激ヤバな「市販ドレッシング」、医師が警告するノンオイルや糖質オフに“隠された罠”

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2022年05月25日 08:10  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

※画像はイメージです

 スーパーの棚に並ぶさまざまなドレッシング。和風、フレンチといった味や、健康によさげなノンオイルタイプ、リーズナブルなタイプなど目移りしてしまうが……。

 管理栄養士の松田真紀さんは「それ全部ダメ! サラダを食べるのは健康のためでもあるはず。裏面を見ずに、ただ“安いだけ”で選んだ市販ドレッシングをかけちゃうと、せっかくのサラダの良質な栄養が台無しに」とバッサリ!

 はたして何が問題なのか、身体にどういった影響を及ぼすのか、その闇は案外、深い。

植物性油脂の過剰摂取は要注意!

 ドレッシングの問題点としてよく言われるのが油のとりすぎ。しかしこれは古い考えで、すべての油を悪者扱いするのではなく“不要な油を避けて、必要な油をとる”のが、正しい油との付き合い方とされている。

 ではドレッシングの油はどうなのか。容器の裏にある原材料名を見てみると、『食用植物油脂』と記載されている。これは主としてリノール酸のこと。

「リノール酸はインスタント食品、売っている惣菜、パンやスナック菓子にも多く含まれていて、現代人の食生活ではとりすぎています。これらの過剰摂取は、花粉症やアトピーなどのアレルギーなどあらゆる身体の不調につながります」(松田さん)

 せっかく健康のためにとオーガニックの野菜サラダを作っても、リノール酸のドレッシングをかけてしまえば、“残念サラダ”のできあがり!

 最近は、アマニ油やえごま油といった良質な健康油を“売り”にしている新商品も続々登場してきているが、ここにも落とし穴が。

「良質、悪質、さまざまな油がミックスされていることがあります。アマニ油やえごま油が100%に近いものを選ぶのが鉄則」(松田さん)

 ここでチェックしたいのが原材料名の並び順。使用した原材料を重量順に表示するのが原則なので、アマニ油より食用植物油脂(リノール酸)が先に書かれていたら、リノール酸の割合が多いと考えたほうがよいだろう。

 また、アマニ油やえごま油は酸化しやすいので、一度封を開けたら、できれば2週間、長くても1か月以内に使い切ること。せっかくの良質な油も、酸化しているものを摂取すると身体の健康をそこねるさまざまな原因となる。

ドレッシング全般にいえるのですが、やっぱり早く使うことが大事。いくらお得でもペットボトル入りの大きなサイズのドレッシングはすすめられませんね」(松田さん)

現代人はリノール酸の摂取過剰

 必須脂肪酸のオメガ6とオメガ3は4対1の割合でとると効果的だが、現代人は10対1と言われ、大きくバランスが崩れている。まずはオメガ6から3への置き換えをしよう。

オメガ6:主にリノール酸
 ドレッシングに含まれる食用植物油脂、サラダ油、ごま油、ベニバナ油、大豆油 etc.

オメガ3:主にDHA、EPA、α-リノレン酸
 青魚油、アマニ油、えごま油 etc.

◆必須脂肪酸摂取バランスの乱れで起きる症状◆

 中性脂肪の増加などの生活習慣病、花粉症やアトピーなどのアレルギー、肌荒れ、シミ、しわ。さらに記憶力や学習能力の低下、ストレスに対する脆弱さ、認知症の若年化などが憂慮される。

ノンオイルには糖質と塩分が多い!

 “いい油はとったほうがよい”とはいえ、もちろんとりすぎれば太る。そこで健康志向の高い人ほど飛びついてしまうのが『ノンオイル』や『カロリーハーフ』といった魅力的な売り文句。

 この売り文句に「ノンオイルドレッシングには糖質が多く含まれていることがあり、万病を引き起こしかねない」と警鐘を鳴らすのは、糖尿病と生活習慣病の専門医である牧田善二先生。

 そもそも市販のサラダドレッシングには糖質が含まれているが、ノンオイルドレッシングは、さらに多い。

「ノンオイルのドレッシングには、油の含有量を減らしているがゆえに減っている“うまみ”を補うために糖質の量が多い。生活習慣病の研究において、病気の原因を探ると、糖質の過剰摂取に行きつくので、市販ドレッシングはすすめられたものじゃありません」(牧田先生)

 最新医学では、肥満を生み出す原因はカロリーの高いものや脂肪分が豊富なものをとるよりも、糖質のとりすぎだとされている。

「太ることを気にするなら、市販ドレッシングをやめるか控えめに」と牧田先生。

 またノンオイルドレッシングは塩分も多いと、松田さんが続ける。

「ノンオイル大さじ1杯に、塩が0・9gくらい入っています。ダイエットしようと、ドレッシングを大さじ2杯使って、3食サラダを食べたら、1日分の塩分量に達してしまいます」(松田さん)

 リノール酸、糖質、塩分と、とらなくてもいいものがてんこもり。しかも食べ続けているうちに濃い味に慣れて、どんどん使う量が増えてしまうことも。

 健康のためには、オリーブ油やアマニ油、えごま油で、自家製ドレッシングを作ってほしいと松田さんも牧田先生も口をそろえる。

 作りたてのドレッシングはフレッシュ感もあり、おいしさも格別。簡単レシピを紹介するので、健康キープに役立てて。

手作りドレッシングはいいことずくめ!

いいオイルを摂取できる……オリーブ油やえごま油、アマニ油など、身体に必要なオイルを自分で選んで摂取できる。

味が調節できて糖質オフ……酸味が好きなら酢やレモン汁でアレンジ。糖質が気になるなら砂糖カットでナッツやゴマの食感で楽しむなどアレンジ自在。

カロリーを抑えられる……フルーツ酢を使ったり、ヨーグルトを混ぜればしっかり味がつく。ドレッシングをかける量が減り、結果的にカロリーが抑えられる。

松田さんおすすめ「手作りドレッシング」の作り方

サラダの上で仕上げるドレッシング

【作り方】

(1)野菜にオリーブオイルをかけて混ぜる。

(2)レモン汁をかけて混ぜる。

(3)仕上げに塩とコショウをパパッとかけて味を調える。

 好みでオメガ3のオイルもおすすめ。またレモン汁ではなくフルーツ酢にすればやさしい甘みも楽しめる。

食感で楽しむドレッシング

【作り方】

(1)ヨーグルトにオリーブオイルを加えて混ぜる。

(2)パセリのせん切りを混ぜる。

(3)好みでレモン汁を加える。

(4)塩、コショウで味を調え、野菜にかける。

 豆乳ヨーグルトならさらに健康効果UP。パセリの代わりに刻んだきゅうりの浅漬けや糠漬けにすると新しい食感に。

お話を伺ったのは


……牧田善二先生●AGE牧田クリニック院長/糖尿病、生活習慣病、肥満治療の専門医で延べ20万人以上の患者を診ている。著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)など多数。



……松田真紀さん●管理栄養士、日本抗加齢医学会認定指導士/スポーツドリンクの立ち上げに携わるなどアスリートの栄養サポートに従事。また食事を楽しむダイエットを提案し、多方面で活躍中。

(取材・文/水口陽子)

このニュースに関するつぶやき

  • 子どもの頃から、ドレッシングをかけるとどの野菜もただの【ドレッシング味】のようになるのが苦手で自宅でドレッシングを使うことはほぼありません…。
    • イイネ!1
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