「子どものプログラミング教育」最新教材は? EDIX東京レポート(前編)

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2022年05月25日 14:11  マイナビニュース

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「教育 総合展(EDIX)東京」が東京ビッグサイト5月11日〜13日の3日間にわたって開催された。関西展、東京展、オンライン展の年3回実施されているイベントだが、今回の東京展ではSTEAM教育、保育・幼稚園ICT化など5つのEXPOを展開。約320社が出展した。



今回は13回目の実施となった教育ITソリューション EXPOの出展企業を取材。GIGAスクール構想やプログラミング教育必修化などを受け、各社が展開する最新プログラミング教材について一部をピックアップして紹介する。

○シャープのロボホンを使ったプログラミングツール



まず訪れたのは、学習者用端末などを展開するグループ会社「Dynabook」と連携しながら、電子黒板「BIG PAD」などのハードウェアや、クラウドやコンテンツといった教育ソリューションの提案をトータルで行っている「SHARP」のブース。


デジタル教科書と連携し、単元ごとに生徒の理解度を可視化することで個別最適な学習支援につなげるチュートリアル教材「interactive Study 7」や、クラウド型アプリソフトの辞書教材サービス「Brain+」などを紹介していた。


人型ロボット「ロボホン」を使った「AI教育パック」は、プログラミング的思考を身につけ、AIリテラシーを高めることを目的としたパッケージ商品。小学生から高校生まで対応したカリキュラムととも教育現場へ提供している。


初心者向けのブロックプログラミングからテキストプログラミングまで可能で、音声認識やカメラなど、さまざまな機能が搭載された「ロボホン」を、実際に自分たちで組んだプログラムで自由に操作することができる。



4〜5歳児を想定しているという「ロボホン」のキャラクターは、生徒たちの想像力を大いにかき立て、プログラミングやロボットに親しむ上で一役買っているらしく、多くの学校で導入が進んでいるようだ。

○多機能プログラミングロボット「Root」(ルート)



アイロボット社の小学校中学校向けプログラミングロボット「Root」を紹介していたのは、各教室で導入が進んでいる大型テレビ装置や電子黒板、実物投影機など、多彩な教育用ICT機器の製造・販売を行う「エルモカンパニー」。


電子黒板やタブレットなどの端末機器とBluetoothで接続し、自動掃除機ロボットのようなロボットをプログラミングで操作するという教材となっている。



タッチセンサーや光センサー、カラーセンサー、障害物を検知するバンパーセンサーなど豊富かつユニークなセンサーを搭載。本体に磁石が付いているため、ホワイトボードに貼り付けて使用することができる。中央に付属のペンを差し込み描画させることができ、光や音を出す機能なども使いながら、さまざま動作を再現する。


昨年2月から販売を開始しており、教員向けに指導案や授業を展開する際のワークシートも用意。導入事例としては、小学校5年生の多角形を描く算数の授業でのプログラム作成や、電気の利用について学ぶ小学6年生向けの理科の授業でのプログラム作成などが実施されているという。

○老舗ソフトウェア会社が企画した知育玩具「KUMIITA」



プログラミング思考の土台づくりを主眼に、さまざまな知育玩具を中心に展示していたのは、教材・教具などのカタログ販売事業を展開している三和製作所。ボードゲームのような商材も多数並ぶなか、今回注目したのが創立24年のソフトウェア会社「ICON」社が企画・開発した「KUMIITA(クミータ)」だ。


KUMIITAは、プログラム作成に欠かせない「条件分岐」や基本文法となる「くり返し」など、プログラミングの概念を表現したパネルの並べ方・組み合わせてコースを作り、クミータ本体をゴールに導くことで、自然と楽しみながらプログラミングに親しめるツールだ。


「クミータ本体をどのように動かしたいかイメージする」システム設計から、「パネルを並べてコースをつくる」プログラミング、「クミータ本体がコースを進む」という実行までの一連の流れを遊びながら体感できる。



対象年齢は7カ月以上で、パネルには音や絵・色・動作など知育要素を盛り込んでいる。さまざまな難易度の問題に対してパネルの並べ方を考える3才〜8才向けの「ぼうけんキット」を2018年冬に発売するなど、成長に合わせた学びができるような機能の拡張やシリーズ展開を行っている。

○小学生ロボコン公式キット「ユカイな生きものロボットキット」



本イベントに2回目の参加というユカイ工学の「ユカイな生きものロボットキット」は、モーターやスイッチ、結束バンドなどを使い、自由な発想と創造力で自分だけのオリジナルロボットを作ることができる製品シリーズ。



結束バンドの手足をバタつかせながら前に進むロボットとして、小学校低学年でも手軽に楽しめるが、最大の特徴は作り込みの自由さ。小学生が自ら工夫して改良を重ね、工作的な感覚で創造性豊かにロボットづくりができるキットとして高い人気を誇る。


NHKエンタープライズ主催の「小学生ロボコン」公式キットとしても採用されているほか、さまざまなプログラミング教室やキッズ向けワークショップなどでも活用されている。ブース来場者からは教材としてのレンタルサポートや英語対応といった要望の声もあるらしく、ロボットやプログラミングに興味を持つきっかけとして、幅広いニーズがあるようだ。


同社の教育系の製品では「工作キット」と「組み立てキット」という主に2つのシリーズを展開しているらしく、どちらもプログラミングをできるが、部品を組み立てたロボットを使ってラジコン遊びができる「組み立てシリーズ」では、拡張パーツの購入などが必要になるという。



(後編に続く)



伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら(伊藤綾)

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