JR東海、新型特急車両HC85系の試乗会 - 特急「ひだ」で7/1デビュー

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2022年05月24日 12:02  マイナビニュース

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JR東海は24日、新型特急車両HC85系(量産車)の報道関係者・旅行会社関係者向け本線試乗会を実施した。HC85系は7月1日、名古屋〜高山間の特急「ひだ」でデビュー。7月中は上下各2本、8月1日から上下各3本をHC85系で運転する予定となっている。


同社はハイブリッド方式で最高速度120km/hの営業運転をめざし、2019年にHC85系の試験走行車(4両編成)を製作。約1年間にわたり試験走行を実施した。これまでの試験走行結果を踏まえ、特急「ひだ」「南紀」に使用している特急形気動車キハ85系の後継車両として、HC85系の量産車の新製を決定。計64両(2022年度に58両、2023年度に6両)を順次投入することとした。加えて試験走行車も量産車仕様に改造し、営業運転で使用する。



試乗会の当日、HC85系は10時12分頃、名古屋駅に入線。外観は「漆器の持つまろやかさや艶のある質感」をテーマに、先頭車の車体前面などなめらかな曲線形状としており、「和」を表現。車体前面から側面につながるオレンジ色の帯も躍動感のある曲線としている。車体側面に掲げたシンボルマークは、特急「ひだ」「南紀」が走る区間の沿線に広がる紅葉や海を赤・青の2色で表現。外観の帯に合わせた3本の流線形状でスピード感を表現したという。HC85系は約6分間停車した後、10時18分頃に名古屋駅を発車した。


走行中の車内で、普通車・グリーン車の車内設備等も公開された。インテリアデザインは「和」をコンセプトに、木目調の内装材を採用し、木のぬくもりを演出。グリーン車は横4列(2列+2列)の配置で、「落ち着いた上質感」をテーマに、沿線の新緑と美しい川、夕暮れの空を青系のグラデーションで表現。内壁は落ち着いた濃い茶色の木目調とした。



普通車も横4列(2列+2列)の配置で、「明るいワクワク感」をテーマに、沿線の紅葉と祭り・花火のイメージを赤系のグラデーションで表現。内壁は明るい茶色の木目調としている。グリーン車・普通車の全座席にコンセントを設置し、無料Wi-Fiサービスも提供。普通車の車内に車いすスペースを設けたほか、ハンドル形電動車いすに対応した多機能トイレも備える。収納容量を増やした荷物スペースも全車両に設置。デッキの「ナノミュージアム」で沿線の伝統工芸品を鑑賞できる。


試乗会の列車は名古屋駅から東海道本線を走り、岐阜駅で方向転換して高山本線へ。新型ハイブリッドシステムを搭載し、新技術の導入等による車両性能の向上を図った車両だけに、既存のキハ85系と比べて車内の静粛性が増し、乗り心地も向上した印象だった。



HC85系では、エンジン数の削減、駅停車時のアイドリングストップの導入、気動車特有のギアチェンジの解消などで快適性を高め、エンジンを車体に取り付けるための防振ゴムを2重化する防振構造により、車内に伝わるエンジン振動と騒音を低減。軸ばねの硬さを方向ごとに設定できる台車構造を採用し、上下・左右の振動を低減しているという。環境負荷の低減にも取り組み、キハ85系と比べて約35%の燃費向上を実現したほか、排出するCO2を約30%、NOxを約40%削減。車両機器の稼働状況や故障状況など遠隔で常時監視する状態監視システム「DIANA」も導入される。



新型特急車両HC85系は7月1日から、特急「ひだ」の一部列車で運転開始。下り「ひだ1・17号」、上り「ひだ4・10号」をHC85系で運転する。これら4本(上下各2本)に加え、8月1日から下り「ひだ15号」、上り「ひだ2号」もHC85系で運転。当面は名古屋〜高山間の列車で運転予定だが、現行のキハ85系と同様、富山方面・大阪方面の運転も検討すると報じられている。今後の増備に関して、グリーン車を連結した4両編成に加え、普通車のみの4両編成・2両編成も登場予定とのこと。(MN 鉄道ニュース編集部)

このニュースに関するつぶやき

  • しかし、グリーン車がちょっとショボいですね キハ85系ワイドビュー車両のほうが2+1シートで快適だexclamation
    • イイネ!10
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