とにかく田中先生に猛アタックしていて、一途です。僕も村井くんっぽいところがあるので共感できましたし、友達思いのいい人なんだなと、原作を読んでいてわかりました。今回、1人2役で春夏秋冬役にも挑戦させてもらっているんですけど、春夏秋冬くんは田中先生の推しキャラで、田中先生の妄想の世界にいるんです。なので、村井と春夏秋冬の違いをどう見せていくのかが、演じていて楽しいですし、悩みどころでもあります。


――特にどんなところを意識している?


宮世:春夏秋冬は25歳のシングルファザーなんです。村井くんとは年齢が全然違うので、表情の作り方とかも、村井くんよりちょっと大人で余裕のある感じにしています。


――金髪にするのは初めてだそうですね。


宮世:Instagramのコメントとかで、「金髪すごくいい」と言われて嬉しかったですし、僕自身、今までの髪色で一番気に入っています。


――髪型だけでなく、村井はこれまでに宮世さんが演じてきた役ともギャップがありますよね。


宮世:撮影に入る前は、イメトレで「田中先生大好き」と頭に入れながらセリフを覚えました。監督さんからは「武士ワンコみたいになってほしい」と言われて。先生と話すときにはガッツリ武士のようにしたり、ちょっとワンコっぽくギャップを見せたり。田中先生にしか見せられない、友達には見せない村井くんの素顔も意識しています。


――ふだんから、どのように役作りをされていますか?


宮世:作品によるんですよね。今回は原作を読んで、監督やプロデューサーさんと話し合って役作りをしました。でも、オリジナル作品の場合は過去の作品を参考に「こういうパターンもあるな、こういうパターンもあるな」と、いっぱい引き出しを持って行くようにしています。たとえば、彼女が重い病になってしまう彼氏の役だったとき(フジテレビ系『ナイト・ドクター』)は、山田孝之さん主演の『世界の中心で、愛を叫ぶ』(TBS系)を観ました。やっぱり感情移入がしやすいので、映像作品を観ることが多いです。


■ラブコメで憧れた先輩・山崎賢人


――本作はラブコメということで、ふだんの現場との違いなどはありましたか?


宮世:僕、あまりラブコメをやったことがないんですよ。いや、全然やったことがなくて……あっ、初だ! 初です、僕! なので、その分緊張した感じはありましたね。


――参考にするために、何か作品をご覧になったりも?


宮世:個人的に恋愛映画がすごく好きなので、よく観ています。自分の学生生活では“青春の恋愛”なんてしてこなかったので、羨ましいんですよ。その分、作品で制服を着て青春できているのでいいんですけどね。でも、やっぱりラブコメ作品には“理想の恋”が描かれているので、観ちゃいます。


――もともとラブコメがお好きなんですね。


宮世:そうなんです。だから、先輩の山崎(賢人)さんとか、すごく憧れでした。やってみたかったです、ラブコメ。これまでの作品では、報われない恋ばかりしてきたので(笑)。


――満を持して初挑戦なわけですね。いろいろなラブコメ作品をご覧になってきて、胸キュンのさせ方がすごいと思った先輩は、やはり山崎賢人さん?


宮世:はい。なんて言うんですかね……鼻の高さといい、美しいですよね。黄金比だと思います。そもそも、山崎賢人さんが学校にいて恋してるんですよ!? 強くないですか? でも、自分もそういう存在になれたらいいなと思います。


■「推されること」はパワーになる


――今作は漫画原作ですが、原作がある作品を演じる面白さはどんなところに感じていますか?


宮世:原作がないオリジナル作品を演じることが多かったので、今回は“その人になりきる”というのが新鮮でした。どういう立ち方なのかとか、どういう癖があるのかとか、漫画を何回も読み返して、自分で探していくのが楽しかったです。


――原作からブレないようにしていること、逆にドラマならではの要素があれば教えてください。


宮世:漫画に動きはないけれど、“村井くんが本当に現実に出てきた”ということを表現したくて。漫画通り、忠実に村井くんを演じたいなと思ったので、仕草とか考え方とか、監督さん、プロデューサーさんといろいろ話し合いました。ただ、ドラマならではのセリフも追加されていてオリジナルな部分もあるので、漫画とドラマを区切って観てもらっても面白いんじゃないかなと思います。漫画を読んでいない方はドラマを観てから漫画を読んでも面白いと思うし、漫画を読んでいる方は、ドラマにはまた違った部分もあるので、そこも楽しんでもらえたらと思います。


――春夏秋冬は田中先生の推しですが、宮世さんが今推しているものは?


宮世:推しているもの……村井くんかな。今は村井くんと、ほぼ一緒に過ごしているような気持ちなんです。撮影がない日も台本を片手に何かしているのが通常なので。それに僕、あまり現場に携帯を持ち込みたくないので、スケジュールとかも台本に書いて覚えていて。撮影の時にも「今、このくらいの時間かな」と体内時計ができている感じなんです。今は“全部村井くんと一緒”みたいな生活をしているので、推しが村井になっていると思います。


――宮世さんご自身も推される立場ですが、そういった意味でファンの方の存在というのはいかがですか?


宮世:パワーになりまくってますね。僕の思考的に、お客さんが喜んでくれることが第一なので、「こうしたら相手が喜んでくれるかな?」というのをすごく考えています。だから、ファンの方だったり、スタッフさんだったりのことを考えている時間がかなり多いかもしれないです。


――自分が何をしたいかより、ファンの方がこれを見たいんじゃないか、という気持ちを優先する?


宮世:自分のやりたいことも、もちろんやります。そんな自分を応援してくれるからこそ、やりたいことをして恩返しがしたいんですよね。たとえば最近はカレンダーを発売したんですけど、そんなふうに自分も楽しみながら、ファンの方も楽しませられるような恩返しができたらいいなって。


■初々しさはずっと残しておきたい


――立て続けに作品に出演されてお忙しいと思いますが、役者として、今のご自身をどう考えていますか?


宮世:僕は現場でも結構ラフな感じに見えると思うんですけど、実はすっごい緊張してるんです。余裕ぶってるわけではないですけど、シーンに入る前には内心、「やべえ、次のシーンこれだ……」と思っています(笑)。


――それは、経験を積んでも変わらない?


宮世:変わらないですし、いつまでもこういたいです。自分のキャパは広げたいですけど、初々しさはずっと残しておきたいなっていうのはありますね。


――役者として、まだ走り出したばかりだと。


宮世:まだ走り出してもいなくて、「よーい!」くらいかもしれないです(笑)。


――これからずっと役者を続けていくということは、この仕事にそれだけ魅力があるということなのでしょうか?


宮世:この前お母さんと、その話をしたんですよ。小学生くらいから事務所に入って、やめたいと思うこともなく、よくこれだけ長く続けてるよねって。で、僕も考えたんです。一番は自分のやりたいことだし、楽しいからやっている、というのはあるんですけど……。でも、それだけこの世界で経験できることが多かったし、そのすべてが初めてのものだった。ゴールがないから続けられるのかなと思いました。


――わからないことだらけだから。


宮世:毎回、反省ばかりで満足はしないんですよ、絶対に。どんな作品でも、反省点が必ずある。満足しちゃったら、その時点で終わりなんじゃないかなとも思っています。


※高橋ひかるの「高」はハシゴダカが正式表記。
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記。


(取材・文=nakamura omame)


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