国民民主党・玉木雄一郎「最大の危機は『岸田政権が何もしないこと』」

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2022年05月26日 06:00  AERA dot.

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写真玉木雄一郎(撮影/写真映像部・加藤夏子)
玉木雄一郎(撮影/写真映像部・加藤夏子)
 昨年の衆院選以降、政府提出の予算案に賛成するなど「与党寄り」の政治行動が目立つ国民民主党。自公連立政権入りの観測も流れる中、自民党が野党共闘に楔を打ち込んだ側面もある。玉木雄一郎代表に「野党観」や今後のビジョンを聞いた。


【写真】あいさつに訪れた岸田文雄首相とひじタッチする玉木代表
*  *  *


──国民民主党は政府が提出した今年度の予算案に賛成しました。野党が当初予算案に賛成するというのは、異例の決断に映りました。


 今回の予算案はコロナやウクライナ情勢も踏まえて早期成立が必要だったほか、我々の選挙公約である(ガソリン税を減税する)「トリガー条項の凍結解除」の検討を総理が明言したので、賛成しました。私たちは昨年の衆院選で「対決より解決」を求めて議席を増やした。その流れで、政策本位に判断した結果です。


──とはいえ、トリガー条項の発動は見送られたままです。与党に都合よく扱われたのでは?


 23人しかいない国民民主党が、与党を巻き込んで政策協議をし、原油価格・物価高騰対策として2兆7千億円の補正予算を勝ち取ることができた。一定の成果はあったと思います。トリガー発動も、まだあきらめていません。


──予算案への賛成など与党寄りの政治行動を批判する声もありますが。


 立憲民主党や日本維新の会も予算案に反対する中で我々が単に反対と言っても、野党第3党としての存在感も出せず、政策も実現できない。


 我々は単に予算案に賛成しただけでなく、「対決より解決」で様々な具体的な成果をあげています。昨年新設された「孤独担当大臣」は3年前の参院選で国民民主党が唯一、公約として掲げていました。ウクライナ侵攻後には、ロシアからの原油の輸入を一旦停止すべきだと最初に声を上げ、その後実現しましたし、オンライン国会実現に向けた協議では、憲法56条の「出席」にオンラインを含むとの解釈を国会としてまとめるべきだと私が提案して実現しました。こうした姿勢は有権者にも一定程度、伝わっていると考えます。




──自民、公明とは今後も連携していくのですか。


 かつて民間労組が支援した旧民社党との「『自公民』路線」のイメージで与党と連立を組むのではないかとよく言われますが、我々にとって次の参院選は生き残りをかけた選挙。そこで勝ち抜かない限り、どこと組むなどということを言える状態ではない。ひたすら政策を訴えるだけです。


──立憲や共産との「野党共闘」路線もある程度効果があったと思いますが、今後どうなりますか。


 1人に絞ったら勝てる選挙区はいいのですが、勝てないところは勝てない。選挙を優先した結果、政策があいまいになってしまい、なかなか野党が政権の選択肢になれなかった。我々はもう一度、政策実現にこだわりたい。与野党を超えて政策本位で連携していくことを党の方針で決めています。


 よく、与党にすりよっていると言われますが、我々は国民に寄り添っている。政党は左右にカテゴライズされがちですが、コロナ禍で苦しい状況を乗り越える知恵や工夫を政策として与野党関係なく出してほしいというのが国民の思いではないか。今は野党が乱立状態で政権交代への道のりは遠い。それよりは、小さくても一つずつ改善していけたら、と考えています。


──今国会中に与党が提出するとみられる補正予算案には賛成しますか。


 我々が求めた燃油対策の財源がほとんどですから、賛成します。


──立憲民主党は内閣不信任案の提出を検討しているようです。提出されたらどうしますか。


 それは野党第1党である立憲民主党が判断することです。むしろ、党首討論をぜひやるべきです。今国会、まだ一度もやっていない。


──参院選公示まで1カ月を切りましたが、最も強く訴えていくことは。


 喫緊の課題は物価以上に「給料が上がる経済の実現」です。今の日本は物価が上がっても給料が上がらない。減税して家計消費を活性化し、官民の投資を増やします。最も大事な投資は人づくり。教育、科学技術にお金を入れなくなったから、日本は30年間成長しない国家になってしまった。新たに「教育国債」を発行して人への投資を倍増させます。天然資源がない日本で、唯一の資源は人ですから。



 自分の国を自分で守ることも大切です。エネルギーの安定供給と電気料金の値上がりを少しでも抑えるために、安全基準を満たした原発を動かすべきです。日米同盟は大事にしつつ、必要な防衛費は増やします。


■「野党は護憲」は旧来型の考え方


──憲法観についてもお聞きしたい。


 現憲法にない緊急事態条項は必要です。特に緊急時の行政府による権限行使を統制するための改正を実現すべきです。国会による行政監視機能は、いついかなる時も機能させる必要がある。大規模災害、大規模感染症、外国からの攻撃、内乱・テロの四つの事態が、議員の任期満了と重なった場合、特例的に任期を延長できる規定をつくらないと、国会による権限統制に空白が生じます。


──改憲については、自民党と主張が重なるようです。有権者にはわかりづらいのでは?


 そもそも、野党だから憲法について議論してはいけないという主張がわからない。日本では、与党は改憲、野党は護憲みたいな構図が固まっていますが、世界的には極めて特異なことです。旧来型の改憲・護憲から早く解き放たれないと、時代の大きな変化に日本の政治はついていけなくなるという危機感があります。


──ずばり、参院選の獲得議席数は?


 まずは現有議席(12。うち改選は7)を上回ることです。正直、厳しい選挙ですが、選挙は政党にとっての最大の広報機会。政策本位で勝ち抜きます。


──参院選後の、党としてのビジョンは。


 参院選後は大きな国政選挙がない「黄金の3年間」が来て与党の好き放題になるという見方もありますが、私は違った見方をしています。


 岸田文雄政権は選挙後に何もしなくなり、日本に必要な改革が進まなくなる恐れがある。安倍晋三政権は良くも悪くもいろいろなことをやって支持率も上下しましたが、リスクをとらず何もしないほうが、支持率を一定に保ててしまいますから。そんな中で、私たちは課題をいち早く見つけて解決策を示し、政府・自民党のお尻をたたいて実現させていくつもりです。


(聞き手 本誌・村上新太郎)

※週刊朝日  2022年6月3日号


このニュースに関するつぶやき

  • 民主党政権みたいなもんよ。財務省の狗・ルーピー岸田率いる宏池会。安倍、菅の残した財産をさも自分の功績の様に振る舞う辺りはソックリ。ルーピー鳩山も麻生のそれを横取りしてたわな。
    • イイネ!5
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