ランドセルが重い! 子どもの肩や腰への悪影響は? 負担を軽くする方法を医師が解説

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2022年05月24日 18:00  AERA dot.

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写真※写真はイメージです(写真/Getty Images)
※写真はイメージです(写真/Getty Images)
 子どものランドセルを持ったときに、その重さに驚く保護者は多い。成長段階にある子どもが毎日重いランドセルを背負うことに、身体的な悪影響はないのか。ランドセルが子どもの体に与える影響について整形外科医に聞いた。


*  *  *


 約15年前と比べると、小学校の教科書のページ数は約47%も増加している(一般社団法人教科書協会『教科書発行の現状と課題』2021年度版。道徳、英語は除く)。授業時間が増加したほか、わかりやすさや学びやすさを重視して、レイアウトなどが工夫されているためだ。


 こうした中でランドセルの重さを懸念する声が上がり、文部科学省は2018年、全国の教育委員会などに対して、児童の携行品の重さや量に配慮するよう、通知を出している。工夫例の一つとして「家庭学習で使用する予定のない教材等について、児童生徒の机の中などに置いて帰る」といった“置き勉”など挙げている。


 しかし2020年には小学校での英語教育が必修化され、さらに最近ではタブレット端末の導入が急速に進み、小学生が持ち歩く荷物はますます増えている。成長期の子どもが毎日重いランドセルを背負うことで、体にはどのような影響があるのか。東京慈恵会医科大学附属第三病院整形外科教授の大谷卓也医師によると、ランドセルの肩ベルトを支える肩の部分や背中から腰にかけての脊椎(せきつい)への負担が大きいという。



「こうした部分に痛みや周囲の筋肉疲労が出やすく、慢性化すると治りにくくなることが危惧されます。高齢者のようにすぐに骨や関節に障害が出るわけではありませんが、大きな負荷がかかった状態が数年にわたって継続すれば、それも否定できなくなります」


 さらに最近は“子どもロコモ”と呼ばれるように、運動能力や体力の二極化が懸念されている。「ロコモ」は「ロコモティブシンドローム」の略称で、運動器の障害のために「歩く」「立つ」といった移動機能が低下している状態のことを指し、本来は高齢者を対象とした概念だ。しかし最近はゲームの普及や外遊びの場が減っていることなどから運動不足の子どもが増え、片足でしっかり立つ、手をまっすぐ挙げる、しゃがみこむなどの基本動作ができない子どもが急増し、こうした現象は“子どもロコモ”と呼ばれている。さらに新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛などの影響が、運動不足に追い打ちをかけた。



 同じ重さのランドセルでも、ロコモの状態になっている子どもにとっては一層の負担となる。


「こうした身体的な負担は、二次的に子どもの精神的負担となり、通学やひいては学校生活そのものが憂うつになるといった悪影響も懸念されます。体への負担を軽くする工夫をとり入れるなど、配慮が必要です」(大谷医師)


 国語や算数などの主要教科の教科書やタブレットは家庭学習で使用することが多く、現状では荷物の量は減らしにくい。重量は同じでも荷物の入れ方や背負い方を工夫することで、少しでも子どもの体への負担を軽くしたい。以下は、体への負担を軽くする工夫をまとめたものだ。参考にしてほしい。


体への負担を軽くする工夫 ※出典:日本医師会「健康ぷらざ」No.553


・軽いランドセルを選ぶ。牛皮や人工皮革のほか、ナイロン製などもあるので、素材を考慮する


・可能なら、ランドセル以外のバックパック(リュックなど)も利用する


・荷物をランドセルの背中に近い側に入れて、動かないように固定すると、重さを感じにくくなる


・肩ベルトの長さを調整し、ランドセルが背中にぴったりつくようにすると、歩きやすい


・胸用ベルト(※)を利用して、肩や背中だけではなく、胸でも重さを支えるようにして、重さを分散する


・腰用ベルト(※)を利用すると、腰にも重さが分散するうえ、ランドセルが安定する


※胸用ベルトや腰用ベルトは、ランドセルに後付けする商品としても販売されている


(文/中寺暁子)



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このニュースに関するつぶやき

  • 中学のリュックも凄いです。小学生だけじゃない、、、
    • イイネ!77
    • コメント 2件

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