男性フェロモン曝露にて卵子が若返る

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2022年05月25日 19:20  妊活・卵活ニュース

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男性フェロモンがもつ不妊治療効果
5月19日、ノースウェスタン大学(アメリカ)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、男性フェロモンには卵子の老化スピードを遅らせる作用があると発表した。

男性フェロモン曝露と卵細胞の若返り
加齢に伴い、生殖機能は低下する。つまり、年齢が上昇すると、生物学的年齢(組織・細胞の老化レベルから求められる年齢)も高まる。また、老化の兆候は、まず、生殖細胞の質に表出する。加齢によって生殖細胞が老化し、その結果、流産、妊娠損失、不妊など生殖能力の減退が生じる。

今回の研究ではカエノラブディティス・エレガンス(Cエレガンス:線虫)を用いた実験を行い、男性フェロモンに卵細胞の老化を遅らせる作用が確認された。

Cエレガンスはヒトと類似の機能をもち、実験材料として非常に優れた性質をもつ線虫とされる。

メスの線虫にオスの男性フェロモンを晒したところ、卵細胞の老化スピードが遅くなり、胚死および胚の染色体異常が2倍以上減少したと報告された。あわせて、顕微鏡下では、卵子の若返り、卵子の質の改善が認められた。

不妊治療における潜在的な可能性
フェロモンとは生物が体外に分泌し、同種の個体間にて作用する化学物質である。通常は、生殖機能ではなく、身体維持のために全身の筋肉、ニューロン・神経、腸など非生殖器官にて送られる。

今回の実験を通じて、メスがオスのフェロモンを感知すると、脳の神経システムから全身へシグナルが伝達され、全身の神経・筋肉ではなく、卵細胞にエネルギーや物質が輸送されるように変わると報告された。

研究チームは、男性フェロモン曝露にて卵細胞のエネルギー収支が変わり、卵細胞の質は改善し、卵子の老化スピードが遅くなって老化が引き延ばされると結論付ける。今後、男性フェロモンは、潜在的な女性不妊治療法として期待される。

(画像はプレスリリースより)

Northwestern

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