花粉症の人は果物アレルギーに注意を りんごや桃を食べると口の中がかゆく

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2022年05月27日 06:01  web女性自身

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今、急増している大人の果物アレルギー。ある日いきなり発症し、命に関わることもあるから注意が必要です。どんな人がなりやすいのか、専門医に聞きました――。



「大人の食物アレルギー疾患は、10年前と比べたら間違いなく増えています。なかでも、受診に来られる患者さんの原因食物で多いのが果物と野菜。次に小麦、甲殻類です。とくに女性の患者さんの“果物アレルギー”は多いですね」



このように語るのは、食物アレルギーに詳しい、国立病院機構相模原病院・臨床研究センターの福冨友馬医師。



“りんごを食べたら急に喉がかゆくなった”“ももを食べたら唇がどんどん腫れてきた”……。これまで果物を食べても何ともなかったのに、突然このような食物アレルギーを発症する大人たちが、近年急増しているという。



なかでも果物アレルギーが多いというのは、一体なぜなのか?



「原因のほとんどが花粉症です。果物や野菜には、花粉症の原因となるアレルゲンと構造が似ているアレルゲンが存在します。ヒトの免疫細胞は、構造が似ているアレルゲンを区別できません。そのため、花粉症の人が果物や野菜を食べると、アレルギー反応を起こす場合があります。特に“カバノキ科”の花粉は、りんごやももなどバラ科の果物のアレルゲンと構造が似ているのでカバノキ科花粉症の人は注意が必要です」(福冨医師・以下同)



花粉症といえば、一般的にスギやヒノキを連想しがちだが、あまり耳慣れないカバノキ科の花粉症の患者も、じつは多いのだという。



カバノキ科の植物として有名なのは、ハンノキ、オオバヤシャブシ、シラカンバなど。ハンノキは、公園や緑地、湿地帯などでよく見られる樹木。オオバヤシャブシは、温暖な地方の造成地に広く植栽され、シラカンバは、北海道や東北地方などに多く自生している。





■花粉症の人が増えると果物アレルギーも増える



20年以上前、兵庫県の六甲山系の宅地や道路に、大量にオオバヤシャブシが植栽され、周辺地域の住民が花粉症、果物アレルギーを発症したことがあった。その後、一部の地区ではオオバヤシャブシを伐採。アレルギー患者は減少したという。



「カバノキ科の花粉症の患者さんは自宅の近く、あるいは学校や職場といった生活エリア内に、緑地があることが多いようです。そこから毎年花粉が飛散し、ある年に果物アレルギーが発症。カバノキ科のほかにも、草の花粉のイネ科、キク科のブタクサ、ヨモギなどの花粉症が原因で発症する人もいます」



花粉によって、アレルギー反応を起こす果物は異なる。花粉症ごとにアレルギーを起こしやすい果物と野菜は次のとおり。



【花粉別・アレルギーを起こす食品例】※福冨友馬医師の著書『大人の食物アレルギー』(集英社新書)をもとに本誌が作成



〈カバノキ科〉


原因の花粉:ハンノキ、オオバヤシャブシ、シラカンバ
食品:バラ科果物(りんご、もも、なし、さくらんぼ、いちご、プラム)、 ヘーゼルナッツ、マメ科(大豆、ピーナツ)、セリ科(にんじん、セロリ)



〈草の花粉〉


原因の花粉:イネ科、ブタクサ、ヨモギ
食品:ウリ科(メロン、すいか、きゅうり)、トマト、オレンジ、バナナ、アボカド



〈ヒノキ科〉


原因の花粉:スギ、ヒノキ
食品:バラ科果物、柑橘系果物、梅干し



日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会の調査(’19年)によると、花粉症の有病率は10年単位で増えている。つまり、花粉症の患者が増加していることに伴い、果物アレルギー患者も増え続けていると考えられる。





■手荒れ、人工甘味料もアレルギー発症の要因に



このように花粉症が原因で果物アレルギーになるケースは多いのだが、それ以外の原因で発症することもある。



「たとえば、調理師の方などは、同じ食材を毎日頻繁に触ったり、食材を焼いたりゆでたりした蒸気を体内に吸引します。そうすると皮膚や粘膜を介して食物アレルギーになることがあるのです。とくに手荒れをしている場合、荒れた手の皮膚から食物アレルゲンを吸収し、その食物のアレルギーを発症する可能性が高くなります」



毎日、朝、昼、晩と食事を作っている主婦も注意が必要だ。



今後、果物アレルギーにならないための対策はあるのだろうか。



「実際のところ、花粉症にならないようにするのは、現代人にとって難しいと思います。ただ、重症化を防ぐという意味では、花粉症になっても健康でいることが大切。体が弱っている人は、アレルギー症状が重くなりますから」



福冨医師は病院に来る患者に対して、砂糖を控えるようにアドバイスしている。



「甘いものばかり食べて砂糖を取りすぎている人。そしてビタミンやミネラル、鉄の不足。またタンパク質を十分に摂取できていない人は、カロリーは取れていても栄養失調状態なので、アレルギー症状が悪化しやすくなります。そうならないためには偏った食事、睡眠不足や運動不足などを避けて、生活習慣を乱さないことが大事です」



欧米では、果糖ブドウ糖液糖(果糖の含有率が50%以上90%未満)が入ったフルーツジュースなどをよく飲む人に、アレルギー疾患が多いという報告もある。



さらに、アレルギーは何歳でも発症する可能性があるという。



「高齢者でも発症することがあります。症状も悪化しやすいうえ、心臓に疾患のある人だと、アナフィラキシーになったときに重症化しやすく、とても危険です」



今までは大丈夫だったから……。そう油断せず、果物や野菜を食べた直後に、せきが出たり、喉が詰まる、さらに唇が腫れたりする場合は、医療機関で、食物アレルギーの検査を受けるようにしよう。

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